- 本の紹介
- 判断のバイアス、認知の限界、評価軸に生じる歪み等、ビジネスシーンで意思決定の失敗を招く要因を事前回避するためのファイナンシャルテクニックやマネジメント手法を紹介。
目次
決断力を高めるビジネス会計
目次
はじめに
第1章 経営判断と管理会計の基本
~B/S,P/Lは意思決定の役に立たない!?~
1 A事業から撤退か,存続か?
2 財務諸表はマネジャーの意思決定に役立たない!?
3 経営判断の基本
① マネジメントの3つの階層と経営判断
② 戦略プランニングの意思決定
③ 事業マネジメントの意思決定 ……ほか
4 意思決定の基本
① システム1とシステム2
② 優れた意思決定のためのアプローチ
5 管理会計の基本
① 管理会計にとっての目的適合性
② 2×3マトリックス
③ 経営判断と管理会計
第2章 ビジネスシーンで判断を歪めるもの
~経営判断のトラップ~
1 判断のバイアス
① 利用可能性バイアス
② 代表性バイアス
③ 確証バイアス ……ほか
2 認知の限界
① 選択的知覚
② 非注意性盲目
③ 認知的不協和
3 評価軸に生じる歪み
① リスク忌避と損失忌避
② 確率の評価
③ メンタル・アカウンティング ……ほか
4 意思決定のトラップ
① 意思決定の遅れ
② 速すぎる意思決定
③ 思い込み,無知 ……ほか
5 集団意思決定のトラップ
① グループシンク(集団浅慮)の症状
② 経営判断とグループシンク
③ 機長症候群 ……ほか
6 意思決定のトラップを防ぐ方法
① 決定分析ツールの使用
② 専門知識の獲得
③ バイアス,評価軸歪みの補正 ……ほか
第3章 意思決定のトラップを避けるための基本テクニック
〜「BEST」の意思決定vs「BETTER」な意思決定〜
1 意思決定のトラップを避けるための会計テクニック
2 差額原価収益分析
3 機会原価(機会費用)
4 A事業から撤退か
5 差額原価収益分析と埋没原価トラップ,メンタル・アカウンティング
6 キャッシュ・フロー分析
① 回収期間法
② NPV法
③ IRR法
7 CVP分析
① 損益分岐点分析
② 限界利益
③ 感度分析
8 線形モデル
9 シナリオプランニング
第4章 OODAループへ
~意思決定プロセスと情報システムを見直す~
1 不確実性の下の優れた意思決定プロセス:OODAループ
2 PDCAサイクルとOODAループ
3 OODAループのビジネスへの適用
4 OODAループと意思決定のトラップ
5 観察(Observation)のための会計情報
① 早期警戒情報としての会計情報
② 観察のための会計情報の例
③ 予測値の活用とフィードフォワードコントロール ……ほか
6 状況判断(Orientation)のための会計情報
① 分析と総合のための会計情報
② システム1のための情報とシステム2のための情報
③ システム1による状況判断のための会計情報 ……ほか
7 決定(Decision)と行動(Action)のための会計情報
①「決定- 行動」は「仮説- 検証」
② 次のOODAループのための情報収集
8 OODAループを支援するための情報システム
9 ケーススタディ
付録■ 意思決定の罠に関する用語集
著者プロフィール
森川 智之(もりかわ ともゆき)
公認会計士。
平成3年公認会計士二次試験合格。
大手監査法人にて,会計監査,上場コンサルティング,企業再建,M&A業務などに従事したのち平成11年に独立。
現在は会計コンサルティング,会計業務サポート,研修・セミナー講師,ベンチャー企業支援などを手掛ける。
主な著作
「《スタンフォード・ビジネススクールが教える》財務諸表の読み方 DVD」監訳など。
- 担当編集者コメント
- 不確実性が高いビジネス環境で戦う
全ての経営者・ビジネスマンにおすすめします。
重大な決断が求められる場面で、誤った判断がなされたり、とんでもない意思決定が行われることがあります。原因として判断のバイアス、認知の限界、評価軸に生じる歪み、意思決定のトラップ等があります。本書は、事例を用いてそのような因果関係を解明するとともに、意思決定を支える数値情報である会計を、どうすれば、経営者やマネジャーの決断に有効に活用できるか、について考察するものです。
利用可能性バイアス/代表性バイアス/確証バイアス/アンカリング/自信過剰/連言事象と選言事象/選択的知覚/非注意性盲目/認知的不協和/リスク忌避と損失忌避/確率の評価/メンタル・アカウンティング/長期的利益の過小評価/意思決定の遅れ(先送り、決定できない)/早すぎる意思決定/思い込み、無知/否認/埋没原価トラップ/エスカレーション・トラップ/グループシンク(集団浅慮)/機長症候群/OODA-LOOP