9つの失敗パターンでわかるM&A戦略の基本と実務

中山 博喜

定価(紙 版):2,970円(税込)

発行日:2023/12/28
A5判 / 224頁
ISBN:978-4-502-48601-2

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本の紹介
戦略に起因するM&Aの失敗パターンを9つに集約し、その処方箋を解説。戦略策定の模擬演習やChatGPTを用いた策定例を紹介するなど実践的なアプローチで解説した。

目次

PARTⅠ M&A戦略の基本中の基本
第1章 戦略がM&Aの成否の命運を握る

1 M&A概況
2 M&A戦略概論
3 M&Aの成功とは
4 M&A戦略に関するよくある勘違い
5 そもそも戦略とは何か

第2章 M&A戦略策定の実務
1 M&A戦略策定の流れ(4ステップ)
2 売却側(セルサイド側)におけるM&A戦略

PARTⅡ 失敗パターン別M&A戦略策定の要諦
●失敗事例から考察する意義
●失敗に陥る9つの典型的パターン

第3章 失敗パターン①:戦略なき前進
【事例1 工作機械製造企業(A社)の新規事業展開におけるM&A】
1 戦略なき前進が招く結果とは
2 M&Aは手段であって目的ではない
3 戦略を機能させる=M&A自体を目的化させない仕組み
4 曖昧な戦略による弊害

第4章  失敗パターン②:戦略フレームワークの落とし穴にはまる
【事例2 メディア運営企業(B社)によるプロバスケットボール運営会社のM&A】
1 フレームワークの使用は思考停止のトリガーになる
2 落とし穴を回避するためには
3 フレームワークを有効的に活用するためには

第5章 失敗パターン③:シナジーが絵に描いた餅になる
【事例3 アパレル小売業(C社)の同業他社のM&A】
1 シナジーは夢物語なのか
2 マジックワード化の原因
3 シナジーだけでなくディスシナジーも忘れてはならない
4 シナジー実現に向けたアクションプランの策定

第6章 失敗パターン④:無謀にレッドオーシャンでの戦いに参入
【事例4 外食チェーン(D社)による同業他社のM&A】
1 なぜ,レッドオーシャンに参入してしまうのか
2 ブルーオーシャンを作り上げていく必要性
3 M&Aにブルーオーシャンを取り入れる

第7章 失敗パターン⑤:リスク回避が逆にリスクとなる
【事例5 電子部品製造業(E社)のM&A検討】
1 なぜ,リスク回避がリスクにつながるのか
2 リスクをとるべきか,回避すべきかをどのように見極めるのか

第8章 失敗パターン⑥:ESG(環境・社会・ガバナンス)の配慮が不足
【事例6 専門商社(F社)の海外市場への展開】
1 ESG経営の重要性が増している背景とは
2 M&AへのESG実装
3 思考プロセスの転換~トレードオフ思考からの脱却~

第9章 失敗パターン⑦:驕りから強引な戦略を策定
【事例7 ECサイト運営会社(G社)のネット旅行代理店業への進出】
1 買収対象企業の協力が不可欠
2 経営者だけでなく,現場の意識にも要注意
3 社外取締役やアドバイザーの意見も参考にする
4 買収対象企業にとってのメリット

第10章 失敗パターン⑧:撤退戦略を見誤る
【事例8 食品加工企業(H社)のネットスーパー事業の撤退】
1 買収するだけがM&A戦略ではない
2 戦略的撤退には多くの障壁がある
3 撤退事例から学ぶべきポイント

第11章 失敗パターン⑨:戦略を支えるM&A実施体制を軽視
【事例9 マテハン機器製造企業(I社)による技術獲得のためのM&A】
1 体制が不十分であると,戦略が宙に浮く
2 社内体制の構築で気を付けるべきポイントとは
3 投資基準・モニタリング基準・撤退基準を決めておく

PARTⅢ M&A戦略策定の総括・実践
第12章 M&A戦略を機能させる

1 戦略の機能不全にメスを入れるのが最優先
2 M&A戦略の機能不全を防ぐための要諦
3 失敗事例とM&A戦略の処方箋の関係

第13章 「良い」M&A戦略を作る
1 「良い」M&A戦略とは何か?
2 M&A戦略策定時のHow思考の落とし穴
3 「良い」M&A戦略の条件
4 本章におけるポイントのクロスチェック

第14章 模擬演習:M&A戦略策定
1 模擬演習:実際にM&A戦略を策定してみた
2 Before版のM&A戦略
3 After版のM&A戦略
4 Before版とAfter版を踏まえた考察

第15章 ChatGPTによるM&A戦略策定
1 前提条件
2 ChatGPTが作成したM&A戦略への考察
3 小括

著者紹介

中山 博喜(なかやま ひろのぶ)
[プロフィール]
デロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリー合同会社コーポレートストラテジーサービス/ヴァイスプレジデント。
一橋大学大学院国際企業戦略研究科(現一橋大学大学院経営管理研究科)修了。証券会社のセルサイドアナリストを経て、2013年に現職のデロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリー合同会社に入社。コーポレートストラテジーサービスに所属し、専門はコマーシャル・デューデリジェンス、ビジネス・デューデリジェンス、オペレーショナル・デューデリジェンス、市場調査、戦略策定。