- 本の紹介
- 2014年3月31日より適用が開始する、バーゼルⅢに基づく国内基準金融機関向けの新金融規制を解説します。基準解説にとどまらず、実務適用上の重要な論点も網羅します。
目次
国内行向けバーゼルⅢによる新金融規制の実務
目次
はしがき
本書の位置付けと構成,利用方法について
第1章 バーゼル規制を巡る世界的潮流
第1節 バーゼル規制の沿革
1 わが国における金融機関の範囲と自己資本比率規制
2 バーゼルⅢ合意への経緯 ……ほか
第2節 わが国における国際統一基準と国内基準
1 いわゆる銀行自己資本比率規制の枠組み
2 国際統一基準と国内基準 ……ほか
第3節 金融危機を受けた国際的なバーゼルⅢ規制
1 バーゼル規制の対応表
2 バーゼルⅡ規制における「第1の柱」(本書第2章,第3章)
……ほか
第4節 バーゼルⅢ周辺論点と「次に来るもの」
1 金融規制を巡る周辺論点(本書第5章)
2 国際的なBCBS の最新の論点(本書第6章) ……ほか
第2章 国内規制における資本概念の改定
第1節 金融庁「国内基準行向けバーゼル規制」
1 バーゼルⅢ(国内基準)に係る告示の概要
2 自己資本比率の計算方法
第2節 資本算入項目とその要件
1 コア資本に係る基礎項目と調整項目
2 コア資本に係る基礎項目の特徴 ……ほか
第3節 ダブル・ギアリング
1 ダブル・ギアリングの考え方
2 ダブル・ギアリングの具体的な適用 ……ほか
第4節 バーゼルⅢに係る経過措置
1 新告示に係る経過措置期間
2 新国内基準のコア資本の基礎項目に係る経過措置 ……ほか
第5節 パブリックコメントとQ&A
1 パブリックコメントで明確化された項目
2 金融庁が公表したQ&A等
第6節 自己資本の分子以外の論点
1 簡便的リスク測定方式によるCVAリスク相当額
2 中央清算機関向けエクスポージャー ……ほか
第3章 バーゼル規制における自己資本の分母
第1節 分母の構成
1 自己資本比率の分母
2 信用リスクアセットとリスクウェイトの考え方 ……ほか
第2節 標準的手法に基づく信用リスクアセット
1 標準的手法に基づく信用リスクアセットの額
2 資産の額の算出にあたって適用される「通則」 ……ほか
第3節 内部格付手法に基づく信用リスクアセット
1 内部格付手法の承認手続
2 エクスポージャーの定義 ……ほか
第4節 信用リスク削減手法
1 信用リスク削減手法の概要
2 適格金融資産担保と包括的手法の概要 ……ほか
第5節 オフバランス取引や派生商品取引等
1 相対デリバティブ取引に係る信用リスクアセット
2 カレント・エクスポージャー方式 ……ほか
第6節 CVAリスク相当額
1 CVAリスクとは?
2 CVAリスクの測定対象と測定方法 ……ほか
第7節 中央清算機関関連エクスポージャー
1 バーゼル銀行監督委員会の2012年7月の中間規則 ……ほか
2 わが国の銀行告示の改正点
第
8節 マーケット・リスク相当額
1 マーケット・リスク相当額の算出が必要な場合
2 マーケット・リスク相当額の算出対象 ……ほか
第9節 オペレーショナル・リスク相当額
1 オペレーショナル・リスク相当額とは
2 基礎的手法の概要 ……ほか
第4章 バーゼル規制における第2・第3の柱
第1節 バーゼルⅡの「第2の柱」
1 ハードリミットとソフトリミット
2 わが国金融庁の対応 ……ほか
第2節 アウトライヤー規制
1 アウトライヤーとは?
