トヨタ 原点回帰の管理会計〈新装版〉

河田 信 編著

定価(紙 版):3,300円(税込)

発行日:2024/06/18
A5判 / 252頁
ISBN:978-4-502-51261-2

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本の紹介
伝統的財務原価に欠けている「時間軸(リードタイム)」を加味した【コスト=単価×数量×時間軸】の三次元思考が、悪化する世界情勢と長期デフレを生き抜くカギである。

目次

プロローグ

第1章 そもそもトヨタ生産方式(TPS)とは何か
1 TPS の定義
2 TPS の仕組みの基礎
3 TPS の哲学的要素(Thoughtware)
4 非TPS モードとTPS モード─DNA の違いを俯瞰する
5 非データ・場面情報のコンセプト――全体最適経営システム再設計に向けて

第2章 管理会計の基礎とものづくり経営
――特にJITとの関係をめぐって

1 管理会計の定義
2 管理会計の基礎的手法
3 貸借対照表を考える
4 TPS志向の財務分析の可能性
5 原価管理とTPS

第3章 管理会計の工夫
1 ものづくり経営システムのアーキテクチャー
――ピリオドからプロダクトへ
2 JITと整合する会計指標
3「利益」から「利益ポテンシャル」へ

第4章 全部原価計算とTPS
1 企業環境の変化と原価計算
2 全部原価計算の構造的問題点とその現れ方
3 全部原価計算の限界を克服する歩み
4 生産と会計の正しい関係性の構築がTPSを支援する

第5章 投下資本コスト─原価概念に時間軸を
1 時間軸を組み込んだ投下資本コストの考え方
2 ケースA─財務会計の限界
3 ケースB─リードタイムのコスト削減効果
4 ケースC─JITと輸送・在庫問題
5 ケースE─国内生産か海外生産か
6 経済的付加価値EVAの意義と問題点─結びに代えて

第6章 Jコスト論と改善活動
1 現場改善(トヨタ方式)の実際と直面する壁
2 Jコスト論とは何か
3 Jコスト論の応用例
4 Jコスト論の実践事例
5 財務会計からのJIT評価

第7章 内部統制ルールとTPS
1 発生主義会計と利益の「ゆがみ」
2 問題の所在─「在庫が増えると報告利益が増える?」
3 利益とキャッシュ・フローの差─発生項目
4 利益の期間平準化
5 自動車産業の在庫回転期間
6 分析テーブル
7 裁量的発生項目による利益の期間平準化の検出
8 在庫による利益の期間平準化の検出
9 内部統制ルールとトヨタ生産システム─むすびに代えて

第8章 原価企画とTPS
1 原価企画とは
2 原価企画の経営上の意義
3 原価企画とTPS
4 本章のまとめとこれからの原価企画

著者紹介

河田 信(かわだ まこと)
[プロフィール]
1942年 中国北京に生まれる。
1964年 慶應義塾大学法学部政治学科卒業。株式会社明電舎入社
1972年 帝人製機株式会社入社。システム部長,企画部長,開発推進部長等を歴任
1999年4月 名城大学経営学部教授
現在 名城大学名誉教授 経済学博士(東北大学)

[主な著作]
“Strategic Management Accounting̶Why and How,”Management Accounting, August, 1993, IMA.(1993-94,Certificate Appreciation 受賞)(共同論文)
『米国製造業の復活─ Relevance Regained』(辻 厚生共訳),中央経済社,1994年
『プロダクト管理会計─生産システムと会計の新しい枠組み』中央経済社,1996年
「製品価値評価とナレッジマネジメント」名城論叢,2001年3月
『トヨタはなぜ強いのか─自然生命システム経営の真髄』(訳書)日本経済新聞社,
2002年(Johnson, H. T. and Bröms, A., Profit Beyond Measure, The Free Press, 2000)
『トヨタシステムと管理会計─全体最適経営システムの再構築をめざして』中央経済社,2004年
「会計はプル型生産システムを支援できるか?」『組織科学』Vol. 40,No.4 白桃書房:40-50,2007.6月