- 本の紹介
- 会計学の実証研究22論文を会計情報と株式市場、情報開示制度、会計戦略の3つに分類・整理し、会計大学院や学部ゼミなどでの学習・研究のために素材提供を目的に編纂。
目次
実証会計学
目次
序 章 会計情報と資本市場 [石塚博司]
1 会計情報の有用性
2 実証的会計研究の対象
3 新たな研究領域
? 会計情報と株式市場
Review 会計情報と株式市場 [薄井彰・後藤雅敏]
第1章 資本市場における会計情報の有効性<パイロット・テスト>
―決算情報は投資家行動に対して影響力をもつか
[石塚博司]
1 われわれの問題認識と研究課題
2 研究方法
3 予備調査の概要
4 今後の研究課題
第2章 会計情報と株価―実証研究 [國村道雄]
1 はじめに
2 問題提起
3 データの選択
4 検証の方法
5 検証結果
6 結 言
第3章 会計報告と株式市場
―決算内容の情報効果をめぐって [佐藤紘光]
1 問題の提起
2 研究方法
3 研究モデル(基本モデル)
4 データの収集
5 調査の結果と解釈
6 予測情報の開示にかかわる問題
7 要約と展望
第4章 資本市場における会計情報の有効性[大塚宗春]
―決算報告の情報効果について
1 問題の提起
2 研究方法
3 使用データ
4 実証結果とその解釈(1) ― 株価テスト
5 実証結果とその解釈(2) ― 売買高テスト
6 要約と展望
第5章 証券アナリストによる投資リスク予測と[平松一夫]会計情報
1 投資リスク予測と会計情報
2 研究デザインと調査の概要
3 分析の結果
4 分析結果の検討
5 投資リスク予測に対する会計情報の有用性
第6章 中間決算情報の公表に関する研究 [後藤雅敏]
1 問題意識
2 情報差異仮説
3 分 析
4 結 果
5 結 論
第7章 クリーンサープラス会計と企業の[薄井 彰]市場評価モデル
1 はじめに
2 企業の市場評価モデル:理論的展開
3 実証デザインとデータ
4 プールされた標本の分析結果
5 クロスセクション標本の分析結果
6 むすび
第8章 キャッシュ・フローの時系列特性と[百合草裕康]期待モデル
1 はじめに
2 キャッシュ・フローの測定値と分析対象企業
3 キャッシュ・フロー時系列モデルの検討
4 むすび
? 情報開示制度
Review 情報開示制度 [井上達男・大日方隆]
第9章 実現基準と原価評価の再検討 [斎藤静樹]
1 はじめに
2 事後の利益計算
3 分配可能な利益
4 おわりに
第10章 制度会計と情報開示 [大日方隆]
1 開示規制と会計基準の必要性
2 情報開示のコストと会計情報,会計基準の性格
3 会計方法の選択の情報価値
4 費用の期間配分と利益平準化
5 自発的開示と市場の成熟度
第11章 連結決算制度に対するわが国証券市場の[伊藤邦雄]
学習効果
1 新会計システムに対する証券市場の学習パターン
2 データと仮説
3 調査のデザイン
4 第1主要分析の結果とその検討
5 第2主要分析の結果とその検討
6 補足的分析
7 学習効果への示唆
第12章 連結会計情報と長期株式リターン[奥村雅史・吉田和生]
―EBO モデルを通して
1 はじめに
2 実証モデルの整理
3 分 析
4 結論と課題
第13章 株式安定化が会計情報公開[桜井久勝・山地秀俊]
に及ぼす影響
1 株主の相対的な重要性
2 財務広報戦略としての会計情報公開
3 リサーチ・デザイン
4 実証効果
5 結論と展望
第14章 ファイリング制度の実証分析[河 榮徳]
―業績予想修正の情報効果
1 問題の提起と研究目的
2 研究方法
3 データ
4 分析結果
5 要約と今後の課題
第15章 ファンダメンタル・アプローチによる[井上達男]
日本企業の実証分析
1 日本企業の企業価値評価と外貨換算
2 日本における企業価値モデルの検討
3 日本企業の実証結果
4 結果の要約と今後の課題
? 会 計 戦 略
Review 会計戦略 [須田一幸・河 榮徳]
第16章 慣行的会計利益モデルと[中野 勲]エイジェンシー的思考
1 目 的
2 取得原価の正常性について
3 低価基準について
4 実現基準について
5 結びにかえて
第17章 管理会計における理論モデルの有効性 [辻 正雄]
1 管理会計の意義と問題の所在
2 エイジェンシー・アプローチ
3 管理会計の諸問題に対する貢献
4 将来の研究
第18章 契約の経済学と会計規制 [須田一幸]
1 わが国会計規制の問題点
2 効率的市場仮説と会計規制
3 会計の機能
4 会計規制の負の効果
5 会計規制の最適化に向けて
第19章 会計方法の変更に対する[石塚博司・河 榮徳]
資本市場の反応
1 研究の目的
2 これまでの調査研究
3 研究方法
4 研究デザイン
5 分析の結果
6 むすび
第20章 減価償却方法の変更に対する[桜井久勝]
株式市場の賢明度
1 序
2 誤導仮説と透視仮説
3 従来の研究
4 リサーチ・デザイン
5 実証結果
6 結 論
第21章 日本企業の配当余力と会計上の選択 [岡部孝好]
1 日本の会計へのアプローチ
2 政府の配当規制
3 市場の配当ルール
4 経営者行動の拘束力
5 会計政策の選択
6 経験的テスト
7 結 び
第22章 予想される税率変更に対する[鈴木一水・岡部孝好]
発生処理額の裁量的調整
1 はじめに
2 税務上の帰結と税務外の帰結
3 税務計画と財務報告の優先順位
4 税率の変化と税務計画
5 裁量行動と発生処理額
6 裁量的発生処理額
7 サンプルの選択とリサーチ・デザイン
8 分析結果の検討
9 結 び
■ 索 引
著者プロフィール
石塚 博司(いしづか ひろし)
2004年 早稲田大学教授から日本道路公団監事に転じ,
2005年 公団民営化に伴い中日本高速道路株式会社監査役(現職)
早稲田大学名誉教授