2 BCBSテキストに見る金利リスク管理の実務 ……ほか
第3節 第3の柱
1 規制の目的と根拠となる告示
第5章 金融規制を巡る周辺論点の整理
第1節 金融システムを巡る各種制度動向234
第2節 大口信用供与規制
1 現行の大口信用供与等規制の枠組み
2 大口信用供与等規制に関する最終報告書の提案 ……ほか
第3節 金融機関の破綻処理
1 金融商品取引法等の一部を改正する法律案
2 改正前預金保険法による金融機関の破綻処理制度 ……ほか
第4節 銀行の持株制限の緩和
1 銀行等による議決権保有規制
2 現行議決権保有規制と改正案比較 ……ほか
第5節 デリバティブの清算集中
1 2010年の金融商品取引法改正
3 取引情報の保存・報告義務
第6章 バーゼルⅢを巡る諸論点のアップデート
第1節 流動性規制
1 修正LCR規制公表
2 HQLAに関する修正 ……ほか
第2節 レバレッジ比率規制
1 レバレッジ比率規制修正案概要
2 レバレッジ比率規制修正案導入による影響 ……ほか
第3節 証券化商品の資本賦課
1 証券化商品に関するバーゼル規制の見直し
(第次市中協議文書)
2 提案されたつのヒエラルキー案 ……ほか
第4節 ファンド向けエクイティ出資に係る資本賦課
1 BCBS「ファンド向けエクイティ出資に係る資本賦課」
最終規則文書を公表
2 標準的手法 ……ほか
第5節 D-SIFIの論点
1 D-SIBsに関する市中協議文書
2 D-SIBsフレームワークにおける12原則 ……ほか
第7章 わが国の金融システムの在り方を問う
第1節 資金循環統計に見るわが国の金融市場の姿
1 日本の余剰貯蓄とその偏在
2 間接金融機関中心の金融仲介構造 ……ほか
第2節 「規制の強化」より「規制の適正化」を
1 バブル崩壊と失われた20年のデフレ局面
2 金利リスク転換機能 ……ほか
補論 バーゼルⅡ規制と国際統一基準行における
バーゼルⅢ自己資本規制の概要
1 バーゼルⅡ規制について
2 バーゼルⅢ規制とその経過措置について ……ほか
[索引]
著者プロフィール
柴崎健(しばさきたけし)
一橋大学経済学部卒業,一橋大学大学院国際企業戦略研究科修了。
日本興業銀行入行,同札幌支店,興銀証券市場営業第一部,同投資戦略部等を経て
現在,みずほ証券金融市場調査部チーフファイナンシャルアナリスト。
横浜国立大学大学院国際社会科学研究科非常勤講師。
著書
『銀行の戦略転換』(共著)東洋経済新報社,2004年
『金融市場の勝者―銀行・ファンド・企業,複線化する金融』(共著)東洋経済新報社,2007年
『世界国債暴落―世界を蝕む日本化現象』(共著)東洋経済新報社,2010年
『詳解バーゼルⅢによる新国際金融規制』(共著)中央経済社,2012年
『金融緩和のもとでの国債リスク』中央経済社,2014年他多数
山内直子(やまうちなおこ)
津田塾大学国際関係学科卒業。
新日本証券入社,債券営業,債券リサーチ等の業務を経て
現在,みずほ証券勤務。
著書
『詳解バーゼルⅢによる新国際金融規制』(共著)中央経済社,2012年
岡本修(おかもとおさむ)
公認会計士。
慶應義塾大学商学部卒業,1998年度国家公務員採用Ⅰ種試験(経済職)合格,中央青山監査法人,朝日監査法人(現あずさ監査法人)を経て
現在,みずほ証券のマーケット部門にて金融機関を中心とするソリューション営業に従事。
著書
『金融マンのためのこれ一冊でわかるデリバティブ・証券化商品入門』(共著)東洋経済新報社,2008年
『詳解バーゼルⅢによる新国際金融規制』(共著)中央経済社,2012年
『金融機関のための金融商品会計ハンドブック』東洋経済新報社,2012年