- 本の紹介
- 経営者が管理職というシステムを適正に運用し、処遇してこそ業務遂行がスムーズに行くという考えのもとで、管理職の法的位置付けから労務・健康管理、執行役員制度などを解説。
目次
管理職活用の法律実務
目次
序 章 管理職総論
第1節 「消された管理職」〜近時の管理職を巡る裁判例と報道
1 マクドナルド事件東京地裁判決
2 「名ばかり管理職」としての一連の報道
3 厚生労働省平成20年4月1日通達と行政指導 ……ほか
第2節 「置き去られた管理職」と管理職の健康問題
1 近時の管理職に求められる役割
2 恒常的超時間労働と健康問題
3 「置き去られた管理職」
第3節 「管理職」「監督若しくは管理の地位にある者」及び
「監督的地位にある労働者」
1 契約上の「管理職」,労働協約上の「管理職」
2 労働基準法上の「監督若しくは管理の地位にある者」
3 労働組合法上の「監督的地位にある労働者」
第1章 労働法とは何か
第1節 憲法が定める生存権と労働基本権
1 営業の自由と契約自由の原則
2 生存権(憲法25条)
3 憲法27・28条と各労働立法
第2節 労働民法・労働行政法・労働刑法
1 労働法における私法規定〜労働民法とは
2 労働法における行政指導・行政罰〜労働行政法とは
3 労働法における刑罰規定〜労働刑法とは
第3節 労働基準法を再考する
1 公法としての労働基準法
2 私法としての労働基準法
3 労働基準法の解釈としての一元説・二元説
第2章 労働基準法上の管理職
〜「監督若しくは管理の地位にある者」
第1節 通達・裁判例が示す「管理監督者」の判断基準
1 労働基準法における「監督若しくは管理の地位にある者」
2 昭和22年9月13日通達および昭和63年3月14日通達が示す
労働基準法41条2号の解釈
3 裁判例が示す「監督若しくは管理の地位にある者」の判断基準
第2節 労働基準法「監督若しくは管理の地位にある者」とは
1 罪刑法定主義と「監督若しくは管理の地位にある者」の解釈
2 労働基準法の立法経緯と「監督若しくは管理の地位にある者」の
解釈
3 民事・刑事での「監督若しくは管理の地位にある者」の解釈
第3章 労働組合法上の管理職
〜「監督的地位にある労働者」
第1節 労働組合法2条但書1号「監督的地位にある労働者」
1 「監督的地位にある労働者」の意味と範囲
2 管理職の外部労働組合加入について
3 裁判例が示す「監督的地位にある労働者」の判断基準
第2節 管理職の行為と不当労働行為
1 不当労働行為概説
2 管理職が行った不当労働行為に該当する行為と使用者の責任
3 不当労働行為による管理職個人の責任
第4章 日本の人事と管理職の位置づけ
第1節 人事労務管理の基本と管理職の役割
第2節 年功主義人事と管理職の位置づけ
第3節 職能主義人事と管理職の位置づけ
第4節 成果主義人事と管理職の位置づけ
第5章 労働基準監督官の指導・勧告に対する実務対応
第1節 管理職に関する近時の指導・勧告事項
1 管理職の範囲〜「監督若しくは管理の地位にある者」の該当性
2 深夜労働の割増賃金
3 始業終業時刻の把握とタイムカード
第2節 管理職に関する指導・勧告の変遷
1 昭和〜平成11年頃
2 平成12年〜平成13年春頃まで
3 平成13年春以降 ……ほか
第3節 指導・勧告に対する実務対策
1 是正勧告の意味
2 管理職〜「監督若しくは管理の地位にある者」の範囲に関する
実務対策
3 深夜労働の割増賃金 ……ほか
第6章 管理職の権限と責任
第1節 管理職の職務と責任
1 「管理」・「監督」とは〜管理職業務の内容と責任
2 「監督」業務とは
3 「管理」業務とは ……ほか
第2節 成果を出すための人事労務管理と管理職の責任
1 能力〜部下の能力の維持向上のための管理職の責任
2 健康〜部下の健康管理のための管理職の責任
3 勤務態度〜企業秩序維持と管理職 ……ほか
第7章 管理職の採用と労務管理
第1節 管理職に求められるもの
1 管理職に求められるもの
第2節 労働契約の締結(採用)と管理職
1 地位特定契約の管理職
2 地位特定契約ではないが経歴や実績に着目して中途採用し
管理職に配置した場合 ……ほか
第3節 管理職と就業規則
1 就業規則を通じた労働契約内容の決定
