アメリカ会計理論発達史―資本主理論と近代会計学の成立

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桑原 正行

定価(紙 版):5,500円(税込)

発行日:2008/02/20
A5判 / 452頁
ISBN:978-4-502-28160-0

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本の紹介
20世紀初頭のアメリカ会計理論の発展を辿り資本主理論と企業実体概念との関係を考察。株主と経営者の分離や職業会計士の養成が近代会計学の形成に与えた影響にも着目した意欲作。

目次


アメリカ会計理論発達史
目次

 序 章 『アメリカ会計理論発達史』の目的と意義
  第1節 アメリカ簿記会計史研究の概要
  第2節 本書における研究アプローチの特徴
  第3節 先行研究における問題の所在と本書の章構成

第1部 複式簿記における資本主理論と企業実体概念
      ─資本主持分勘定の展開と損益計算

 第1章 複式簿記に関する歴史的背景と理論展開
       ─資本主持分勘定と損益勘定の関係
  第1節 複式簿記と会計理論における資本(勘定)の相違
  第2節 簿記会計教育と会計文献
  第3節 簿記史研究アプローチと20世紀初頭簿記論の特徴
  第4節 資本主持分勘定と損益勘定の関係─剰余金の意味

 第2章 資本主概念と資本等式の成立
       ─1900年代から第一次世界大戦までの簿記論
  第1節 1900年代の社会経済状況
  第2節 元帳アプローチと資本主概念─W. M. Coleにおける簿記論
  第3節 貸借対照表アプローチと資本等式の成立
        ─H. R. Hatfieldにおける簿記論
  第4節 第一次世界大戦前までの会計実務の特徴
  第5節 資本主概念と簿記の目的:財産管理計算

 第3章 資本主持分勘定の理論的展開と企業実体概念
       ─第一次世界大戦期における簿記論
  第1節 1910年代の社会経済状況
  第2節 損益分類思考の萌芽─P.-J. Esquerreにおける簿記論
  第3節 資本主持分勘定の細分化と企業実体概念
        ─S. Gilmanにおける簿記論
  第4節 資本等式と資本主持分勘定の分類
        ─R. B. Kesterにおける簿記論
  第5節 第一次世界大戦期における会計実務の特徴
  第6節 損益計算への移行段階と企業実体概念

 第4章 資本主理論批判としての持分概念と貸借対照表等式
       ─第一次世界大戦後における簿記論
  第1節 社会経済状況と会計状況
  第2節 Patonの業績とPrinciples of Accounting(1918)等の構成
  第3節 貸借対照表等式と費用・収益勘定の区分
  第4節 持分概念の意義と限界
  第5節 複式簿記と会計理論の理論的整合性
  第6節 第一次世界大戦後における会計実務の特徴
  第7節 複式簿記における資本主理論批判と営業利益の強調

 第5章 複式簿記における資本主理論の実質的意義
       ─簿記会計史的観点と企業実体理論との関係から
  第1節 資本主理論と企業実体理論
  第2節 会計主体論争における資本主理論の特徴
  第3節 簿記会計史研究における資本主理論の定義と問題点
  第4節 資本主理論に対する新たな解釈─簿記理論上の説明概念
  第5節 企業実体理論の実質的意義
  第6節 資本主持分勘定の展開と限界─資本と利益の区別
  第7節 複式簿記における普遍的概念としての資本主理論

 第6章 企業実体概念と企業経営的観点
       ─専門経営者から見た経営管理としての会計と
                                   会計士監査
  第1節 企業実体概念が主張されてきた社会経済的背景
  第2節 専門経営者の成立と経営管理意識
  第3節 職業会計士団体の設立とその発展
  第4節 職業会計士の役割と立場─監査業務と企業との関係
  第5節 企業経営的観点の重要性
  Appendix A 州公認会計士法の成立時期

