次世代管理会計の礎石

上總 康行 編著
澤邉 紀生 編著

定価(紙 版):5,280円(税込)

発行日:2015/03/17
A5判 / 346頁
ISBN:978-4-502-13471-5

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本の紹介
管理会計研究の国際競争参加を目指して、日本企業の優れた管理会計実践を定式化・理論化し、世界で注目される日本発の管理会計を探求。『次世代管理会計の構想』の後継書。

目次


次世代管理会計の礎石
目次

 はしがき

第Ⅰ部 管理会計プロセスの研究
 第1章 わが国における投資意思決定研究の現状と課題
  1 はじめに
  2 わが国の先行研究の展開
  3 投資意思決定の実態調査
  4 投資意思決定のケース研究
  5 投資意思決定のプロセス研究
  6 今後の研究課題
  7 おわりに

 第2章 戦略概念を取り入れた管理会計の進展
       ─戦略と管理会計の相互構成関係へ─
  1 はじめに
  2 戦略の視点と管理会計研究の変化
  3 管理会計が戦略に与える影響についての研究
  4 おわりに

 第3章 日本における原価企画研究
  1 はじめに―本研究の出発点―
  2 原価企画の計算構造
  3 原価企画の管理機能
  4 多様な研究:調査・海外移転・逆機能など
  5 おわりに

 第4章 予算問題とその対応
       ─戦略的計画設定とマネジメント・コントロールの
       連携強化の観点から─
  1  はじめに―戦略的計画設定と予算管理の連携強化問題―
  2 予算管理研究の概観
  3 BBとBSCの組合せによる予算問題の克服
  4 予算管理と戦略計画の柔軟な運用による予算問題の克服
  5 おわりに―計算構造論と組織行動の関係に関する研究の
     必要性―

 第5章 目標管理と方針管理の同質化と相互補完性
       ─ 医療機関におけるアカウンタビリティの共有化と
       総合管理─
  1 はじめに―問題意識―
  2 目標管理
  3 方針管理
  4  目標管理と方針管理の異質性と同質性
      ─相互補完性と総合管理─
  5 おわりに

第Ⅱ部 管理会計研究の新潮流
 第6章 管理会計研究におけるフィードフォワード・コントロール論の
       系譜
  1 はじめに
  2 海外主要ジャーナルにおける系譜
  3 国内文献における系譜
  4 おわりに

 第7章 組織学習を促進するマネジメント・コントロール・システム
       ─ 京セラの利益連鎖管理における組織学習の促進─
  1 はじめに
  2 組織学習を促進するMCSについて
  3 アメーバ経営の組織学習における役割
  4 おわりに

 第8章 責任会計論─日本企業のライン部門における利益責任の
       設定に関する研究の整理─
  1 はじめに
  2 日米の事業部制と責任会計
  3 ライン部門における利益責任の設定の2類型
  4 MPC制の適用による現場従業員の動機づけメカニズムに
     関する研究
  5 計算構造から生み出されるダイナミズムの側面に
     焦点を当てた研究
  6 おわりに

 第9章 アメーバ経営研究の体系的理解と今後の方向性
  1 はじめに
  2 MPCとしてのアメーバ経営
  3 ライン採算制組織としてのアメーバ経営
  4 アメーバ経営における中軸利益概念:時間当り採算の構造と
     役割
  5 アメーバ経営における個別最適と全体最適の両立
  6 「利益連鎖管理」に基づく全体最適のメカニズム
  7 おわりに―今後のアメーバ経営研究の方向性―

 第10章 管理会計変化研究
  1 はじめに
  2 管理会計変化の促進要因と阻害要因
  3 組織変革プロセスと管理会計変化
  4 おわりに―管理会計変化研究の可能性―

 第11章 分析的アプローチによる資本予算の研究
  1 はじめに―本章の目的―
  2 標準的なアドバース・セレクションのモデル
  3 分析的アプローチによる資本予算プロセスの分析モデル
  4 おわりに

