CSR・ESGへの法からの多面的接近―企業と環境・社会

野田 博

定価(紙 版):4,730円(税込)

発行日:2025/01/30
A5判 / 236頁
ISBN:978-4-502-52041-9

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本の紹介
社会的な責任を有する存在としての企業のあり方に注目が集まっている。企業活動における自発的な取組みをめぐり、どのような規律付けが望ましいかを法的な視点から検討する。

目次

第1篇 CSR・ESGと会社法―総論的検討
第1章 CSRと会社法―CSRの諸側面―

Ⅰ はじめに
Ⅱ 企業の社会的責任と社会貢献―CSRの捉え方についての近年の展開の理解のために
Ⅲ 会社と環境問題
Ⅳ 会社の政治活動
Ⅴ 結び

第2章 ESG重視の潮流と会社法
Ⅰ はじめに
Ⅱ ESG重視の潮流について
Ⅲ ESGと会社法
Ⅳ 結び

第2篇 個別的問題についての検討
第1章 社会的責任を意識した企業活動の拡大・支援と法―「法を超えるCSR」・「法を支えるCSR」・「法を通じたCSR」―

Ⅰ CSR論議の拡大と本章における検討課題
Ⅱ 「法を超えるCSR」と「法を支えるCSR」
Ⅲ 「法を超えるCSR」の規範性
Ⅳ CSRの支援―法または政府の役割を中心として
Ⅴ 結びにかえて

第2章 透明性の陥穽―コーポレートガバナンス,とりわけESGの取組み推進への利用において留意すべきこと―
Ⅰ はじめに
Ⅱ ESG情報開示をめぐる国内外の潮流
Ⅲ 透明性要求により生じうるマイナスの効果について
Ⅳ 結び

第3章 グリーンウォッシングへの対応と課題
Ⅰ はじめに
Ⅱ グリーンウォッシングへの対応―日本と欧州を中心として
Ⅲ 検討
Ⅳ 結び

第4章 ESGと取締役の義務―企業の社会的責任と会社法との交錯―
Ⅰ はじめに
Ⅱ ESGアプローチにおける基準の統一化と取締役の義務の検討に関し必要になる基準
Ⅲ 近時の提案についての若干の考察
Ⅳ 結び

第5章 株主以外の会社利害関係者の利益の考慮に関する議論の動向とその検討―米国におけるステークホルダー論の展開:第4章の補論として―
Ⅰ はじめに
Ⅱ あるステークホルダー論の考え方とその内容
Ⅲ ステークホルダー論の課題,問題点についての若干の覚書
Ⅳ 結び

第6章 投資決定に際してのESG要素の考慮と機関投資家の法的義務についての一考察―英国・法律委員会の報告書を出発点として―
Ⅰ はじめに
Ⅱ イギリス法律委員会の考え方
Ⅲ 検討―非財務上の要素の考慮の点を中心として
Ⅳ 結び

著者紹介

野田 博(のだ ひろし)
[プロフィール]
1957年生まれ。1986年一橋大学大学院法学研究科博士課程単位修得。小樽商科大学講師,助教授,一橋大学助教授,教授を経て,現在,中央大学教授,一橋大学名誉教授。

[主な著作]
『会社法判例インデックス』(商事法務,2013年)
『ポイントレクチャー会社法(第2版)』(共著,有斐閣,2015年)
『非常時対応の社会科学―法学と経済学の共同の試み』(共編著,有斐閣,2016年)
「コーボレート・ガバナンスにおける法と社会規範についての一考察」ソフトロー研究1号(2005年)
「コーポレート・ガバナンスにおける規制手法の考察―ソフトローの側面を中心として―」旬刊商事法務2109号(2016年)