中小Ｍ＆Ａ白書〈2024-25年版〉

本の紹介

日本の中小Ｍ＆Ａに関するデータを整理し、その実態を解明。本書が示す様々なエビデンスが、中小企業が抱える様々な課題や日本の社会課題を解決するための有益な示唆を提供。

ＭＡＲＥＣ（神戸大学大学院経営学研究科　中小Ｍ＆Ａ研究教育センター）（まれっく（こうべだいがくだいがくいんけいえいがくけんきゅうか ちゅうしょうえむあんどえーけんきゅうきょういくせんたー））
［プロフィール］
MAREC（中小M&A研究教育センター）は，神戸大学大学院経営学研究科内に設置された附置センターである。同センターは，国立大学法人神戸大学大学院経営学研究科と株式会社日本M&Aセンターホールディングスの間で締結された，「中小M&Aに関する包括的な産学連携推進に関する協定」に基づく連携事業を強力に推進するために，2022年4月1日付で設置されたものである（センター長：神戸大学大学院経営学研究科　客員教授　忽那憲治）。

同協定は，中小企業・小規模事業者の後継者不在の問題を解決するために，両者が持つ知識，ノウハウ，データ，人材を共有することで，中小M&Aに関する研究・教育の発展を加速し，中小企業・小規模事業者の事業承継を中小M&Aによって促進するとともに，地方経済の発展による地方創生，日本創生の実現に寄与することを目的として締結されたものである。この協定に基づく連携は，神戸大学大学院経営学研究科内の複数の研究室が取り組む中小企業・小規模事業者（ファミリービジネスも含む）を対象とする研究シーズと，株式会社日本M&Aセンターホールディングスとそのグループ会社各社が取り組む「中小M&A仲介・同プラットフォーム」「マッチング」「株価算定」「PMI」や「ファンド」を中心とした事業ニーズを組み合わせる，という，中小M&Aに関して産学の中核的役割を担う産と学のプレーヤーの総力を結集した包括的な産学連携である。

この連携の下で，MARECおよび神戸大学大学院経営学研究科では，教育面においては，学部生を対象とした講義（トップマネジメント講座「中小企業のM&A」)や，MBA学生を対象とした講義(「M&A戦略」）を開講した。また，研究面においては，M&Aによる中小企業・小規模事業者の事業の集約化とイノベーションによる生産性の向上に関する共同研究，ならびに中小M&Aに関わる研究者への支援を広く行っており，新たな学術的知見を生み出すとともに，研究成果をいち早く中小企業・小規模事業者が享受できるよう取り組んでいる。さらに，神戸大学の博士課程学生や若手研究者を対象にした実践的インターンシッププログラムを株式会社日本M&Aセンターで受け入れるなど，中小企業・小規模事業者の経営課題に対する研究テーマを現場で実証する機会を提供し，中小M&Aに関する研究者の育成や，学生のモチベーションの向上につながる仕組みづくりを行っている。

この他，MARECでは，今回の「中小M&A白書』出版，地方創生の社会実現に向けた中小M&Aに関する研究の推進（研究助成や表彰等），教育分野の重点テーマの拡充，研究者の相互交流や人材の派遣を行うことで，成果の創出につな
がる本格的な研究・教育と人材育成に取り組んでいる。こうした情報については，MARECのホームページ等で随時発信しているので参照されたい。

MARECホームページ：https://b.kobe-u.ac.jp/marec/