地域銀行の償却・引当―制度と実証

梅澤 俊浩

定価(紙 版):6,160円(税込)

発行日:2024/06/25
A5判 / 388頁
ISBN:978-4-502-50281-1

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本の紹介
日本の制度的枠組みのもとでの銀行経営者の償却・引当に関するインセンティブ構造を明らかにしたうえで、地域銀行経営者の償却・引当行動に関する経験的証拠を提示。

目次

序 章 問題の所在と本研究の構成
第Ⅰ部 制度編
第1章 銀行の経済的機能と監督当局の役割
第2章 米国の金融制度と先行研究
第3章 日本の銀行の資産査定と償却・引当の制度
第4章 日本の銀行の自己資本比率規制
第5章 日本の銀行のディスクロージャー制度
第Ⅱ部 実証編
第6章 貸倒引当金モデルの構築
第7章 キャッシュ・フロー見積法による引当が貸倒引当金に及ぼす影響
第8章 貸倒引当金繰入額モデルの構築
第9章 利益平準化仮説、自己資本比率調整仮説およびシグナリング仮説の検証
第10章 個別貸倒引当金繰入額のシグナリング仮説の検証
第11章 業務純益平準化仮説の検証
補 論 フォワードルッキング情報と貸倒引当金
 * 
終 章 総括と今後の課題

著者紹介

梅澤 俊浩(うめざわ としひろ)
[プロフィール]
1999年 早稲田大学商学部卒業
2005年 早稲田大学大学院商学研究科博士後期課程単位取得退学
2005年 北九州市立大学経済学部講師
2007年 MIT Sloan School of Management客員研究員(~2008年)
2008年 北九州市立大学経済学部准教授
2019年 龍谷大学経営学部准教授
2022年 早稲田大学大学院商学研究科より博士(商学)の学位を取得
2023年 龍谷大学経営学部教授(現在に至る)

[主な著作]
「創業社長マネジメントが新規株式公開のアンダープライシングに及ぼす影響」『証券アナリストジャーナル』第45巻第9号,45-56,2007年,(共著)
「メインバンク関係が財務報告の質に及ぼす影響」『早稲田商学』,第446号,463-513,2016年,(共著)
「地方銀行の貸倒引当金繰入額に係る裁量的調整行動」『現代ディスクロージャー研究』第15号,41-84,2016年,(2016年日本ディスクロージャー研究学会学術賞最優秀論文賞)
「支払手形から電子記録債務への切替えの動機とその影響」奥村雅史編著『デジタル技術の進展と会計情報』中央経済社,21-55,2023年,(共著)

担当編集者コメント
日本の地銀経営者は、いつ、なぜ、どのような目的で償却・引当を行っているのか?

日本の制度的枠組みのもとでの銀行経営者のインセンティブ構造を明らかにしたうえで、地域銀行経営者の償却・引当行動に関する経験的証拠を提示する骨太な研究成果です。

<本書の特徴>
① 日本の銀行の (1)資産査定と償却・引当の制度、(2)自己資本比率規制、(3)ディスクロージャー制度の制度的枠組みとその特徴を明らかにしている点。
② 日本の銀行の資産査定と償却・引当の制度に則って、貸倒引当金 (繰入額) の実証モデルを構築している点。
③ 日本の制度的枠組みに基づいて、日本の銀行経営者仕様の仮説を導出して、その検証に適した実証モデルを用いて検証している点。

本書は、日本の地域銀行経営者の引当行動を体系的に実証分析した学術書ですが、日本の銀行の制度的枠組みを整理し、その特徴を明らかにしているため、研究者のみならず、監督当局や公認会計士、銀行の役員や経理担当者に大変有益です!

梅澤先生の渾身作、ぜひご覧ください!