- 本の紹介
- ひとたび問題が起これば多額の支払いを余儀なくされる「未払い残業代請求」にテーマを絞り、管理職が心得ておくべき労務管理の基本と周辺問題をストーリーで基礎から学ぶ。
目次
部下を持つあなたの「残業代請求」超早わかり
目次
1 残業代請求バブル
残業代請求と支払いのさかのぼり
未払い残業代における是正勧告の実際
退職労働者が退職後に未払い残業代を請求する
若手弁護士には仕事が少ない
過払い金請求バブル
過払い金請求の方法はいたって簡単
ポスト過払い金支払い請求は,残業代請求
これまでの要点をまとめると…
会社に弁護士がやってくる…
労働時間の中身が特定できない時間に残業代の支払いをしない…
裁判・労働審判を考える
合同労組がやってくる
2 労働時間・休日・年次有給休暇とパート・アルバイト
労働基準法は,労働条件の最低を定めたもの
労働時間は1日8時間・1週40時間,休日は週1日が原則41
休日とは
変形労働時間制とは
労働契約の内容を文書にする
所定労働時間・法定労働時間・割増賃金
就業規則には,どのようなことが書かれているのか
残業時間・時間外労働を考える
年次有給休暇とは
年休がなくなってしまう
パート労働者などの年休
年休は,時間単位でとれる
3 タイムカード(労働時間の中身)
労働基準法は時代遅れ?
残業代請求の増加
タイムカードの打刻時刻を基礎に,労働時間を算定できるか?
厚生労働省が出した通達
通達とはどんなものか
裁判所の判断
国会の質問から
タイムカードは,絶対的な労働時間管理の手法とはいえない
労働時間とは
労働時間の管理は難しい
労働していた証拠は誰が出す?
ホワイトカラーエグゼンプション制度
遵法精神と就業規則の充実
4 名ばかり管理職の残業代
ユニオンがやってきた!
団体交渉拒否は不当労働行為
労働組合は労働組合法で守られている
団交を断ったら,労働委員会から命令が出される
団交では,誰が対応する
団交でユニオンの要求を,すべて呑む必要はない!
団交の場で,あわてて無理に回答しなくていい
団交は就業時間内にしない,会社ではない場所でする
団交時文書にサインしてはいけない
民事調停を申し出る
労働委員会のあっせんを利用する
名ばかり管理職とは
具体的にどのような人が「名ばかり管理職」?
判例に見る,名ばかり管理職の判断
「管理者」と「監督者」
マクドナルド事件の真相
マクドナルド事件における,裁判所の判断
5 初めての臨検調査
社会保険労務士の交代
臨検調査の経緯
是正勧告とは
「労働基準監督官」とはどのような人?
臨検の種類
労働者からの申告
提出する資料として揃えるもの
送検あれこれ
監督官に「残業代を2年分支払え」と言える権限はない!
民事不介入の原則
裁判をしてもどうせ和解勧告ならば,妥当な線で解決金の支払いを
是正勧告は謙抑的,相手の任意の協力が原則
調査は,「重大性」,「緊急性」,「必要性」に比例した限度内で
「相当な方法」で
著者プロフィール
河野順一(こうの じゅんいち)
社会保険労務士,行政書士,東京法令学院学院長,日本橋中央労務管理事務所所長,NPO 法人個別労使紛争処理センター理事長。
法務コンサルタントとして銀行など各企業を対象に,幅広く経営全般にかかる指導業務を行っている。
また,複雑な法律問題を身近な事例に置き換えてやさしく解説する理論家として評判になり,法律解釈をテーマとした講演も行う。
現在,社会保険労務士を対象とした司法研修を全国各地で行い,好評を博している。「就業規則の作成専門家セミナー」「残業代請求と,是正勧告の現状・問題点・解決策まで」はつとに有名であり,3日間の集中講義を何度も聴講するリピーターが多い。
加えて,開業歴35年の経験と実績を生かした「特定社会保険労務士試験対策セミナー」では,予想問題に関して驚異の的中率を誇り,受講生から感謝の声が後を絶たない。
上記セミナーは東京,大阪などで,それぞれ1~2回開催している。
●主な著書
『労働基準監督機関の役割と是正勧告』
『秘伝!弁護士に頼まない「少額訴訟の勝ち方」教えます〈第2版〉』
『労働災害・通勤災害認定の理論と実際』
『是正勧告の実務対策』
『本人訴訟 自分でできる手続きマニュアル〈第3版〉』(以上,中央経済社),
『紛争解決手続代理業務試験の基礎講義ⅠⅡ』
『紛争解決手続代理業務の手引ⅠⅡ』
『図解憲法案内ⅠⅡ〈第2版〉』
『図解民法案内ⅠⅡⅢ〈第2版〉』
『図解刑法案内ⅠⅡⅢ』
『解雇・退職をめぐる実務対策』
『労働基準法違反と是正勧告・就業規則・個別労働関係紛争をめぐる実務対策』
『賃金・賞与・休業手当・退職金をめぐる実務対策』
『採用・採用内定・試用期間・労働契約をめぐる実務対策』(以上,酒井書店・育英堂),
『負けず嫌いの哲学』(実務教育出版),
『ドキュメント社会保険労務士』(日本評論社),
『残業代支払の倒産から会社を守るならこの1冊』
『労使トラブルを解決するならこの1冊』
『労働法のことならこの1冊』『労働災害・通勤災害のことならこの1冊』(以上,自由国民社),
『不当な残業代支払請求から会社を守る就業規則』(経営書院)ほか多数。
寺田知佳子(てらだ ちかこ)
社会保険労務士,日本橋労務管理事務所上席研究員。
河野順一氏に師事。
静岡市役所を経た後,社会保険労務士となる。
平成9年10月に開催された女性国会では,少子・高齢社会委員会に参加,平成12年12月に「隣接士業のあり方」で朝日新聞論壇に登壇。
著書
『本人訴訟 自分でできる手続マニュアル〈第3版〉』
『労働基準監督機関の役割と是正勧告』(いずれも,河野順一氏と共著)などあり。