- 本の紹介
- 個人投資家をはじめ年金基金・企業の年金担当者などを対象にした株式投資などの資産運用をめぐる基礎知識。過去の市場データなどを用いながら、その仕組みと投資の本質を解説するための本。
目次
はじめて資産運用をまなぶ本
目次
はしがき
序 章 株式投資が豊かな人生を実現する
わが国で一向に浸透しない株式投資
誤解だらけの株式投資
株式投資の本質を理解することでアレルギーの払拭を
豊かな暮らしを実現するには
本編に進むにあたって
第1章 株式投資の本質について理解する
1 株式投資がわが国と国民にもたらすもの
資本市場と株式会社の役割
わが国の将来のシナリオ
個人の株式投資は“レンガ積み”?
実は国民はすべて間接的な株式投資家
私たちの年金の運用利回りはどうなっていたか
年金のような利回りの実現はプロでないと難しいか
2 企業と株式投資の役割
マクロの視点から株式会社の役割を理解する
リスクマネーの役割
「株をやる」の言葉の意味を生まれ変わらせること
アメリカとわが国のリスクマネーの担い手の相違
わが国でこれから起きようとしていること
3 株式会社と株式市場のエッセンスを理解する
投資を通じて得られるもの
単純例を拡張して考える
実際の株式市場に近づけていく
4 企業収益と株式市場の収益率の関係
株価をめぐる議論
企業のファンダメンタルズと株式投資のリターン
第2章 過去の市場データから学ぶ
1 株式市場50年のデータを観察して見えるもの
株式市場のデータには教訓が盛りだくさん
過去のデータ群から何が見えてくるか
50個のデータを並び替えてみる
50個のデータを統計的に整理する
平均値は変化してきているか
これまでの話に関する留意点
2 他の市場との比較
債券市場などの場合は
統計的に整理して3市場を比べると
3 投資収益率とリスクのトレード・オフの関係
投資収益率(リターン)とリスクのトレード・オフ
トレード・オフの関係が成り立つ理由(1)
トレード・オフの関係が成り立つ理由(2)
リスク・プレミアムについての整理
株式のリスク・プレミアムの具現のために企業に求められること
株主に還元される利益
株価水準の妥当性を考えるための指標としての株価収益率(PER)
株式投資の環境を判断するには
参考1 株式リターンの実証検証の例
参考2 国内外の株式・債券市場の市場指標について
第3章 プロでもなかなか勝てない市場
1 プロの運用者たちの成績は?
プロの運用者たちの現実は「敗者のゲーム」
市場平均と比べる意味
2 市場に勝つことを難しくさせる原理とは?
プロ野球に例えるなら
株式市場の参加者は
市場価格の決まり方
株価が動くとはどのようなことか?
市場への情報の伝わり方
3 専門家の市場予測は当たるのか?
市場の雰囲気を伝えるマスコミの論調の変化は後追い?
短期間での株価予想について
1年間の株価予測について
個別銘柄について
市場予測が難しいことをどのように理解したらよいか
再び,市場価格の決まり方
市場の見通しをどう考えておくか
4 投資のタイミングをうまく図れるか?
市場のクセなどでタイミングを図ることは難しいか?
市場データを用いた単純な投資ルールのシミュレーション
もしも1年間だけ投資しなかったら 〜「投資しない」リスクの話
注目銘柄は良い収益率か?
5 個人投資家としての出発点の心得
過信は禁物
市場になかなか勝てない専門家にどのような価値があるか?
個人が市場に立ち向かうには
第4章 分散投資を行う意義〜リスクを制御する
1 資産の投資ウェイトのコントロール〜アセット・アロケーション
(資産配分)
資産配分はもっとも有力なリスク・コントロール手段
さらに資産配分について考える
具体的な市場の例で考える
株式をグローバルに投資することを考える
外国株式を含めた資産配分
2 銘柄分散
銘柄分散でリスクを低減させるポイント
個別銘柄による分散投資の具体的な効果
投資信託の活用とインデックス運用
3 時間による分散
2つの「時間分散」
ドル・コスト平均法
長期投資によるリスクの収斂
分散投資のまとめ
第5章 良い資産運用を行うには
1 資産運用プランの策定にあたって〜まず第1に重要なあなた自身
の状況の整理
資産の性格を再整理して見えるもの
まずは目的を明確に
プロセスはどうなるか
2 考慮すべきいくつかの大切な要件
インフレーションを考慮する
コストを考慮する
投資対象は国内だけか,海外も入れるか
3 実際のポートフォリオをベースに資産運用プランを考える
公的年金の運用資産構成をベースに考える
企業年金の平均的な運用資産構成をベースに考える
個人型の仮想ポートフォリオ
4 資産運用プランの実行にあたって
過去のデータ活用の留意点
機関投資家と個人の相違
個人における投資信託の利用
まずはじめはインデックス運用から
「リスクを許容する」ということ
5 マクロからみた安全志向についての懸念
安全志向のパラドックス
企業においてはどうか
6 資産運用についての重要なアドバイス―まとめにかえて―
どのようなステップから資産運用へ取り組んでいくか
運用の成果を評価する期間を間違わないこと
まとめとしてのメッセージ
参考3 推薦図書・参考図書
あとがき
著者プロフィール
〈著者紹介〉
村上 正人(むらかみ まさと)
株式会社 みずほ年金研究所専務理事。
早稲田大学政治経済学部を卒業後,みずほ信託銀行(旧安田信託銀行,
第一勧業富士信託銀行)にて20年以上にわたり,年金資金等を中心とした資産運用業務に従事。年金運用部チーフポートフォリオマネジャー,投資研究部主任研究員,年金ALM室課長,運用本部副部長,パッシブクォンツ運用室長,執行役員運用企画部長等を歴任。
2007年4月より現職。
(社)日本証券アナリスト協会検定会員,日本ファイナンス学会会員
<主な論文等>
「年金基金の投資管理ストラクチャーと運用機関選択」(1994年 証券アナリスト・ジャーナル)
「わが国の年金資産運用における株主議決権行使問題の概観」(2000年 みずほ年金レポート) 他