- 本の紹介
- 意外と知らない現場の姿から、あるべき管理方法が見えてくる。輸送、保管、包装・梱包、荷役、流通加工からなる現場を動かす5機能を押さえ、物流の基本をわかりやすく解説。
目次
すらすら物流管理
目次
はじめに
第1章 いま再び物流へ〜物流管理の話を始める前に
1 なぜいま物流なのか
❶ 物流への関心が薄れる?
2 ロジスティクスって何?
❶ 便利な横文字コトバ ……ほか
3 ロジスティクスには2つの定義がある
❶ 広義のロジスティクスは“市場と供給活動の同期化” ……ほか
4 違いは在庫への踏み込み
❶ 在庫の量へ踏み込むのが広義のロジスティクス ……ほか
5 根の深い在庫問題
❶ 顧客が待ってくれるのか,くれないのか ……ほか
6 物流はなくならない
❶ 物流は古臭い? ……ほか
第2章 まずはトラックのことを知ろう
1 意外と知らない物流の5つの機能
2 輸送の主役はトラック
❶ 物流コストの6割は輸送 ……ほか
3 普及のカギはドア・ツー・ドア
❶ 利便性が決め手 ……ほか
4 トラックにはどのような種類があるのか
❶ 普通免許でトラックが運転できる?
〜重量と運転免許による分類 ……ほか
5 トラック輸送のしくみと運賃
❶ 貸切便と積み合わせ便 ……ほか
第3章 身近を走る鉄道輸送
1 中・長距離の大量輸送に優れる
❶ かつては貨物輸送の主役 ……ほか
2 鉄道輸送にはどのような種類があるのか
❶ 車扱はタンク車が中心 ……ほか
3 鉄道輸送のしくみと運賃を知っておこう
❶ 鉄道とトラックで運ぶ ……ほか
第4章 桁違いの海上輸送
1 安価で大量に運べる
❶ 桁違いの輸送量 ……ほか
2 貨物船にはどのような種類があるのか
❶ 在来船と専用船〜船型・用途による分類 ……ほか
3 コンテナ船のしくみを知ろう
❶ 海上輸送を変えたコンテナ船 ……ほか
4 地方港の国際化
❶ 地方港の国際化とは ……ほか
第5章 航空輸送は国際物流の花形
1 航空輸送の特徴を押さえておこう
❶ スピードが最大の特徴 ……ほか
2 航空輸送の種類
❶ パッセンジャーとフレーター
3 航空輸送のしくみと運賃を知ろう
❶ 直送貨物と混載貨物 ……ほか
第6章 モーダルシフトとマルチモーダル
1 モーダルシフトが必要なわけ
❶ CO2の排出量を減らす ……ほか
2 容易ではないモーダルシフト
❶ モーダルシフトへ3つの壁
3 マルチモーダル(国際複合一貫輸送)
❶ ドア・ツー・ドアの国際輸送サービス ……ほか
第7章 保管は物流の要
1 「時間の隔たり」を克服する活動
❶ 保管はほとんどの製品で発生 ……ほか
2 在庫とキャッシュ・フローの関係
❶ 在庫がキャッシュ・フローを増減させる ……ほか
3 3種類の倉庫
❶ 倉庫には3つの種類がある ……ほか
4 営業倉庫のことを詳しく知ろう
❶ 普通倉庫は6種類 ……ほか
5 倉庫料金を計算する
❶ 普通倉庫料金方式 ……ほか
6 倉庫の原価構成を知っておこう
❶ 倉庫にかかわる原価
第8章 物流センター
1 倉庫と物流センターの違いは?
❶ 各社なりの呼び方が ……ほか
2 物流センターの役割
❶ 物流センターの機能 ……ほか
3 物流センターはどこにどれだけ置く?
❶ 単純ではない物流拠点配置 ……ほか
4 荷 役
❶ ユニットロード・システム ……ほか
5 流通加工
❶ 流通加工とは ……ほか
第9章 生産性を高める
1 生産性には広がりがある
❶ 一口に物流改善といっても ……ほか
2 そもそも生産性とは
❶ 生産性はインプットに対するアウトプットの比率 ……ほか
3 生産性をアップする
❶ 生産性アップの4つの方法
4 生産性アップの3つの切り口
5 原価は分けて考える
6 直接費の着目点
❶ コントロールできるのは人件費 ……ほか
7 間接費の着目点
❶ 間接費の生産性はABC,ABMでアップする ……ほか
8 生産性を数字で評価する〜物流KPI
❶ KPIの条件 ……ほか
第10章 コストは機会費用で考える
1 アウトソーシングは機会費用を意識する
❶ アウトソーシングでコストが減る? ……ほか
2 改めて機会費用とは
❶ 得られたであろう利得・価値が機会費用 ……ほか
3 再びアウトソーシングの機会費用
❶ アウトソーシングの機会費用を計算してみよう
4 物流事業者の機会費用を考える
❶ 仕事を獲得するか,しないか ……ほか
5 機会費用による変動型料金
❶ コスト積上げ型では勝てない ……ほか
著者プロフィール
山田 健(やまだ たけし)
㈱日通総合研究所 取締役教育コンサルティング部長。
1979年横浜市立大学商学部卒業,同年日本通運株式会社入社。
同社にて総合商社,食品メーカー,繊維メーカー,アパレルなどへの提案営業,国際・国内物流システム構築に携わった後,
1997年より㈱日通総合研究所勤務。主にメーカーや卸の物流効率化,物流コスト削減,物流拠点再構築などのコンサルティングを行う。
最近では,国土交通省や自衛隊,物流業界団体,物流事業者,荷主向けの研修・セミナー企画および講師にも携わる。
共著
『物流コスト削減の実務』(中央経済社),
『物流戦略策定シナリオ』(かんき出版)などがある。
中小企業診断士,通関士。
- 担当編集者コメント
- 問題の原因を生産,調達,仕入や販売など他の機能に求める前に,地に足をつけた地道なアプローチによって取り組んでいくことも必要なのです。
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■「物流」は物を保管し,配送するというある意味とても泥臭いリアルな活動です。
■海外への生産シフトが進展し,グローバル・ロジスティックスやグローバルSCMのようにマネジメントの範囲が物流を超えて拡大し,ITを取り込んで高度化したとしても,物流の泥臭い部分が大きく変わることはありません。
■物流は生産・仕入・販売などの結果として発生するものではありますが,だからといって物流の中で自己完結的に解決できる問題も決して少なくありません。