第Ⅲ部 特定状況の管理会計研究
 第12章 わが国ベンチャーキャピタル業界と新技術ベンチャ
        ー投資意思決定
  1 はじめに
  2 わが国のVC業界
  3 わが国VC業界とNTBFs投資の現況
  4 投資意思決定と投資スタイル,技術要因,重視する情報,
    評価手法
  5 おわりに

 第13章 中小企業を対象とする管理会計研究の課題
  1 はじめに
  2  中小企業の管理会計・原価計算を対象とした研究蓄積
  3  管理会計の発展と経営管理・管理会計システムの階層化
  4  中小企業を対象とした管理会計研究から得られる知見
  5 おわりに

 第14章 グローバル化・複雑化時代の生産管理会計─ 単品種大量
       生産から多品種少量生産への変化と会計の適合性─
  1 はじめに
  2 単品種大量生産を前提とした生産管理会計
  3 多品種少量生産への変化とアメリカにおける対応
  4 日本における現場管理と生産管理会計の展開
  5 生産管理と原価計算における課題とリサーチ提案
  6 おわりに

 あとがき

 索  引




著者プロフィール <編著者紹介>
上總康行

澤邉紀生





















著者紹介

上總 康行(かずさ やすゆき)
[プロフィール]
1977年 立命館大学大学院経営学研究科博士課程単位取得後退学
1989年 名城大学商学部教授
1991年 経済学博士(京都大学)
1996年 京都大学経済学部教授
2007年 福井県立大学経済学部教授
2012年 公益財団法人メルコ学術振興財団代表理事(常勤)
現在 京都大学名誉教授,福井県立大学名誉教授・地域経済研究所客員研究員

学会賞受賞
日本会計史学会(1990年),日本原価計算研究学会(2003年)
日本管理会計学会(論文賞2013年,功績賞2015年,論文賞2022年)

[主な著作]
『アメリカ管理会計史』(上下巻),同文舘出版,1989年
『管理会計論』新世社,初版・1993年,第2版・2017年
『次世代管理会計の構想』(共編著)中央経済社,2006年
『戦略的投資決定と管理会計』(デリル・ノースコット著)(監訳),中央経済社,2010年
『ケースブック管理会計』新世社,2014年
『次世代管理会計の礎石』(共編著),中央経済社,2015年
『コマツのダントツ経営』(編著),中央経済社,2021年
『現場改善会計論─改善効果の見える化─』(共著),中央経済社,2023年,

澤邉 紀生(さわべ のりお)
[プロフィール]
京都大学大学院経済学研究科・経営管理大学院教授 博士(経済学)
1990年京都大学経済学部卒業。立命館大学経営学部専任講師、九州大学経済学部助教授を経て、2007年より現職。

[主な著作]
Management Controls and Pressure Groups: The Mediation of Overflows, Accounting, Auditing & Accountability Journal, 31(6), 2018, pp. 1644-1667, co-authored with Stephen Jollands and Chris Akroyd.
Core Values as a Management Control in the Construction of ‘Sustainable Development,’ Qualitative Research in Accounting & Management, 12(2), 2015, pp. 127 – 152, co-authored with Stephen Jollands and Chris Akroyd等.

『アメーバ経営学―理論と実証』共編著、KCCSマネジメントコンサルティング、2010年
『次世代管理会計の礎石』共編著、中央経済社、2015年
『アメーバ経営の進化―理論と実践』共編著、中央経済社、2017年
『計算と経営実践―経営学と会計学の邂逅』共編著、有斐閣、2017年

担当編集者コメント
本書は「世界で注目される日本発の管理会計」を目指して編纂された研究書です。第Ⅰ部では管理会計プロセスの研究、第Ⅱ部では管理会計研究の新潮流、第Ⅲ部では特定状況の管理会計研究について、次世代を担う気鋭の研究者が考察しています。
『次世代管理会計の構想』とともに、グローバルな土俵を研究やビジネスのフィールドにしたいと考えている方に、是非読んで頂きたいです。