移転価格×グローバル・ミニマム課税―税務コスト最小化の新戦略

岸本 真

定価(紙 版):3,190円(税込)

発行日:2025/10/28
A5判 / 240頁
ISBN:978-4-502-55911-2

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本の紹介
膨大なリソースやコストをかけずに効率的に国際税務対応を行うためには、どう考え、何をすべきか。ありがちな誤解や落とし穴、理論だけではなく「実務でどう動くか」を解説。

目次

第1章 いま,なぜ中堅企業こそ国際課税対応が必要か?
1-1 BEPS2.0後の世界が変えたもの
1-2 税務当局の関心は売上規模ではない
1-3 国際課税の対象企業とは
1-4 「税務対応のコスト爆弾」はすでに起きている
1-5 これからの時代に必要なのは守りながら攻める「国際税務」

第2章 「グローバル企業」の自覚を持つ
2-1 海外子会社を持つことの課税リスク
2-2 移転価格とCFC税制及びグローバル・ミニマム課税
2-3 税務管理は「進出直後」から始まっている
2-4 海外子会社を「可視化」しているか?─「棚卸」の重要性
2-5 税務の「自社戦略」を持つ企業は強い─「判断軸を持つ」

第3章 海外進出前に知っておきたい「税務の勝負どころ」
3-1 進出前に決めるべき3つのこと─「どの国に」「どんな形で」「何をするのか」
3-2 移転価格リスクは「契約時点で9割」決まる
3-3 日本にいるのに「外国課税」? PE課税とCFC税制の盲点
3-4 税務だけじゃない,「社内体制」の整え方
3-5 税務の「出口から入り口へ」─視点を変えよう

第4章 移転価格とグローバル・ミニマム課税──実務的リンクを解き明かす
4-1 両制度に共通する「利益配分」と「税負担」の論点
4-2 IIR・QDMTTと移転価格調整の交差点
4-3 制度の「重なり」に注意すべき企業とは?
4-4 移転価格とグローバル・ミニマム課税,制度横断で考える「戦略対応」の第一歩

第5章 実録:中堅企業が直面した国際課税の落とし穴
5-1 ケース①:移転価格文書は作っていた…が否認された理由
5-2 ケース②:GloBE対応を怠り,海外子会社で追加課税
5-3 ケース③:業務委託費をめぐるPE認定と移転価格調整
5-4 ケース④:マスターファイルを「作っただけ」で意味がなかった事例69
5-5 ケースに学ぶ,5つの反省点とリスク

第6章 これだけは押さえたい「移転価格文書」の基本と実務
6-1 そもそも移転価格とは何か? 超シンプルに整理
6-2 日本の制度の全体像(法令・通達等・ガイドライン)
6-3 マスターファイル/ローカルファイルの要点と作成フロー
6-4 比較対象取引とベンチマーク分析の進め方
6-5 実務でよくある疑問と判断ポイント(FAQ)

第7章 移転価格文書に基づく「調査対応」と「経営ツール」としての活かし方
7-1 税務調査で問われる「説明責任」と「否認されないための対話術」
7-2 移転価格文書を経営にどう活かすか
7-3 他部門との連携をどう進めるか─組織の活性化にも貢献する

第8章 グローバル・ミニマム課税(Pillar2)のリアル
8-1 なぜ「グローバル・ミニマム課税」が求められるのか?
8-2 GloBEルールの全体像をシンプルに整理する
8-3 GloBE対応の進め方(5ステップで整理)
8-4 QDMTT(適格国内ミニマム課税)の仕組みと,グローバル対応との関係
8-5 実務でよくある疑問と判断ポイント(FAQ)

第9章 グローバル・ミニマム課税における困難を味方にする
9-1 グループ連結・ERP・税務とデータとの断絶をどう埋めるか? 実務面の課題
9-2 「セーフハーバー」は本当に使えるのか? 実務の選択と留意点
9-3 ケースで学ぶ! グローバル・ミニマム課税の落とし穴
9-4 中堅企業がいまからできるGloBE対応とは─税務対応だけに留まらず経営判断にどう活かすか

第10章 自社で何ができるか? チェックリストと優先順位
10-1 国際税務対応の「最小コスト×最大効果」を狙え
10-2 自社にとっての優先順位を見極める5つの視点
10-3 ここだけは外せない! 必須対応のミニマムセット
10-4 外注と内製,どこまでやる? コストと役割の切り分け
10-5 社内の「推進役」は誰か? 部門横断チームのつくり方
10-6 経理・税務チームの「アップデート戦略」─「変化に対応する組織」のつくり方

第11章 世界の潮流はどこへ向かう? ─変貌する国際課税の未来予測
11-1 トランプ政権復活が及ぼすグローバル課税の地殻変動
11-2 EUはどこへ行く? 最低税率共通化と多国間合意のねじれ
11-3 アジアの国際課税政策─競争か協調か
11-4 GloBEルールは「定着」するのか,それとも「再編」か?
11-5 日本企業が受ける「制度変動の波」をどう読むか

著者紹介

岸本 真(きしもと まこと)

担当編集者コメント
膨大なリソースやコストをかけずに効率的に国際税務対応を行うためには、どう考え、何をすべきか。ありがちな誤解や落とし穴、理論だけではなく「実務でどう動くか」を解説。

「本書は,中堅企業やその税務・経理部門の担当者が,専門家に丸投げすることなく,自らの判断でリスクを捉え,必要な対応を選び取るための実践的な視点をお伝えすることを目的としています。

難解な制度を平易に,そして机上の理論ではなく,「実務でどう動くか」という観点から解説し,さらに,移転価格やGloBE対応において実際に問題となるポイントや,ありがちな誤解・落とし穴にも触れました。

今後,企業の国際展開はさらに進み,税務調査もより高度化していくことが予想されます。そのときに,事後的な火消しではなく,あらかじめ「備える」姿勢こそが企業の信頼を守り,将来の余計なコストを防ぐ最大の鍵になります。

国際税務を,恐れるものでも,過剰にコストをかけるものでもなく,「自社の成長を支える道具」として,主体的に使いこなしていただきたい。本書が,その一助となれば幸いです。」
(はじめにより)

【本書の主な構成】
第1章 いま、なぜ中堅企業こそ国際課税対応が必要か?
第2章 「グローバル企業」の自覚を持つ
第3章 海外進出前に知っておきたい「税務の勝負どころ」
第4章 移転価格とグローバル・ミニマム課税 ―実務的リンクを解き明かす
第5章 実録:中堅企業が直面した国際課税の落とし穴
第6章 これだけは押さえたい「移転価格文書」の基本と実務
第7章 移転価格文書に基づく「調査対応」と「経営ツール」としての活かし方
第8章 グローバル・ミニマム課税(Pillar2)のリアル
第9章 グローバル・ミニマム課税における困難を味方にする
第10章 自社で何ができるか? チェックリストと優先順位
第11章 世界の潮流はどこへ向かう? ―変貌する国際課税の未来予測
巻末付録 ・移転価格文書 自社対応チェックリスト
     ・GloBEセーフハーバー適用チェックリスト
     ・GloBEリスクチェックリスト
     ・制度別対応状況マトリクス(移転価格/GloBE/CFC/PE)
     ・活用できる公的支援・情報源一覧
     ・よくある質問(FAQ)と誤解