- 本の紹介
- Harris、Marple、Wright、Horngrenの4人の泰斗の学説を分析して、また戦後の日本固有の展開を描き出すことにより、直接原価計算の本質を解明。
目次
序 章 本書の目的と構成
第Ⅰ部 経営管理ツールとしての直接原価計算の概要と展開
第1章 直接原価計算とは何か
第2章 固定費管理と直接原価計算
第3章 直接原価計算の変容
第Ⅱ部 直接原価計算の泰斗たち
第4章 先駆者Harrisの貢献
第5章 Marpleによる啓蒙
第6章 Wright による実践的普及
第7章 Horngrenによる理論的探究
第Ⅲ部 わが国における直接原価計算の展開
第8章 わが国における直接原価計算の受容と展開
第9章 わが国における外部報告論争
第10章 直接原価計算と原価計算基準
- 担当編集者コメント
- 直接原価計算はどのように生成・発展を遂げたか?
〇本書の概要
第Ⅰ部は,経営管理ツールとしての直接原価計算の概要を述べています。経営管理ツールとしての直接原価計算の特性,直接原価計算における利益計算の原理,固定費の管理における直接原価計算の機能,そして環境変化に対して直接原価計算がどのように変容していくのか・どのように展開していくのか,について考察しています。
第Ⅱ部は,直接原価計算の生成と普及に貢献した泰斗たちについて述べています。Harris,Marple,Wright,Horngrenがどのような視点・立場から直接原価計算を捉えその生成と発展にどのように貢献していったのかをみることで,通史とは別の視点で直接原価計算の生成発展過程を多角的に明らかにしています。
第Ⅲ部は,わが国における直接原価計算の展開について述べています。これまで直接原価計算に関わるわが国の動向をまとめて論じたものは案外なく,ここではその発展の姿,とりわけわが国固有の展開を描き出しています。
『直接原価計算発達史』刊行から16年、2冊目の直接原価計算に関する研究書です。
『直接原価計算論発達史』が縦糸をつむぐ考察としたら、本書は横糸をつむぐ考察で、これにより直接原価計算の本質をより明確に示すことをねらいとしています。
見どころは、個人的には第Ⅱ部と第Ⅲ部ですね。
第Ⅱ部は、人に焦点をあてた研究。
近時、こうした研究は膨大な時間がかかることもあり、とても少なく貴重だと思います。
第Ⅲ部は、日本の議論を整理。
先生もおっしゃっていますが、日本の議論を整理したものはないとのことですので、この点も貴重な研究成果だと思います。
研究者はもちろんですが、原価計算に関心のある実務家の方々にも有益な内容です。
ぜひぜひご覧・ご活用ください!