- 本の紹介
- 日本の会計制度はつねに欧米の影響を受けながら、同時に日本の事情を織り込み日本型制度として確立してきた。1930年以降の主要資料・文献を渉猟し、会計規制の変遷とその論点を示す。
目次
「日本型」会計規制の変遷
目次
はじめに
第1章/産業合理化運動と商工省準則
1 標準貸借対照表等未定稿
(1)標準貸借対照表
(2)標準財産目録
(3)標準損益計算書
(4)固定資産減価償却準則
(5)資産評価準則
(6)原価計算基本準則
2 財務諸表準則等確定稿
(1)財務諸表準則
(2)財産評価準則
(3)製造原価計算準則
3 商工省準則のその後の影響
(1)財務諸表準則
(2)財産評価準則
(3)製造原価計算準則
(4)会計監査準則草案
4 ドイツ1931年改正株式法と昭和13年商法改正
〈資料1ー1〉「標準貸借対照表」雛形〔甲表〕(1930年)
〈資料1ー2〉「標準損益計算書」雛形〔B表〕(1931年)
〈資料2−1〉三菱商事株式会社「貸借対照表」(1930年)
〈資料2−2〉三菱商事株式会社「財産目録」(1930年)
〈資料3ー1〉「財務諸表準則」(1934年)貸借対照表雛形〔第1号表〕
〈資料3ー2〉同 損益計算書雛形〔第4号表〕
第2章/日独の価格統制の経緯
1 ドイツの価格統制の経緯
(1)間接的価格統制
(2)直接的価格統制
2 日本の価格統制の経緯
(1)日中戦争前期
(2)日中戦争後期
3 陸軍の経理統制
(1)会計監督第一期
(2)会計監督第二期
(3)会計監督第三期
4 「会社経理統制令」
(1)「会社経理統制令」制定の経緯と目的
(2)利益配当の統制及び給与の統制
(3)経費支出及び資金運用の統制
(4)経理に関する報告及び強制監査
5 統制会社および軍需会社
第3章/「会社経理統制令」前史としての陸軍の経理統制
1 陸軍軍需品工場事業場原価計算要綱
2 陸軍適正利潤率算定要領
3 陸軍軍需品工場事業場財務諸表準則
(1)貸借対照表準則
(2)損益計算書準則
(3)貸借対照表明細表作成要領
(4)損益計算書明細表作成要領
4 経理監査と能率監査
(1)経理監査の体系
(2)財務監査
(3)原価監査
(4)能率監査の体系
(5)財務能率監査
(6)経営能率監査
(7)原価能率監査
5 陸軍会計監督の機構と運用の実態
(1)会計監督の機構
(2)運用の実態
〈資料4ー1〉「経理及原価ニ関スル報告書類徴取要領」(1939年)
様式第8号貸借対照表
〈資料4ー2〉同様式 第10号損益計算書
〈資料5ー1〉「工場ニ於ケル内部監査制度組織図」(1942年)
第4章/「会社経理統制令」と
企画院「製造工業財務諸準則草案」
1 「会社経理統制令」の会計的意義
2 企画院「製造工業原価計算要綱草案」と
「原価計算規則」別冊「製造工業原価計算要綱」
(1)企画院「製造工業原価計算要綱草案」
(2)「原価計算規則」別冊「製造工業原価計算要綱」
(3)鉱業原価計算要綱
(4)改正「原価計算規則」
3 企画院「財務諸表準則草案」
(1)製造工業貸借対照表準則草案
(2)製造工業財産目録準則草案
(3)製造工業損益計算書準則草案
(4)企画院「財表準則草案」の意義
4 「会社固定資産償却規則」と大蔵省「財産評価準則案」
(1)会社固定資産償却規則
(2)大蔵省「財産評価準則案」
5 「会社経理統制令」と経理検査
〈資料6ー1〉企画院「製造工業貸借対照表草案」(1941年)雛形
〈資料6ー2〉企画院「製造工業財産目録草案」雛形
〈資料6ー3〉企画院「製造工業損益計算書草案」雛形
第5章/会計基準と商法計算規定の変遷
1 物価庁「製造工業原価計算要綱」
2 「工業会社及ビ商事会社ノ財務諸表作成ニ関スル指示書」と
昭和23年商法改正
(1)日米間の相違
(2)未払込資本金
3 「企業会計原則」と昭和25年商法改正
4 「会計監査基準懇談会」と会計制度監査
5 「商法調整意見書」と昭和37年,49年及び56年商法改正
(1)昭和37年改正商法
(2)昭和49年改正商法
(3)昭和56年商法改正
6 「商法と企業会計の調整に関する研究会報告書」と「会社法」及び
「会社計算規則」
〈資料7−1〉「工業会社及ビ商事会社ノ財務諸表作成ニ関スル指示
書」(1947年)貸借対照表雛形[C表]/266
結 び
■参考文献
■主要資料
■索 引
著者プロフィール
久保田 秀樹(くぼた ひでき)
1958年生まれ
1980年 関西学院大学商学部卒業
1982年 神戸大学大学院経営学研究科博士前期課程修了
1989年 滋賀大学助教授
1992年 文部省在外研究員として10ヵ月間研究従事(ドイツ・ザールラント大学)
1997年 文部省在外研究員として2ヵ月間研究従事(ドイツ・アウクスブルク大学)
神戸大学より博士(経営学)授与
2000年 滋賀大学教授
2004年 日本学術振興会特定国派遣事業によりドイツ経済監査士協会にて2ヵ月間研究従事
2006年 甲南大学経営学部教授。現在に至る。
[主要業績]
『市場経済の展開と発生主義会計の変容』滋賀大学経済学部研究叢書第26号,1996年
『日本型会計成立史』税務経理協会,2001年
『欧米制度の移植と日本型会計制度』滋賀大学経済学部研究叢書第41号,2005年
「会計規制のグローバル化に関する日独比較」『彦根論叢』第351号(2004年11月)
「商法計算・監査規定の近代化と『企業会計原則』」『会計』第168巻第4号(2005年10月)
「日独会計規制の限定的グローバル化の今後」『彦根論叢』第358号(2006年3月)