- 本の紹介
- 数学を最小限で基礎的なものしか使わずに、数式の背後にあるファイナンスの思想や基本的な考え方を分かりやすく説明。初学者が企業と家計両方のファイナンスを学べる入門書。(発行=碩学舎)
目次
1からのファイナンス
目次
序文
第1章 ファイナンスとはどのような学問か
1.はじめに
2.ファイナンスとはどのような学問か
山田家の夕食後の会話
ファイナンスとはどのような学問か ……ほか
3.パーソナル・ファイナンスとは
4.コーポレート・ファイナンスとは
ファイナンスにおける 1つの適合問題
コーポレート・ファイナンスの意思決定基準
5.家計と企業のガバナンス
6.おわりに
第2章 ファイナンスの基本的な考え方
1.はじめに
2.お金の時間価値を考える―単利と複利、将来価値、現在価値
単利と複利
将来価値 ……ほか
3 機会費用、NPV法、リスクとリターン
機会費用
NPV法(Net Present Value法) ……ほか
4.おわりに
第3章 ファイナンスの新潮流―行動ファイナンス
1.はじめに
2.モダンファイナンスの基礎
効用関数
リスク回避的選択
3.行動ファイナンスの着眼点
損失回避
プロスペクト理論
4.人間であるがゆえに逃れられないバイアス
自信過剰バイアス
後悔回避バイアス
5.おわりに
第4章 企業の資本と負債の管理
1.はじめに
2.マツダ株式会社の公募増資
3.株式会社制度の本質
4.資本調達のいろいろ
5.資本コスト
企業が株主や債権者から預かる資金の資本コスト
資本構成と平均資本コスト
6.おわりに
第5章 家計の負債管理
1.はじめに
2.住宅ローンとオートローン
一郎さんと花子さん一家の新婚生活
住宅ローンとオートローンの仕組み
3.カードローンとサラ金ローン
一郎さんと花子さん一家のローン地獄
カードローンとサラ金ローンの仕組み
4.借入れの代替手段
一郎さんと花子さん一家が幸せを取り戻すために
レンタルとリース
5.おわりに
第6章 企業の投資管理
1.はじめに
2.投資決定のプロセス
3.投資決定法
回収期間法とその問題点
正味現在価値法(NPV法) ……ほか
4.NPV法による投資決定の具体的計算
5.おわりに
第7章 家計の投資管理
1.はじめに
2.なぜ、個人の資産形成が必要なのか
生活のベースとなる消費活動
ライフサイクル ……ほか
3.投資対象
住宅投資(実物投資)
教育投資 ……ほか
4.家計における投資時の留意点
投資マネジメントシステム
投資リテラシー ……ほか
5.おわりに
第8章 企業の財務分析
1.はじめに
2.決算書(貸借対照表&損益計算書)の仕組み
貸借対照表とは
損益計算書とは
3.財務分析
収益性
安全性 ……ほか
4.インターネットサービス企業の財務分析
5.おわりに
第9章 家計のファイナンシャル・プランと財務状態の分析
1.はじめに
2.家計の所得と支出の管理
恵子さんと晴夫さん一家の「幸せってなんだろう?」
家計の管理
3.家計のアセット・ライアビリティ・マネジメント
恵子さんの焦り
資産と負債のバランスを考慮した計画
4.家計のリスク管理
恵子さんの安心と、新たな不安
保険制度
5.おわりに
第10章 債券価値の評価
1.はじめに
2.債券価値の決まり方
融資と債券
債券の言葉 ……ほか
3.債券の利回り計算
利回り
サブプライムローンによる金融危機
4.おわりに
第11章 ポートフォリオ理論とCAPM
1.はじめに
2.ポートフォリオ理論
リスクの測り方
ポートフォリオのリターンとリスク ……ほか
3.CAPM(Capital Asset Pricing Model)
リスクの対価
資産の価値 ……ほか
4.おわりに
第12章 企業価値と株式価値の評価
1.はじめに
2.企業価値の評価
企業価値とは何か
M&A時代の企業価値評価 ……ほか
3.株式価値の評価
配当割引モデル(Dividend Discount Model)
株主価値と債権者価値 ……ほか
4.おわりに
第13章 ペイアウト政策
1.はじめに
2.MMの配当無関連命題
配当のケース
自社株買いのケース ……ほか
3.ペイアウトの役割
配当が伝えるメッセージ
自社株買いが伝えるメッセージ
4.個人の消費と貯蓄
世代別の貯蓄割合
5.おわりに
第14章リスクマネジメント
1.はじめに
2.自動車を運転する状況を考えてみよう
自動車運転のメリット・デメリット
自動車を運転することのデメリットに対応するには? ……ほか
3.リスクマネジメントのプロセス
リスクの認識
リスクの評価 ……ほか
4.クライシスマネジメント(危機管理)
事前準備
危機発生時の対応 ……ほか
5.おわりに
第15章 合併・買収(M&A)と個人の破産・再生
1.はじめに
2.ライブドアによるニッポン放送・フジテレビのM&A
M&Aの動機
買収価格 ……ほか
3.個人の破産・再生
一郎さんの事例
個人民事再生
4.おわりに
索引
著者プロフィール
■編著者紹介
榊原茂樹(さかきばらしげき)
関西学院大学商学部教授、神戸大学名誉教授、経営学博士
1972年神戸大学大学院経営学研究科修士課程修了。
神戸大学大学院経営学研究科教授を経て、2006年より現職。
専門は、コーポレート・ファイナンス、証券投資論。
著書
『現代財務理論』(千倉書房、1986年)、
『パーソナルファイナンス入門』(共編著、中央経済社、2006年)、
『入門証券論(新版)』(共著、有斐閣、2006年)、
『行動ファイナンス』(共編著、中央経済社、2010年)、
『現代の財務管理(新版)』(共著、有斐閣、2011年)などがある。
岡田克彦(おかだかつひこ)
関西学院大学大学院経営戦略研究科教授、㈱Magne-Max Capital ManagementCEO、博士(経営学)
1990年ワシントン大学オーリンスクールでMBA 取得。
2006年神戸大学大学院経営学研究科博士後期課程修了。
モルガン・スタンレーやUBS 証券でデリバティブトレーディング並びに資産運用担当者、シンガポールのヘッジファンド運用会社で経営者などを歴任後、2005年より現職。
行動経済学会常任理事、学術雑誌『行動経済学』副編集委員長。
専門は、行動ファイナンス。
著書
『行動ファイナンス』(共編著、中央経済社、2010年)、
『伝統的ファイナンスから行動ファイナンスへ』(関西学院大学出版会、2010年)
『人生に失敗する18の錯覚』(共著、講談社α 新書、2010年)などがある。