的確な金融支援を導く再建型私的整理の実務
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- 多様な方法を選択できる私的整理による再建が一般化しているが、金融機関との調整がむずかしい。会社の状況と再建計画による金融支援の要点や手順を示し、とくに金融支援額の算出過程を詳解。
目次
的確な金融支援を導く
再建型私的整理の実務
目次
序 章 会社はなぜ窮境に陥るのか
第1部 私的整理とは
第1章 私的整理とは何か
1 私的整理の意義
2 法的整理との比較
3 「私的整理の限界」を超えて
第2章 私的整理のフレームワーク
1 私的整理ガイドライン
2 RCC企業再生スキーム
3 中小企業再生支援協議会スキーム
4 事業再生ADR
5 企業再生支援機構
第3章 私的整理が活発化してきた背景
1 リレーションシップバンキングと私的整理
2 貸出条件緩和債権からの卒業基準
第2部 金融支援を得るためのポイント
第1章 金融支援の手法
1 金融支援手法の種類と効果
2 リスケジュール(金融支援手法1)
3 債権放棄(金融支援手法2)
4 DES(金融支援手法3)
5 DDS(金融支援手法4)
第2章 金融支援手法の決定要素
第3章 金融支援額の決定
1 債権放棄における金融支援額の決定
2 金融機関の経済合理性
3 金融支援額の配分方法
4 金融支援を依頼する対象債権者の範囲
第4章 スポンサーの活用
1 スポンサーの活用が検討される状況
2 スポンサーの種類
3 スポンサーの役割,メリット/デメリット
4 スポンサー活用の場合のスキーム
5 スポンサー活用の際の留意点
第5章 事業再生で用いられるスキーム
1 スキーム総論
2 100%減増資
3 会社分割
4 事業譲渡
5 特別清算
第6章 産業活力の再生および産業活動の革新に関する
特別措置法(産活法)
1 認定を受ける計画の種類
2 産活法活用のメリット
3 中小企業承継事業再生計画(第2会社スキーム)
第7章 私的整理と株主責任・経営者責任
1 株主責任
2 経営者責任
第8章 私的整理と保証人の責任
1 「保証人の責任」と「経営者責任」と「私財提供」の関係
2 保証債務処理
第3部 金融支援を得るためのプロセス
第1章 私的整理の開始
1 私的整理の前に
2 私的整理のスタート
第2章 デューディリジェンス(DD)
1 DD総論
2 事業DD
3 財務DD
4 不動産DD
5 DD結果報告会
第3章 スポンサーの選定
1 私的整理におけるスポンサー導入の判断
2 スポンサー候補の洗い出しと一次入札
3 スポンサー候補によるDDの実施
4 二次入札とスポンサーの決定
第4章 事業再生計画策定プロセス
1 事業再生計画策定にあたっての留意事項
2 各種施策の抽出
3 数値計画の作成
第4部 金融支援後の再生マネジメント
第1章 金融支援後における留意点
1 事業再生のスタートにあたって
2 スタートダッシュを決める
3 各種施策の実行
第2章 即座に対応すべき課題
1 ノンコア事業からの撤退
2 遊休資産等の売却
第3章 会社のディフェンス力を高める
1 原価計算制度
2 与信管理
3 在庫管理
4 設備投資の意思決定
5 コスト削減
6 月次決算のスピード
第4章 会社のオフェンス力を高める
1 売上の構成要因とは何か
2 売上増大を通じて利益を獲得するアクションとは
3 アクションの結果を分析する
第5章 予算の作成と管理
1 予算の性質
2 事業再生計画との関係
3 予算の作成方法
4 予算を構成する財務諸表
5 予算の区分
6 予算の作成プロセス
7 予算の管理
著者プロフィール
<編著者紹介>
?スピアヘッド・アドバイザーズ
石毛和夫
- 担当編集者コメント
- 今日,私的整理は,事業再生・不良債権処理のための有力な選択肢となっている。しかし,急速に発達した私的整理市場には歪みも生じており,私的整理ガイドラインの他,RCC,中小企業再生支援協議会,事業再生ADR,そして企業再生支援機構等,私的整理のフレームワークが乱立する状況に対し,金融機関や企業の現場は戸惑いを感じている。
そこで,本書は,フレームワークの如何に惑わされず,私的整理一般を通して金融機関及び企業に的確なアドバイスを与えることができるよう実務ポイントを解説している。
特に,本書は,類書ではあまり触れられていない「金融支援(債権放棄等)額の算出プロセス」にフォーカスしており,私的整理後,いかに窮境原因そのものを除去し事業の立て直しを行っていくべきかという再生マネジメントについても指針を示している。