2 管理職に適用される就業規則の必要性
第4節 管理職の労働時間
1 労働時間
2 休 憩 ……ほか
第5節 昇進・昇格・降格
1 管理職への昇進
2 昇進と昇格との差異とは ……ほか
第6節 管理職に対する賃金支払
1 年俸制と成果主義
2 管理職に対する割増賃金の支払い
第7節 管理職としての出向
1 管理職としての出向の類型
2 中高年齢者の管理職を排出する手段としての出向 ……ほか
第8節 労働契約の解消と管理職
1 成績不良による労働契約の解消
2 企業規模によって求められる労働契約の解消理由の程度が
違ってくる ……ほか
第8章 管理職の健康管理
第1節 管理職の健康管理をめぐる現状〜健康管理の必要性
1 管理職は自分の上司によるラインケアを期待できない
2 労基法41条2号に該当する管理職は労働時間規制の例外と
されている
3 管理職が健康を損なうリスク要因
第2節 管理職の労働時間管理
1 長時間労働と健康リスク
2 健康管理の観点からの労働時間
3 管理職の労働時間を把握する手法
第3節 管理職に対するメンタルヘルスケア
1 メンタルヘルスケアとは
2 管理職のメンタルヘルスケアの必要性と現状
3 管理職に対するカウンセリングの重要性
第9章 管理職に対する教育研修
第1節 管理職研修の第一義的な目的は企業の成果
1 管理職に知識と問題意識を持たせるための研修は必須
2 管理職研修の目的は成果を生み出す労務管理の実現にある
3 管理職の疑念を払拭する ……ほか
第2節 健康管理に関する研修
1 研修の目的
2 研修の内容
第3節 セクシュアルハラスメント防止のための研修
1 研修の目的
2 研修の内容
第4節 パワーハラスメント防止のための研修
1 研修の目的
2 研修の内容
第5節 セクハラ・パワハラ事案に対する適切な対応のための研修
1 研修の目的
2 研修の内容
第6節 管理職研修の実施手法
1 総 論
2 各 論
第10章 執行役員
第1節 執行役員との契約形態〜委任契約か,労働契約か
1 委任型,雇用型,混合型の区分について
2 執行役員と企業との契約形態
第2節 執行役員としての労働契約の締結
1 ヘッドハンティング,新規選任の場合
2 内部昇進の場合
3 執行役員と就業規則の適用
第3節 労働契約上の執行役員の契約解消
1 新規選任の場合
2 内部昇進の場合
第11章 今後の管理職に求められる役割と企業の課題
第1節 現在の企業を中心となって支えている管理職
1 イノベーションを支えるのは「人」
2 管理職が企業を支えている
3 組織のフラット化から再度ライン化へ
第2節 管理職と使用者の信頼関係の構築に向けて
1 管理職との信頼関係と健康問題
2 管理職に自信を持ってもらうために
判例整理
1 「監督若しくは管理の地位にある者」の範囲
2 セクシャルハラスメントと使用者の責任 ……ほか
雇用契約書・就業規則例
1 雇用契約書(?管理職 正社員として中途採用後に配置)
2 雇用契約書(?管理職 地位特定者) ……ほか
通達等資料
1 労働基準法の施行に関する件
(昭和22年9月13日発基第17号)
2 都市銀行等における「管理監督者」の取扱い範囲について
(昭和52年2月28日基発第104号の2) ……ほか
著者プロフィール
《編著者紹介》
石嵜 信憲(いしざき のぶのり)
明治大学法学部卒業。
1975年司法試験合格,1978年弁護士登録。
以後,労働事件を経営者側代理人として手がける。
2002〜04年司法制度改革推進本部労働検討会委員。
現在,経営法曹会議常任幹事,日弁連労働法制委員会副委員長。
〈主な著書〉
『メーカーのための業務委託活用の法務ガイド〈第2版〉』(中央経済社)
『配転・出向・降格の法律実務』(中央経済社)
『労働契約解消の法律実務』(中央経済社)
『パート・派遣・業務委託等の法律実務〈第2版〉』(中央経済社)
『立法プロセスから読み解く労働契約法』(中央経済社)
『就業規則の法律実務』(中央経済社)
『健康管理等の法律実務』(中央経済社)
『(新改訂)人事労務の法律と実務』(厚有出版)
『労働法制からみた日本の雇用社会』(日本総研ビジコン)
『労働ビッグバン下における非正規社員の有効活用』(労働新聞社)
『労働審判法』(労働新聞社)他