- 本の紹介
- 自らの資源や能力をベースに重点的に遂行する活動の組み合わせを戦略スキーム(枠組み)という。この観点から企業や商品の事例を分析し、先端の戦略理論を解説した経営戦略論のフロンティア。
目次
現代企業の戦略スキーム
目次
第1章 組織能力と知識
第1節 組織能力と競争優位
(1) 資源ベースビュー
(2) 組織能力の本質
(3) 組織能力の機能
(4) 企業能力の重層性
第2節 資源としての知識と組織能力
(1) 知識経済化の進行
(2) 知識に関する組織能力
第3節 知識の獲得・共有・活用
第4節 組織学習
(1) 特性と陥穽・逆機能
(2) ダブルループと棄却による学習
第5節 学習する組織と知識獲得
(1) 学習する組織とは
(2) 優れたナレッジ・ワーカーの誘引
(3) 学習への動機づけ
(4) 熟考できる環境づくり
(5) 思考のスキル向上
第6節 知識の共有と共用
(1) 知識の共有と共用の重要性
(2) 目的と効果
(3) 課題と障害
(4) 情報技術の役割
(5) 動機づけとインセンティブの提供
(6) 心理的ケア
第2章 ダイナミック・ケイパビリティ
第1節 資源ベースビューの意義と限界
第2節 ダイナミック・ケイパビリティ論の登場
第3節 花王における新製品創造
(1) 開発プロセスの変化
(2) 知識交流の仕組み
(3) 花王における新製品開発
第4節 大日本印刷における新製品創造
(1) 研究開発のポリシーと体制
(2) 大日本印刷における印刷技術とその応用
(3) 技術連携による高付加価値製品の創造
(4) 顧客企業との知識連携
第5節 ダイナミック・ケイパビリティの実相
第3章 ネットワーク外部性とデファクト・スタンダード
第1節 ネットワーク外部性
第2節 デファクト・スタンダード
第3節 インストールド・ベース拡大と情報戦略
(1) 情報戦略の対象
(2) 発売のプリアナウンスメントと資源コミットメント
(3) バックワード互換性とその告知
(4) 技術的詳細の開示とファミリー作り
(5) 「勝ち馬」情報の発信
第4節 デファクト化プロセスの循環
第4章 戦略的スキームの変更
第1節 新事業立ち上げ時の異質性対応問題
(1) 問題の整理
(2) 戦略的スキームの策定と思考枠組
(3) 重要タスクと資源・能力
第2節 花王の健康エコナ事業
(1) 健康エコナ前史
(2) 健康エコナの開発
第3節 ソニーのブルーレイ事業
(1) ネットワーク外部性
(2) ベータ対VHS
(3) ブルーレイ対HD DVD
第4節 戦略的スキームと競争結果
第5章 情報システムの戦略的活用
第1節 現代における情報技術と情報システム
(1) 情報技術とは
(2) 情報システムとは
第2節 パースペクティブの重要性
(1) 情報技術の利用法とパースペクティブ
(2) パースペクティブと知識および組織能力
第3節 経営を変革するパースペクティブ
(1) 競争の武器
(2) リエンジニアリングのプラットフォーム
第4節 競争の武器としての活用
(1) 差別化かコスト優位か
(2) 顧客の求めるもの
第5節 ユビキタス技術によるリエンジニアリング
(1) 情報化社会とユビキタス
(2) 情報送受信の利便性向上とモバイル業務の効率化
(3) ICタグによる社内業務の効率化
(4) 売り切りビジネスからプラットフォーム型ビジネスへ
(5) 主体的な変革の必要性
第6章 これからの企業環境
第1節 近年および近未来の企業環境
第2節 環境ビジネスと環境経営
(1) 環境問題の現状
(2) 環境ビジネス
(3) 環境経営
第3節 高齢化とシルバー・ビジネス
(1) 高齢化とシルバー・マーケット
(2) 急成長するシルバー・ビジネス
第4節 ユビキタス社会における新サービス
(1) 情報化社会とユビキタス
(2) 情報配信の常時化
(3) ユーザーの状態とサービス
引用文献
索引
著者プロフィール
白石弘幸(しらいし ひろゆき)
1961年 札幌市に生まれる
東京大学経済学部,同大学院経済学研究科を経て
1992年 信州大学経済学部専任講師
1996年 金沢大学経済学部助教授
2004年 金沢大学経済学部教授
2008年 同大学組織再編により人間社会研究域・経済学類教授
現在に至る
専 攻 経営組織論・経営戦略論・経営情報論
主 著
『経営学の系譜−組織・戦略理論の基礎とフロンティア』(中央経済社,2008年)
『経営戦略の探究−ポジション・資源・能力の統合理論』(創成社,2005年)
『組織ナレッジと情報−メタナレッジによるダイナミクス』(千倉書房,2003年)