- 本の紹介
- 中堅・中小企業の社長や顧問税理士・会計士・弁護士向けに、後継者不在や業績不振の打開策となりうるM&Aの活用のしかたを多くの事例とともにわかりやすく説く。
目次
社長のM&A学
目次
プロローグ なぜ今,M&Aなのか
1 中堅・中小企業の活性化にはM&Aが有効
2 製造力・販売力を一気に増強できる
3 海外進出の水先案内人を探せ
4 「大きく育ててもらうための売却」という発想の転換
5 M&Aで会社を生き返らせる ……ほか
第1部 M&Aの活用方法とスキーム作り
第1章 M&Aの使い方は多種多様
1 攻める!M&A
⑴ 「規模の経済」で競争力強化
⑵ 人材と技術を確保する ……ほか
2 危機回避のM&A
⑴ マーケットが縮小時,過当競争から身を守る
⑵ 系列崩壊,グループ崩壊への対策 ……ほか
3 これからは海外とM&A!
⑴ 内弁慶は卒業せよ
⑵ 中小企業も海外でM&Aを仕掛けよう ……ほか
第2章 後継者がいなくてもM&Aで事業を継続しよう
1 身内への事業承継もそれなりに大変
2 突然,社長が亡くなったら?
3 社内後継者によるMBOは容易じゃない
4 後継者がいなければM&Aに挑戦しよう
5 廃業すると財産を税金で持っていかれる!
第3章 M&Aで企業を再生させる
1 経営が行き詰まった時こそM&A
2 スポンサーに担保付債権ごと買い取ってもらう
3 特定調停で債権カットしてからのM&A
4 会社分割とM&Aで会社再生
5 経営陣が残るための手法は?
6 破産を使ったM&Aは外科的な大手術
7 民事再生と会社更生の申立ては最後の切り札とせよ
8 社長の老後を救うM&Aとは
9 事業再生ADR,中小企業再生支援協議会を使うには
10 金融支援円滑化法の出口戦略と認定支援機関
第4章 自社に合ったスキームの選び方とは
1 完全子会社化をめざす
⑴ 株式買取りが原則
⑵ 株式交換による完全子会社化 ……ほか
2 事業だけを譲渡する
⑴ 事業譲渡はスタンダード
⑵ 「居抜き」という古典的M&A ……ほか
3 合併を活用する
4 資金調達がむずかしいMBO
5 病院や学校のM&A
6 税法上で注意すべきこと
第5章 M&Aスキームの応用方法
1 業務提携というオプションもある
2 ホールディングカンパニーがM&Aの主役へ!
3 海外からも直接投資が
4 投資ファンドによる買収
5 クロスボーダーM&Aで経済を活性化
6 三角合併を使えば迅速に意思決定ができる
7 反対株主を排除できるスクイーズアウト
8 Change of Controlという盲点
9 独占禁止法と金商法の存在を忘れるな!
10 生ナマの判例から学ぶ「戦うM&A」
⑴ 判例から学ぶ
⑵ 前提知識 ……ほか
第2部 M&Aの手順と実践
第6章 知っておきたい 段取り・手続
1 まずは誰に相談するか
⑴ 現状は,M&A仲介業者に依頼するのが一般的
⑵ 資格も監督官庁もない現実 ……ほか
2 M&A仲介の報酬と委託契約
⑴ 業務委託契約の内容とは
⑵ 仲介の報酬はいくら?
3 売手側の準備
⑴ M&Aの命運は売手側の準備次第
⑵ 個人保証をどうするか ……ほか
4 買手側の準備
⑴ 自前で公認会計士と弁護士に依頼する
⑵ 専門チームを立ち上げる ……ほか
5 成約までの流れ
⑴ 第一段階 相手探し
⑵ 第二段階 検討段階 ……ほか
6 合併,分割,株式交換,株式移転の手続とスケジュール
第7章 会社の売買価格とは
1 M&Aの価格に相場なし
2 「企業の収益力」からのアプローチ
3 ディスカウントキャッシュフロー(DCF)からのアプローチ
4 時価純資産価値からのアプローチ
5 財務理論からのアプローチ
6 価格算定の展開
7 会社を高く売るためには
第8章 M&A成功の勘所
1 失敗例を研究しよう
⑴ 売主の代金の設定,スキームの不合理
⑵ 利益相反の危険 ……ほか
2 濫用的M&Aは会社財産を消耗させる
第9章 敵対的買収者との戦い方指南
1 日本の中堅企業は狙われている
2 取締役会決議による第三者割当増資は難題
3 第三者増資は株主総会の特別決議まですれば万全
4 株式分割は使えない
5 他者依存の防衛策
6 全部取得条項付株式の活用
7 会社分割はどうか
第10章 関連する契約書の検討
1 契約書は千差万別
2 アメリカかぶれの氾濫
3 秘密保持契約書
4 基本合意書の検討
5 本契約の検討
6 株主多数が別の買主を希望すると?
7 独占交渉権違反とペナルティ条項の関係
8 表明保証条項違反とMAC条項
エピローグ 中小企業こそが日本経済を動かす原動力
1 日本はどこへ進むのか?
2 目指すのはドイツ型
3 日本の弁護士・税理士が果たすべき役割とは
4 弁護士はM&Aに積極参入すべし!
5 M&A仲介業での「非弁活動」の危険 ……ほか
索 引
◆契約書例一覧◆
著者プロフィール
金子 博人(かねこ ひろひと)
1948年5月2日横浜で生まれる。
私立聖光学院中学校,高等学校を経て,
73年3月早稲田大学法学部卒業,同大学院修士課程(商法)修了。
司法修習生を経て,77年4月弁護士開業。
東京弁護士会所属弁護士。
大東文化大学法科大学院講師(倒産法),日本プライムリアルティ投資法人(J-REIT)執行役員,日本商品取引所市場取引監視委員会委員長。
- 担当編集者コメント
- 廃業・倒産の危機も、M&Aで乗り越えることができる。
ドラスティックな変化をもたらすため、中堅・中小企業ではなかなか手を出しにくいM&Aの使い方をわかりやすく説明する。
- 著者から
- 私は弁護士として、中堅・中小企業の経営者を直接支援し、経営の拡大、企業の再生・再建、事業承継などをアシストしてきたが、その一環としてM&Aを重要な手段として活用してきた。この中で積み上げた知識と経験を本書に収録している。これが停滞した日本経済を「変える」ための原動力の1つとして、なにがしかの役割を果たせば望外の幸せである。