- 本の紹介
- 本書は、管理会計システム・実務はなぜ、どのように導入、普及、変更、中止されるのか?を通じて管理会計への理解を深めるのみならず、社会システムとの関係まで究明。
目次
管理会計変化の探究
目次
プロローグ:本書の目的
第Ⅰ部 機械的環境下の管理会計
第1章 機械的環境の形成プロセス
第1節 はじめに
第2節 手工業生産の特徴
第3節 手工業生産の危機
第4節 大量生産への移行
第5節 初期独占資本主義時代の管理会計
第2章 新古典派経済学とCVP分析
第1節 はじめに
第2節 新古典派経済学の企業モデルとCVPモデル
第3節 CVP 分析の基本モデルとその仮定
第4節 CVP 分析におけるモデルの精緻化
第5節 CVP 分析におけるモデル精緻化の意義
第3章 伝統的予算管理によるマネジメント・コントロール
第1節 はじめに
第2節 予算管理の概要
第3節 予算と標準原価計算の統合
第4節 標準予算システムの展開
第5節 ゼロベース予算(ZBB)の展開
第4章 伝統的資本予算の生成と発展
第1節 はじめに
第2節 伝統的資本予算の展開
第3節 各種の投資評価技法
第4節 正味現在価値法と内部利益率法の比較
第5節 修正内部利益率法の展開
第Ⅱ部 ポスト機械的環境下の管理会計
第5章 ポスト機械的環境の形成プロセス
第1節 はじめに
第2節 ポスト機械的環境への変化を読み解く3つの観点
第3節 組織を取り巻くコンテクストの変化:ローカルから
グローバルへ
第4節 組織目的の変化:財務から戦略へ
第5節 組織システムの変化:大量生産からフレキシブル生産へ
第6節 ポスト機械的環境への変化と管理会計
第6章 戦略管理会計の進展
第1節 はじめに
第2節 戦略管理会計の登場
第3節 戦略的コストマネジメントの実践
第4節 製品属性の原価計算
第5節 バランス・スコアカード(BSC)の展開
第7章 コストマネジメントとABC/ABM
第1節 はじめに
第2節 コストマネジメント概念とABC
第3節 伝統的原価計算の欠点
第4節 ABC の基本原理
第5節 ABC の計算構造
第6節 ABC の新展開
第7節 ABC の普及と普及の停滞
第8章 予算管理の新潮流
第1節 はじめに
第2節 伝統的予算管理の問題点と予算管理の新潮流
第3節 伝統的予算管理の改良
第4節 脱予算管理の出現
第5節 脱予算管理の実践例と有効性
第9章 先進的資本予算の展開
第1節 はじめに
第2節 環境要因の変化と資本予算
第3節 無形便益を考慮した資本予算
第4節 戦略要因を考慮した資本予算
第5節 リアル・オプション
第Ⅲ部 管理会計変化へのアプローチ
第10章 機能主義的アプローチによる探究
第1節 はじめに
第2節 管理会計変化を説明するための基礎理論:
コンティンジェンシー理論
第3節 コンティンジェンシー理論:組織論における古典的研究
第4節 コンティンジェンシー理論の管理会計への援用
第5節 コンティンジェンシー研究(管理会計への援用研究を含む)
の系譜
第6節 コンティンジェンシー理論を援用した管理会計研究の貢献と
限界
第11章 解釈的アプローチによる探究
第1節 はじめに
第2節 伝統的管理会計研究の問題点
第3節 解釈的社会学を用いた管理会計研究
第4節 制度理論を用いた管理会計研究
第5節 アクターネットワーク理論を用いた管理会計研究
第6節 解釈的アプローチによる管理会計変化の解明
第12章 批判的アプローチによる探究
第1節 はじめに
第2節 批判研究の含意
第3節 マルクス主義と管理会計
第4節 ポストモダニズム/ポスト構造主義の展開
第5節 フーコディアン思想と管理会計研究
第6節 批判的アプローチによる管理会計変化の解明
エピローグ:本書の貢献
参考文献
索 引
著者プロフィール
杉山 善浩(すぎやま よしひろ)
2003年 神戸商科大学商経学部教授
2004年 兵庫県立大学経営学部教授
2006年 甲南大学経営学部教授
現在に至る
〈主要著書〉
『投資効率を高める資本予算』(単著,中央経済社,2002年)
『工業簿記・原価計算演習─理論と計算─ 第₃版』(共著,税務経理協会,2008年)
『原価計算の基礎─理論と計算─ 第2版』(共著,税務経理協会,2008年)
『管理会計の基礎─理論と実践─ 第4版』(共著,税務経理協会,2010年)
- 担当編集者コメント
- 本書は、CVP分析、伝統的予算管理、伝統的資本予算から、BSC、ABC/ABM、先進的予算管理、先進的資本予算等をもとに、以下の点を究明しています。
①環境要因の変化に対応して、各種の管理会計技法が歴史的にどのように誕生し、変化してきたかを解き明かすこと。
②管理会計変化を的確に理解するために、各種の基礎理論を用いた研究が、管理会計変化をどのように概念規定しているかを整理すること。
③各種の管理会計技法の利用に関する指針を、有用性の観点から提供すること(この指針は概ね研究者の見解に基づいている)。
④管理会計変化に関する文献の渉猟を通じて、管理会計そのものの理解を深め、管理会計とそれを取り巻く社会システムとの関係を究明すること。
管理会計の本質を学うえで、学生、大学院生、さらには研究者だけでなく、実務家にも有益な内容になっています。
ぜひ、ご覧ください。