『文系学生のための企業研究―自分に合う業界・企業を見つけよう』(2021年9月特集第4回)

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2021年9月号特集就活のヒントになる本

夏休みが終わり、徐々に来年度のことを考える時期になってきました。特に学生の皆様には、就職活動を意識し始める方も多いのではないでしょうか。しかし世の中には大量の情報が出回り、何を「とっかかり」にすればいいかわからない方もいるのでは? そこで本特集では、就活のお役に立つ書籍を紹介します。
今回は、文系の皆さんの企業研究に役立つ1冊をご紹介します。文系就職を考えている理系の皆さんにもオススメです。

Q1 本書の内容を教えてください。

これから就活する、または就活中の方々を対象に、「何となく身近だから」「有名だから」といった漠然としたイメージではなく、業界や企業の特徴と本質を見極めて、本当に自分に合った企業を見つけることができるようにガイドするものです。

取り上げる業界は自動車、金融、情報通信(携帯キャリア)、総合商社、食品、小売、鉄道、IT、映画です。
その業界の主要な企業(3社程度)について、

  • 業界のポイント
  • 歴史分析(企業の理念や資源)
  • 組織分析
  • ビジネスモデル
  • 稼ぐ力(財務分析)
  • 機会と脅威

といった項目をチェックしていきます。


Q2 本書を企画したきっかけや背景を教えてください。

著者の富樫佳織先生は、NHKやWOWWOWのプロデューサー、放送作家として数々のヒット番組を手がけ、大学のMBAコースで経営学を身につけて大学の教員になった方です。富樫先生がまわりの大学生を見ていて、企業分析をしっかりせずに就活をして、卒業前に後悔する人が多いこと、また文系学部では、大学全体の共通科目で「キャリア授業」があるくらいで、しっかりと業界や企業を分析する方法を学ぶ機会がないとった現実があり、これらをわかりやすく解説する本があったらよいのでは、という先生の思いに共感したことがきっかけです。
企画の真っ直中にコロナ禍となり、先行きの不透明感が増す中で、業界や企業を分析するリテラシーの重要性がさらに高まったことを感じながら出版しました。


Q3 本書は就活のどのような場面で読んでいただきたいですか?

就活はある意味人生の少なからぬ部分を左右するものですから、不安があって当然です。何から手を付けて良いのかわからず不安に押しつぶされそうな方、なかなか成果が出せずに焦りを感じている方、判断の軸や土台を身につけたい方など、困ったときにこそぜひ手にとってほしいですね。


Q4 本書のこだわりポイントを教えてください。

主要業界や企業の具体的な数値や情報が満載ですが、9業界各3~4社と適度に絞っているのでネットや業界本に比べて情報過多にならずに、面白く読み進めることができると思います。
各章の最後には自己分析や企業分析を書き込めるワークシートが付いています。自分の特性や志望が見えてきますので、ぜひチャレンジしてみてください。



本書で紹介されているワークシートの例1
本書で紹介されているワークシートの例①

本書で紹介されているワークシートの例2
本書で紹介されているワークシートの例②

本書で紹介されているワークシートの例3
本書で紹介されているワークシートの例③


Q5 就活生の方へのメッセージをお願いします。

あなたが仕事や企業を選ぶときに大事にしていることは何でしょうか。安定、成長、共感など、いろいろな視点がありますね。人生は何度でもやり直しができるものですが、それでも社会に出る最初の1歩が納得できるものになるよう、この本が少しでもお役に立てたらうれしいです。心から応援しています。