体系現代会計学第1巻企業会計の基礎概念

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斎藤 静樹 責任編集
徳賀 芳弘 責任編集

定価(紙 版):5,280円(税込)
価格(電子版):5,280円(税込)

発行日:2011/04/19
A5判 / 538頁
ISBN:978-4-502-23790-4

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本の紹介
会計学の研究成果を集大成したシリーズの第1巻。会計基準や実務を体系的に理解するうえで、基礎概念の修得が不可欠。実証研究の理論的補完にも必読の書。

目次

序章 企業会計の基礎概念
第1節 なぜ基礎概念か
第2節 動的貸借対照表の基礎概念
第3節 動的貸借対照表と資産評価
第4節 古典的会計基準論の基礎概念
第5節 パラダイムの変革と基礎概念
第6節 社会制度としての企業会計
第7節 会計研究の方法と基礎概念
第8節 本書の構成
第9節 あとがき

第1章 資本と利益
はじめに
第1節 経済的利益と会計上の利益
第2節 会計情報をめぐる新たなアプローチ
第3節 会計上の利益計算の意義と課題
第4節 価格変動の影響
第5節 要約と展望

第2章 資産と経済的資源
第1節 資産概念の重要性と問題
第2節 資産概念の変遷
第3節 企業価値評価における資産情報
第4節 発生主義会計における資産
第5節 要約と展望

第3章 負債と経済的義務
第1節 はじめに
第2節 論争を整理するための枠組み
第3節 負債の定義と認識に関する論争
第4節 負債の評価(測定)に関する論争
第5節 おわりに―要約と展望

第4章 エンティティーと持分
第1節 本章の課題
第2節 エンティティーと支配
第3節 資本を測定する意義
第4節 維持すべき資本
第5節 負債と資本の区別
第6節 連結基礎概念
第7節 エンティティーの継続性と持分の再評価
第8節 エンティティーの継続性と支配
第9節  拠出資本と留保利益の区別

第5章 純利益と包括利益
第1節 はじめに―問題の所在
第2節 認識基準と利益概念
第3節 利益計算のアプローチ
第4節 企業活動と利益
第5節 組み合わせと利益概念
第6節 要約と課題

第6章 発生・実現・対応
第1節 財務会計理論における会計原則
第2節 発生概念と発生原則
第3節 実現概念と実現原則
第4節 対応概念と対応原則
第5節 発生・実現・対応の関係
第6節 会計原則の変化と会計原則研究の将来展望

第7章 配分と評価
第1節 問題の所在
第2節 米国会計基準に関するサーベイの概要
第3節 米国会計基準に生じた変化にみられる特徴①―「評価と配分」以外の問題に向けられていた主要な関心
第4節 米国会計基準に生じた変化にみられる特徴②―引き続き多用されている「配分の手続」
第5節 米国会計基準に生じた変化にみられる特徴③―技術的に可能なケースにおける「評価の手続」 適用対象の拡大
第6節 米国会計基準に生じた変化にみられる特徴④―資産•負債の公正価値を基礎とした配分手続への要請
第7節 要約と展望

第8章 測定属性
第1節 測定属性
第2節 会計における測定の難しさ
第3節 過去に主張された主な測定属性•測定値と会計目的との関係
第4節 現行の概念フレームワークで示されている測定属性•属性値
第5節 測定属性・測定値に関して現在行われている 議論とその問題点
第6節 測定属性と会計の目的

第9章 公正価値
第1節 経営環境の変化と公正価値会計の生成
第2節 公正価値会計の目的と意義
第3節 公正価値測定のフレームワーク
第4節 公正価値会計の損益取引への理論的拡張
第5節 公正価値会計の課題

第10章 資本維持
第1節 資本維持をめぐる論点
第2節 資本維持概念の整理
第3節 資本の性格の相違に基づく損益計算
第4節 資本の範囲の相違に基づく損益計算
第5節 資本維持概念の今日的意義

第11章 会計基準
第1節 会計基準の性格
第2節 米国における「自主規制」体制の確立
第3節 米国における会計規制の展開
第4節 グローバルな会計基準

第12章 会計研究の基礎概念
第1節 会計研究と科学方法論
第2節 実証研究の論点
第3節 規範論の再検討
第4節 これからの会計研究―批判的な「なんでもあり」

著者紹介

斎藤 静樹(さいとう しずき)
[プロフィール]
1942年生まれ
東京大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学
東京大学名誉教授
経済学博士

[主な著作]
『会計測定の理論』(森山書店,1975年)
『資産再評価の研究』(東京大学出版会,1984年)
『企業会計―利益の測定と開示』(東京大学出版会,1988年)
『企業会計とディスクロージャー』(東京大学出版会,1999年)
『会計基準の研究』(中央経済社,初版2009年,増補版2010年)
『企業会計の基礎概念』(共編著,中央経済社,2011年)他

徳賀 芳弘(とくが よしひろ)
[プロフィール]
1955年生まれ
九州大学大学院経済学研究科博士後期課程単位取得
京都大学大学院経営管理研究部・経済学研究科教授
博士(経済学)   

[主な著作]
「会計利益モデルと純資産簿価モデル」『企業会計』第63巻第1号(2011年)他

『国際会計論』(中央経済社,2000年)
『年金会計とストック・オプション』(共著,中央経済社,2004年)
『会計基準の国際的統一』(共編著,中央経済社,2005年)
『企業会計の基礎概念』(共編著,中央経済社,2011年)他

担当編集者コメント
第一線の研究者による執筆―――
斎藤 静樹(東京大学名誉教授)     序章
辻山 栄子(早稲田大学教授)      第1章
鈴木 一水(神戸大学大学院准教授)   第2章
徳賀 芳弘(京都大学大学院教授)    第3章
川本  淳(学習院大学教授)      第4章
川村 義則(早稲田大学教授)      第5章
大日方 隆(東京大学大学院教授)    第6章
米山 正樹(東京大学大学院教授)    第7章
万代 勝信(一橋大学大学院教授)    第8章
浦崎 直浩(近畿大学教授)       第9章
齋藤 真哉(横浜国立大学大学院教授)  第10章
大石 桂一(九州大学大学院准教授)   第11章
福井 義高(青山学院大学教授)     第12章
著者から
 規範から実証へ舵を切ったといわれる会計研究においても、新たな基準が生み出す情報の有用性を、すでに有用性が確認されて市場に定着している基準との概念的な整合性から分析してきた成果が、市場データに基づく実証作業の仮説構築や結果の解釈に寄与する可能性は少なくないと思われる。方法を異にする研究のそうした補完関係を探るためにも、あらためて企業会計の基礎概念を検討し直す意味がある。
 本書は10名を超える執筆者が各章を分担する編著書だが、執筆者は必ずしも同様の見解を共有しているわけではなく、十分に意見を交換・調整したうえで執筆に臨んだわけでもない。それぞれのメンバーの個性と造詣を活かし、豊かな知見と展望を読者に伝える結果になることを期待した。執筆者各位の高い貢献意欲によって、本書がこの分野の研究史に新たな一頁を加えることができるとすれば、編集の任に当たった者としてこれに過ぎる喜びはない。