- 本の紹介
- 投資家はどう研究開発集約的な企業の価値を見積もり、投資意思決定を行っているのかを実証的に分析。さらに、コンピュータ取引の発展をうけてテキスト情報の価値も解明。
- 担当編集者コメント
- 本書は,投資家は企業の研究開発活動をどう捉えて意思決定を行うのか?について財務データにもとづく実証研究や有報等のテキスト分析により解明する研究書です。
本書の目次は,以下のとおりです。
第1章 本書の目的と構成
第2章 日本企業の研究開発投資と会計基準
第3章 研究開発集約企業の財務的特徴
第4章 研究開発費情報と将来利益予想
第5章 研究開発集約企業における投資家の情報収集・分析
第6章 研究開発集約企業と投資家間の情報格差
第7章 研究開発集約企業とディスクロージャー
第8章 研究開発費による裁量行動と将来業績
第9章 投資戦略の変化と研究開発情報の役割
第10章 有価証券報告書における研究開発活動の記載内容
第11章 研究開発活動のテキスト情報と将来業績
第12章 結論と今後の課題
そして,本書の意義は下記に要約されます。
①投資家が研究開発集約的な企業について,どのようなプロセスを経て意思決定を行っているのかを財務データ等の客観的なデータにもとに分析している。
②企業の立場からは,どのような情報が投資家に歓迎されるのかを知ることができ,資金調達活動を円滑に行うことができるようになる。また、基準設定主体の立場からは,投資家の意思決定を阻害しないかたちで,どのような基準設定が好ましいかを考えることができる。
③テキスト情報を含めた分析を行うことにより,投資家行動についてより現実の意思決定過程に近い多角的な検討が可能となる。
私個人としては,近年,人が意思決定から売買までを行っていた時代から,その取引プロセスの大部分をコンピューターが行う時代へと意思決定プロセスがシフトしてきていることをうけて、テキスト情報に着目し,その情報価値をも検討している点が,非常に興味深いと考えています。
ぜひご覧ください!
<著者略歴>
2000年 同志社大学商学部卒業
2003年 神戸大学大学院経営学研究科博士課程前期課程修了
2007年 神戸大学大学院経営学研究科博士課程後期課程退学
京都産業大学経営学部専任講師
2011年 京都産業大学経営学部准教授
2018年 京都産業大学経営学部教授 現在に至る