- 本の紹介
- 現在導入が検討されつつある包括利益と従来のボトムラインである純利益の業績指標としての優劣を持続性、予測可能性、投資リスク評価、価値関連性、利益調整の5つの実証分析手法で比較検討。
目次
包括利益の実証研究
目次
序
第1章 本書の目的と構成
第1節 本書の背景と目的
第2節 本書の構成
第2章 包括利益と純利益の比較―資産・負債アプローチと収益
・費用アプローチを手がかりとして
第1節 はじめに
第2節 包括利益小史
(1) FRS第3号
(2) SFAS第130号
(3) IAS第1号
(4) G4+1の特別報告書とポジション・ペーパー
(5) IASBとASBのジョイント・プロジェクト ……ほか
第3節 開示方式の分類とその他の包括利益
(1) 開示方式の分類
(2) その他の包括利益項目の構成要素
第4節 資産・負債アプローチと包括利益
第5節 収益・費用アプローチと純利益
第6節 本章の要約
第3章 包括利益と純利益の利益特性
―持続性と予測可能性の分析
第1節 はじめに
第2節 先行研究のレビュー
(1) 利益の持続性
(2) 残差分散に基づく予測可能性
(3) 将来利益の予測可能性
(4) 将来キャッシュ・フローの予測可能性
(5) 包括利益の持続性と予測可能性
第3節 仮説の設定と変数の定義
(1) 仮説と実証モデル
(2) 変数の定義
第4節 サンプルと記述統計量
第5節 主要な分析結果
第6節 追加分析
第7節 本章の発見事項と要約
第4章 包括利益と純利益による投資リスクの評価
第1節 はじめに
第2節 先行研究のレビュー
第3節 仮説の設定と変数の定義
(1) 仮説と実証モデル
(2) 変数の定義
第4節 サンプルと記述統計量
第5節 主要な分析結果
第6節 追加分析
第7節 本章の発見事項と要約
第5章 その他の包括利益の個別項目の増分情報内容に
関する研究
第1節 はじめに
第2節 金融商品の時価評価差額に関する実証研究
(1) SFAS第107号以前の研究
(2) SFAS第107号に基づく研究
(3) SFAS第115号に基づく研究
(4) SFAS第119号に基づく研究
(5) SFAS第133号に基づく研究
第3節 為替換算調整勘定に関する実証研究
第4節 再評価剰余金に関する実証研究
第5節 本章の要約
第6章 包括利益の相対的情報内容と増分情報内容に関する
研究
第1節 はじめに
第2節 分析アプローチの類型
第3節 包括利益の相対的情報内容
第4節 包括利益の増分情報内容
第5節 会計基準設定の影響
第6節 その他の国の研究
第7節 本章の要約
第7章 包括利益と純利益の価値関連性
第1節 はじめに
第2節 わが国の先行研究のレビュー
第3節 仮説の設定と実証モデル
第4節 サンプルと記述統計量
第5節 分析結果
(1) 全体サンプルに基づく分析結果
(2) 追加分析
第6節 本章の発見事項と要約
第8章 包括利益と純利益に関する経営者の利益調整行動
第1節 はじめに
第2節 先行研究のレビュー
第3節 仮説の設定と調査方法
第4節 サンプルと記述統計量
第5節 分析結果
(1) 損失回避行動の検証
(2) 減益回避行動の検証
(3) 追加分析
第6節 本章の発見事項と要約
第9章 利益調整行動からみた包括利益と純利益の価値関連性
第1節 はじめに
第2節 先行研究のレビュー
(1) 経営者の利益調整行動と会計発生高
(2) 裁量的発生高と価値関連性
(3) 経営者の利益平準化行動
第3節 仮説の設定と実証モデル
(1) 分析の枠組み
(2) 裁量的発生高の測定
(3) 利益平準化の測定
第4節 サンプルと記述統計量
第5節 分析結果
(1) 主要な分析結果
(2) 追加分析
第6節 本章の発見事項と要約
第10章 結論と展望
第1節 本書の発見事項
第2節 残された課題
参考文献
索 引
著者プロフィール
若林 公美(わかばやし ひろみ)
1995年 奈良県立商科大学(現 奈良県立大学)商学部卒業
2000年 神戸大学大学院経営学研究科博士課程後期課程修了
神戸大学より博士(経営学)の学位を取得
2000年 東京国際大学商学部専任講師
2003年 東京国際大学商学部助教授
2003年−2004年 ティルブルグ大学客員研究員(新渡戸フェローシップ)
2007年 甲南大学経営学部准教授
2009年 甲南大学経営学部教授(現在に至る)
[主要論文]
「包括利益に関する利益調整行動」『會計』第169巻第6号(2006年6月),42-52頁。
「包括利益と投資リスクの評価」『企業会計』第60巻第5号(2008年5月),123-129頁。