- 本の紹介
- 表現の自由を考えることは、民主主義とは何か、どうあるべきかを考えることに他ならないの問題意識を基礎に、「違憲審査」「政治過程」等の諸論点を米国判例を参照して解説。
目次
第1部 表現規制と違憲審査
第1章 表現の自由と違憲審査―表現規制の類型論と利益衡量―
1 表現規制の類型論
2 最高裁判例における表現規制の考え方
3 カテゴリーアプローチと利益衡量アプローチ
第2章 見解に基づく差別禁止法理―合衆国最高裁判所における展開と問題―
1 表現規制の法理と違憲審査
2 合衆国最高裁判所における見解規制の現状
3 見解に基づく差別禁止法理と違憲審査
補論 内容規制と内容中立規制の交錯
1 事実
2 ロバーツ首席裁判官法廷意見
3 スカリア裁判官同意意見
4 解説
第2部 政治過程と表現の自由
第3章 政治資金規制と司法審査の役割
1 合衆国最高裁判所における政治資金規制の展開
2 政治資金規制と司法審査の役割
第4章 地方議員の表現活動と議会懲罰権
1 議会自律権とその限界
2 議会自律権と議員活動に対する制限
第5章 事前運動規制の違憲性
1 選挙運動規制と違憲審査の姿勢
2 事前運動の禁止とその違憲性について
第3部 強制言論と違憲審査
第6章 強制言論の法理
1 合衆国最高裁判所における強制言論法理の展開
2 強制言論の法理
第7章 大阪市入れ墨調査事件―自己決定と情報調査拒否権―
1 大阪市入れ墨調査判決
2 地裁判決の意義と疑問点
3 控訴審判決
4 入れ墨調査を拒むことはできないのか
第4部 会社の言論と営利的言論
第8章 会社の言論―社会的実在性について考える―
1 八幡製鉄事件最高裁大法廷判決における「社会的実在」論と人権論
2 会社の言論に対する制約について
第9章 営利広告規制と情報パターナリズム
1 広告をめぐる二つの事件
2 合衆国最高裁判所における医薬品広告の自由
3 営利的表現に対する憲法保障のあり方
第5部 表現の自由と公共施設
第10章 都市公園利用権と集会規制
1 はじめに―最近の状況から
2 都市公園管理権と利用権
3 公園管理権と集会規制
4 現代社会における集会の自由の位置づけ
5 おわりに―その他の問題
第11章 公用財産と集会規制―金沢市庁舎前広場事件を素材にして―
1 公共用財産・公用財産二分論と集会規制に対する判断の枠組み
2 金沢市庁舎前広場事件最高裁判決