長期雇用制組織の研究―日本的人材マネジメントの構造
- 本の紹介
- 長期雇用を特色とする日本の人材マネジメントを社員の働き方との関係で理論モデル化し、その構造を解明。人事・雇用システムの変化の流れを分析し、その改革議論に理論的なベースを与える。
目次
長期雇用制組織の研究
■日本的人材マネジメントの構造
目次
序 論
不評な日本企業の組織マネジメント
人的競争力の源泉
見えにくい人材マネジメント
1 短期と長期の人事管理
2 制度と慣行
3 人的資源の暗黙性
4 本研究の目的
第1章 職場でのなやみ
1 3つのケース
2 日本メーカーから外資系へ転職したO氏
3 自己主張の強い若手社員になやむY課長
4 日本で働く外国人マネージャー
第1部 理 論 編
第2章 何が問題か
1 2つのわからなさ
2 職務の動態性と組織の柔軟性
3 対応する人材マネジメント
4 インセンティブと技能形成
第3章 仕事のスキマ
1 あいまいな仕事?
2 職務外行動の問題
3 分割された仕事
4 職務のスキマとアナ
5 ポテンヒットの発生
第4章 職務と責任
1 一般的理解
2 職務と責任のズレ
3 事前責任と結果責任
4 行動のディスインセンティブ
第5章 柔軟な働き方
1 非定常状態の定常化
2 公式承認モデル
3 柔軟貸借モデル
4 ポテンヒットの拾い方
5 タテとヨコの人間関係
第6章 2つの仕事領域
1 義務と期待
2 チョイスとコーディネーション
第7章 なぜ協力するのか?
1 協力のインセンティブ
2 フリーライダー問題
3 協力の貸し借り
4 個人主義と間人主義
5 良い仕事と仕事競争モデル
6 制度的評価について
7 評価と評判
8 2種類の人材
第8章 報酬と生産性
1 ホワイトカラーの生産性
2 3つの生産性パターン
3 報酬の本質
第9章 ひとの選び方
1 選抜のメカニズム
2 昇進のメカニズム
3 卒業方式と入学方式
4 異動のメカニズム
5 異動における人の選び方
第10章 能力のマネジメント
1 職務・責任との関係
2 相乗的能力開発の埋め込み
3 能力開発のインセンティブとキャリア責任
4 能力レベルマネジメント
5 「気が利く」ということ
6 職場における能力の組み合わせ
第2部 インプリケーション編
第11章 3つのケース分析
1 外資系vs日本企業―異なる働き方のシステム
2 若手社員vs中堅社員―長期マネジメントについての理解
3 外国人マネージャー―日本人の働き方について
4 インプリケーション―日本の人材マネジメントの明示化
第12章 これからの日本の人材マネジメント
1 日本人の働き方
2 日本の人事管理・雇用システムの変化
3 日本の人材マネジメントのこれから
第3部 事 例 編
第13章 事例研究の方法
1 調査の目的
2 調査の枠組み
3 調査対象について
4 調査方法
5 調査内容
第14章 事例研究
1 会社概要
2 実地調査について
3 人事管理制度の概要
4 評価制度の概要
5 報酬制度の概要
6 インタビュー対象の職場
7 結果と考察
おわりに
注
参考文献
索引
著者プロフィール
大藪 毅(おおやぶ たけし)
慶應義塾大学大学院経営管理研究科 専任講師
担当:人的資源戦略
1967年 福岡県生まれ
1992年 京都大学経済学部卒業,新日本製鐵会社入社。
1996年 京都大学大学院経済学研究科修士課程修了,
関西国際産業関係研究所入所。
1998年 英国ロンドン大学LSE産業関係学部留学。
2004年 慶應義塾大学大学院経営管理研究科 専任講師。
2006年 慶應義塾大学大学院健康マネジメント研究科,同医学部講師(兼担)。
主要著書:
『日本の雇用システム』(一部執筆,中央経済社,2002年)
『コラボレーション組織の経営学』(一部執筆,中央経済社,2008年)