 第7章 簿記会計教育と企業経営的観点
       ─職業会計士の養成から企業人養成としての教育へ
  第1節 簿記会計教育に関する歴史的研究の意義
  第2節 会計教育環境と大学教育機関の分類
  第3節 実務教育としての簿記会計─世紀転換期頃までの特徴
  第4節 ビジネス教育としての簿記会計
        ─1910年代後半以降の特徴
   第5節 企業(経営者)を意識した簿記会計教育

 補 章 経営管理目的と原価会計
       ─投下資本利子の原価算入問題を中心として
  第1節 経営管理意識と原価会計
  第2節 原価会計に対する財務会計論者の見解
  第3節 投下資本利子の原価算入問題─業績比較と経営管理
  第4節 原価管理を意識した企業経営的観点

第2部 近代会計学の成立と財務諸表の重点移行
      ─第一次世界大戦後に見られる会計理論の転換期

 第8章 貸借対照表的利益概念と配当可能利益
       ─第一次世界大戦前における利益概念と配当状況
  第1節 貸借対照表と損益計算書の関係
  第2節 社会経済的背景─企業合併と資本の水割り問題
  第3節 州会社法における配当規制と配当可能利益
  第4節 会計理論における利益概念─配当可能利益の重視
  第5節 会計実務における配当状況─1901年から1920年まで
  第6節 貸借対照表的利益概念としての剰余金
  Appendix B 1904年国際会計士会議における損益計算書の様式

 第9章 連邦所得課税制度と会計利益概念
       ─第一次世界大戦期における会計理論・実務への影響
  第1節 連邦所得課税制度と財務会計の関係
  第2節 戦費調達のための臨時的課税制度
        ─19世紀までの法律的特徴
  第3節 現金(収支)主義による所得計算─1909年法人免許税法
  第4節 連邦所得税法の成立
  第5節 会計基準に基づく所得計算─第一次世界大戦期
  第6節 所得概念の変遷と会計理論・実務への影響

 第10章 会計理論における利益概念と資本会計の展開
        ─第一次世界大戦後に見られる「資本と利益の区分」
  第1節 社会経済的背景─繁栄と1920年恐慌
  第2節 会計実務における経営管理と利益概念
  第3節 会計利益概念における「資本と利益の区分」
  第4節 資本会計における「資本と利益の区分」
        ─資本剰余金概念の成立
  第5節 1920年代会計実務における配当状況と配当可能利益
  第6節 第一次世界大戦後に見られる会計理論の転換期

 第11章 時価評価論と貸借対照表重視の観点
        ─第一次世界大戦後における近代会計学の成立
  第1節 貸借対照表重視の根拠としての時価評価論
  第2節 資産評価に対する一般的見解
  第3節 流動資産に対する理論と実務
  第4節 固定資産における減価概念と減価償却概念
  第5節 Patonにおける時価評価論と評価益概念
  第6節 価格水準の変動と貸借対照表における役割の変化
  第7節 時価評価論・貸借対照表重視の非相関性と時代区分

 第12章 貸借対照表における債権者重視思考の低下
        ─1920年代における銀行制度と企業財務構造の変化
  第1節 貸借対照表の役割と銀行制度
  第2節 銀行業における企業貸付の低下─1920年代の特徴
  第3節 企業における資産構成の変化─流動資産比率の減少
  第4節 企業における短期信用需要の低下
        ─負債・資本構成の変化
  第5節 短期を中心とする債権者重視思考の低下
  Appendix C 総資産に対する国法銀行の貸付・投資の割合

 結 章 資本主理論と近代会計学の成立
       ─20世紀初頭におけるアメリカ簿記会計学の特徴

  参考文献

  索  引


著者プロフィール 桑原 正行(くわばら まさゆき)
【略歴】
1970年12月  東京都八王子市にて出生
1995年3月  一橋大学商学部経営学科卒業
2000年3月  神戸大学大学院経営学研究科博士課程修了
         博士(経営学)(神戸大学)
2000年4月  香川大学経済学部講師
2001年5月  香川大学経済学部助教授
2004年4月  香川大学大学院地域マネジメント研究科助教授
2007年4月  香川大学大学院地域マネジメント研究科准教授,
         現在に至る



























著者紹介

桑原 正行(くわばら まさゆき)