- 本の紹介
- 医療の世界での患者との紛争は、医療ミス訴訟の頻発が一段落し、クレーム対策・医療費未払い等へ重心が移っている。長く病院経営に関係している弁護士が最新課題を解説する。
目次
医療現場における法的対応の実務
目次
第1章 医療事故と現場対応
Ⅰ 最近の医療事故をめぐる動き
1.主な医療事故と医療関連裁判
2.医療過誤訴訟の動き
3.刑事処分と行政処分の動き
Ⅱ 医療事故と医療過誤
1.医療事故と医療過誤の区別
2.医療過誤の類型
3.管理上の医療事故(医療過誤)を区別する
Ⅲ 医療事故に関する関係者の責任と現場対応
1.民事責任と現場対応
2.刑事責任と現場対応
Ⅳ 民事裁判例にみる現場対応のあり方
1.医療過誤訴訟における裁判所の考え方
2.裁判例にみる事故防止のための現場対応
Ⅴ 医療事故が起きたら
1.医療事故発生時の対応の流れ
2.事故発生時の初期対応
3.事故原因の調査と責任の判断
第2章 患者の自己決定をめぐる現場対応
Ⅰ 患者の自己決定権の考え方
1.診療契約を理解する
2.診療契約における患者の自己決定権
3.患者の診療協力義務と自己決定権
4.医師の裁量と自己決定権
Ⅱ 患者の自己決定と現場対応
1.患者の診療に対する非協力
2.患者の受診中止
3.宗教的信条からの輸血拒否
Ⅲ 医師の説明義務と現場対応
1.説明義務とはなにか
2.同意権侵害に関する裁判例
3.選択権保障のための説明義務
4.顛末報告義務
5.特殊な説明義務
6.説明のあり方
第3章 日常診療における現場対応
Ⅰ 診療契約の締結・終了に関する現場対応
1.問題患者に対する診療の拒否
2.救急患者の受入拒否が許される場合とは
3.問題患者が退院しないときは
Ⅱ 診療記録に関する現場対応
1.診療記録の記載のあり方
2.診療記録の保存
3.診療記録の開示請求に対する対応
Ⅲ 治療費の未払いに対する現場対応
1.入院診療では連帯保証人を確保する
2.「医療ミス」を理由とした治療費不払いへの対応
3.消滅時効の管理
4.未払治療費の回収
Ⅳ その他の諸問題における現場対応
1.一般病棟における患者の身体拘束
2.無診察診療
3.院内の盗難事故
第4章 患者からのクレーム対応
Ⅰ クレーム対応の基本
1.クレームと説明責任
2.賠償型クレームと非賠償型クレーム
3.初期対応のあり方
Ⅱ 賠償型クレームへの対応
1.賠償型クレームの初期対応
2.患者側との示談交渉
Ⅲ 難クレーム・悪質クレームへの対応
1.難クレームと悪質クレーム
2.脅しや理不尽な要求等への対応
3.モンスターペイシェントへの対応
4.突発的な暴力・暴言への対応
Ⅳ 患者情報に関するクレーム対応
1.患者情報保護の仕組み
2.患者のプライバシー権の理解
3.個人情報保護法の理解
4.患者情報に関するクレーム対応の基本
5.患者情報に関するクレームの予防
索 引
著者プロフィール
森山 満(もりやま・みつる)
弁護士・森山経営法律事務所所長