現場改善会計論―改善効果の見える化

上總 康行
柊 紫乃

定価(紙 版):4,400円(税込)

発行日:2023/12/21
A5判 / 220頁
ISBN:978-4-502-48151-2

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本の紹介
「現場改善は余剰生産能力を創出する」ことをベースに、機会損失の概念を原価計算システムのなかに組み込んだ新しい原価計算論である「現場改善会計論」を提唱。

目次

第1章 現場改善と機会損失 ─本書の問題意識─
◆Ⅰ 日本の製造企業における現場改善
◆Ⅱ 現場改善サイクルと機会損失
◆Ⅲ 改善効果と改善効果の会計的測定
◆Ⅳ 生産現場の改善KPI重視と経営陣の利益重視
◆Ⅴ 見えない改善効果の「見える化」

第2章 現場改善と原価計算 ─先行研究の検討とともに─
◆Ⅰ 原価管理を指向した原価計算研究
◆Ⅱ 日本的経営に魅せられた海外の管理会計研究
◆Ⅲ 改善効果やJITに関する会計研究

第3章 現場改善とムダ
◆Ⅰ トヨタ生産方式と現場改善
◆Ⅱ 作業者の動きとムダ
◆Ⅲ 生産プロセスと改善ステップ
◆Ⅳ 正味作業時間と直接作業時間
◆Ⅴ 2種類の時間概念の関係

第4章 現場改善会計論のフレームワーク ─機会損失概念の導入─
◆Ⅰ 現場改善会計論の考え方
◆Ⅱ 現場改善による余剰生産能力の創出
◆Ⅲ 機会損失概念の導入による改善効果の見える化
◆Ⅳ 余剰生産能力の管理
◆Ⅴ 直接材料費の原価低減額の計算
◆Ⅵ 直接労務費の改善効果額
◆Ⅶ 製造間接費の改善効果額

第5章 現場改善会計の計算構造
◆Ⅰ 良品原価とムダ原価
◆Ⅱ 現場改善会計論の原価概念と勘定設定
◆Ⅲ 現場改善効果と損益計算書
◆Ⅳ 現場改善会計論の損益計算書

第6章 余剰生産能力の戦略的活用
◆Ⅰ 生産システムと生産能力
◆Ⅱ CAM-Iモデル─Full Capacity Model─
◆Ⅲ 現場改善の本質─生産能力の増大─
◆Ⅳ 改善マップの提唱
◆Ⅴ 余剰生産能力を活用した経営改革

著者紹介

上總 康行(かずさ やすゆき)
[プロフィール]
1977年 立命館大学大学院経営学研究科博士課程単位取得後退学
1989年 名城大学商学部教授
1991年 経済学博士(京都大学)
1996年 京都大学経済学部教授
2007年 福井県立大学経済学部教授
2012年 公益財団法人メルコ学術振興財団代表理事(常勤)
現在 京都大学名誉教授,福井県立大学名誉教授・地域経済研究所客員研究員

学会賞受賞
日本会計史学会(1990年),日本原価計算研究学会(2003年)
日本管理会計学会(論文賞2013年,功績賞2015年,論文賞2022年)

[主な著作]
『アメリカ管理会計史』(上下巻),同文舘出版,1989年
『管理会計論』新世社,初版・1993年,第2版・2017年
『次世代管理会計の構想』(共編著)中央経済社,2006年
『戦略的投資決定と管理会計』(デリル・ノースコット著)(監訳),中央経済社,2010年
『ケースブック管理会計』新世社,2014年
『次世代管理会計の礎石』(共編著),中央経済社,2015年
『コマツのダントツ経営』(編著),中央経済社,2021年
『現場改善会計論─改善効果の見える化─』(共著),中央経済社,2023年,

柊 紫乃(ひいらぎ しの)
[プロフィール]
2009年 愛知工業大学大学院経営情報科学研究科博士後期課程修了 博士(経営情報科学)
2011年 東京大学大学院ものづくり経営研究センター特任助教
2013年 山形大学大学院MOT専攻准教授
2020年 愛知工業大学経営学部教授
現在  愛知工業大学教授

・学会賞受賞
日本管理会計学会(論文賞2022年)

[主な著作]
Management of Service Industries in Japan, Japanese Management and International Studies Vol.9,(Coauthor),World Scientific Publishing Co. Pte. Ltd.,2012
Management of the Enterprise Crisis, Japanese Management and International Studies Vol.10, (Coauthor), World Scientific Publishing Co. Pte. Ltd., 2013
『次世代管理会計の礎石』 (共著),中央経済社,2015年
『ものづくりの生産性革命一新たなマネジメント手法の考え方・使い方ー』(共編),中央経済社,2019年
『コマツのダントツ経営』 (共著),中央経済社,2021年

担当編集者コメント
筆者は、「本書の目的は、現場改善の経済的効果をできるだけ正確に貨幣的に測定・評価できる会計方法を開発することである」(本書p.8)として、改善効果額を定式化しています。

それが、「改善効果額=原価低減額+機会損失額」です。

見えない改善効果を「見える化」するために、本書では機会損失の考え方を組み込んだ新しい原価計算論を提唱しています。

<主な目次>
第1章 現場改善と機会損失-本書の問題意識-
第2章 現場改善と原価計算-先行研究の検討とともに-
第3章 現場改善とムダ
第4章 現場改善会計論のフレームワーク-機会損失概念の導入-
第5章 現場改善会計の計算構造
第6章 余剰生産能力の戦略的活用