高齢者法の理論と実務

関 ふ佐子 編著

定価(紙 版):6,160円(税込)

発行日:2025/03/04
A5判 / 404頁
ISBN:978-4-502-49851-0

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本の紹介
高齢者を取り巻く法的課題について、様々な立場の実務家・研究者が、研究会において検討を積み重ねて執筆した論文で構成される。高齢者法という法分野の確立を目指す論文集。

目次

第1部 総論
第1章 高齢者法をとりまく状況と理論
〔関 ふ佐子〕
Ⅰ 高齢者法概説
Ⅱ 高齢者法の法理論

第2章 高齢者の人権を考察するための枠組み〔秋元 美世〕
Ⅰ 高齢者の人権の分析枠組み
Ⅱ 高齢者の権利の類型化
Ⅲ バルネラビリティとオートノミーのかかわり方をめぐって
Ⅳ 個別具体的な対象者と不特定多数の対象者  ―対象となる高齢者像の違いと関係性について

第2部 理論編
第3章 高齢者の人間像
〔関 ふ佐子〕
Ⅰ 高齢者の障壁と人間像
Ⅱ 高齢者の特徴

第4章 高齢者の意思決定に対する法的支援〔西森 利樹〕
Ⅰ 高齢者法における意思決定と支援
Ⅱ 障害者権利条約と意思決定支援
Ⅲ 日本国内における意思決定支援をめぐる状況
Ⅳ 意思決定支援に関するガイドライン
Ⅴ 今後求められる法的支援の方向性―意思決定支援の保障
Ⅵ 意思決定支援と高齢者法の意義

第5章 エイジズムの視点からみた高齢者雇用〔柳澤 武〕
Ⅰ エイジズムの定義と変容
Ⅱ アメリカ社会とエイジズム
Ⅲ 日本型雇用システムと年齢
Ⅳ 現代的な法課題―エイジ・ハラスメント
Ⅴ 今後の課題

第6章 高齢者の経済的問題に関する法制度─所得保障と資産管理〔西村 淳〕
Ⅰ 高齢者法と高齢者の経済的問題
Ⅱ 各分野の現状と課題
Ⅲ 高齢者特有の経済的ニーズに対応した高齢者法の検討

第7章 高齢者医療をめぐる法的諸問題─医療における「高齢者」に着目して〔原田 啓一郎〕
Ⅰ 高齢者の特性と高齢者医療
Ⅱ 高齢者医療をめぐる高齢者法の問題関心
Ⅲ 高齢者法の視点からみる高齢者医療の法的諸問題

第8章 高齢者の住まいの選択における情報提供・相談─「住み替え」を支える制度に着目して〔川久保 寛〕
Ⅰ 介護保険にかかわる支援
Ⅱ 医療サービスの提供に付随する支援
Ⅲ 保険外施設介護サービスにおける支援
Ⅳ 高齢者の「住み替え」と支援

第9章 中国の高齢者をめぐる法制度─高齢者権益保障法を中心として〔余 乾生〕
Ⅰ 中国の高齢者をめぐる法制度の全体像
Ⅱ 高齢者権益保障法の枠組み

第3部 実務編
第10章 認知症の医療現場における課題
〔鈴木 ゆめ〕
Ⅰ 「認知症」をめぐる用語
Ⅱ 認知機能障害と認知症
Ⅲ 事件・事故・裁判と認知症―医師から見た法的課題

第11章 認知症高齢者の意思能力をめぐる司法判断〔川島 通世〕
Ⅰ 認知症高齢者の意思能力をめぐる事件の増加
Ⅱ 裁判例の検討
Ⅲ 裁判例の検討からみられる課題
Ⅳ 課題克服の方策

第12章 福祉現場での高齢者の意思決定支援─ソーシャルワーク実践における支援のプロセス〔水谷 紀子〕
Ⅰ 生活費管理と介護保険制度利用の支援事例
Ⅱ 医療や看取りに関する判断の支援事例
Ⅲ 「生き方」「暮らし方」の意思実現の支援事例
Ⅳ 高齢者の生活と意思決定のソーシャルワーク

第13章 法律相談における高齢者対応〔丸尾 はるな〕
Ⅰ 高齢者からの法律相談
Ⅱ 高齢者に対する各種の理解と配慮

第14章 高齢者の財産承継─高齢者の真意に配慮した法的対応〔田中 恒司〕
Ⅰ 高齢者の財産承継
Ⅱ 財産承継の意思および真意の内容と決定過程
Ⅲ 事業承継と高齢者
Ⅳ 単身高齢者の財産承継

第15章 特別養護老人ホームにおけるサービスの質の確保と方法〔本間 郁子〕
Ⅰ サービスの質の評価に関する法規定と現状
Ⅱ 質を確保する3つの強化体制における現状
Ⅲ 認証「悠」の評価システム
Ⅳ 第三者評価や認証「悠」に期待される社会的役割

著者紹介

関 ふ佐子(せき ふさこ)
[プロフィール]
神奈川大学法学部教授。専門は,高齢者法,社会保障法。

[主な著作]
「第1章高齢者法の意義」「第4章高齢者と経済的基盤」『高齢者法:長寿社会の法の基礎』(共著,東京大学出版会,2019年)