- 本の紹介
- 関西経済は、歴史的な伝統産業に加え、安定した雇用と対外交易について特徴を有しているといわれる。本書では、関西地域の景気変動に焦点を当て、経済的構造を実証的に解析。
- 担当編集者コメント
- 関西学院大学・産研叢書41として刊行したものです。
本書の趣旨は、次のとおり。
関西経済は、近年影響力が低下してきたと言われつつも、2014年度においても人口では約13.2%、県内総生産(名目値)で全国の15.7%を占めており、関東地域ブロックに次いで2番目の規模で日本経済の中心的な役割を果たしています。よく言われるように、関西経済の強みは、歴史的な伝統産業基盤に加えて、安定した雇用と東アジアをはじめとする対外的な交易にあります。また近年では新関西空港へのLCC乗り入れなども相まって、ほかの地域圏とは異なる経済的な特徴を示しています。
そこで、本書では関西地域の景気変動に焦点を当て、どのような経済的構造をとっているのか、多様な観点から実証的な解析を試みています。
本書の研究を通じて、関西経済の現状と今後の発展について、その方向性と可能性が明らかにしました。今後も地域の特性を生かして発展していくことが期待されます。
<目次>
第1章 関西の景気連動性―CLIによる分析
第2章 関西経済発展の可能性を探る-日中韓地域間アジア国際産業連関表による計量分析
第3章 関西の貿易取引と産業構造-大阪税関『貿易統計』からのアプローチ
第4章 関西における高速道路整備の経済効果-交通近接性を考慮した生産関数によるアプローチ
第5章 景気先行指数の動的文書生成にもとづく再現可能研究
第6章 景気指標から見た兵庫県経済の現況と指標利用上の課題
第7章 兵庫CLI(Composite Leading Indicators)と基調判断