- 本の紹介
- 日本の制度的枠組みのもとでの銀行経営者の償却・引当に関するインセンティブ構造を明らかにしたうえで、地域銀行経営者の償却・引当行動に関する経験的証拠を提示。
目次
序 章 問題の所在と本研究の構成
第Ⅰ部 制度編
第1章 銀行の経済的機能と監督当局の役割
第2章 米国の金融制度と先行研究
第3章 日本の銀行の資産査定と償却・引当の制度
第4章 日本の銀行の自己資本比率規制
第5章 日本の銀行のディスクロージャー制度
第Ⅱ部 実証編
第6章 貸倒引当金モデルの構築
第7章 キャッシュ・フロー見積法による引当が貸倒引当金に及ぼす影響
第8章 貸倒引当金繰入額モデルの構築
第9章 利益平準化仮説、自己資本比率調整仮説およびシグナリング仮説の検証
第10章 個別貸倒引当金繰入額のシグナリング仮説の検証
第11章 業務純益平準化仮説の検証
補 論 フォワードルッキング情報と貸倒引当金
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終 章 総括と今後の課題
- 担当編集者コメント
- 日本の地銀経営者は、いつ、なぜ、どのような目的で償却・引当を行っているのか?
日本の制度的枠組みのもとでの銀行経営者のインセンティブ構造を明らかにしたうえで、地域銀行経営者の償却・引当行動に関する経験的証拠を提示する骨太な研究成果です。
<本書の特徴>
① 日本の銀行の (1)資産査定と償却・引当の制度、(2)自己資本比率規制、(3)ディスクロージャー制度の制度的枠組みとその特徴を明らかにしている点。
② 日本の銀行の資産査定と償却・引当の制度に則って、貸倒引当金 (繰入額) の実証モデルを構築している点。
③ 日本の制度的枠組みに基づいて、日本の銀行経営者仕様の仮説を導出して、その検証に適した実証モデルを用いて検証している点。
本書は、日本の地域銀行経営者の引当行動を体系的に実証分析した学術書ですが、日本の銀行の制度的枠組みを整理し、その特徴を明らかにしているため、研究者のみならず、監督当局や公認会計士、銀行の役員や経理担当者に大変有益です!
梅澤先生の渾身作、ぜひご覧ください!