病院原価計算―医療制度適応への経営改革

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荒井 耕

定価(紙 版):3,960円(税込)

発行日:2009/01/14
A5判 / 324頁
ISBN:978-4-502-29060-2

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本の紹介
直観的な経営管理から原価情報に基づく業績管理や意思決定へと病院経営は変化しつつある。多様化する原価計算の実例をもとに、より洗練化されたシステムについて考察する。

目次


病院原価計算
医療制度適応への経営改革
目次

第Ⅰ部 日本病院界における原価計算の現状
 第1章 日本病院界における原価計算の史的展開
  1 概観
  2 政府・病院団体を中心とした病院原価計算の提唱期:『要綱』
    公表まで
  3 日本病院協会『病院原価計算要綱』公表以降の発達期:
     60年代末まで
  4 病院原価計算への関心が薄れた停滞期:70年代末まで
  5 実務界における病院原価計算への関心の再燃期:
     90年代半ばまで
 補論1 『病院原価計算要綱』の意義と新たな要綱及びマニュアルの
      必要性
  1 今日における『要綱』の意義と修正の方向性
  2 『要綱』の個別的修正点
  3 病院原価計算マニュアルの必要性

 第2章 原価計算の実施状況:実施率と実施依存度
  1 調査の概要
  2 全体としての状況
  3 病院属性別の状況
  4 経常的な部門別原価計算の実施状況

 第3章 日本病院界における原価計算の普及阻害要因と実施成功
       要因
  1 普及阻害要因
  2 実施成功要因
  3 最近の動向と阻害要因解消策
 補論2 医療経営を巡る医療職の思考枠組み
  1 伝統的な思考枠組みと新たな思考枠組み
  2 次世代医療職の思考枠組み

 第4章 日本病院界における原価計算実務の詳細な実態
  1 部門別原価計算の主な実施目的
  2 基本的な原価計算構造
  3 原価部門の責任センターとしての位置づけ
  4 対象原価要素
  5 配賦方法

 第5章 聖路加国際病院における部門別原価計算実務の展開:
       先進事例研究
  1 部門別原価計算の進展の概要
  2 部門別原価計算の構築・実施・改善に際する各部署の役割
  3 2000年までの部門別原価計算における原価部門・配賦基準
    ベースの詳細
  4 2000年の大規模な部門別原価計算洗練化
  5 2000年大改革後の原価部門・配賦基準ベースの詳細
  6 部門別原価計算情報の利用
  7 先進事例からの示唆

第Ⅱ部 病院原価計算の新たな展開
 第6章 病院原価計算対象の多様化
  1 多様化の進展:背景と現状
  2 診断群分類別原価計算の先進事例:聖路加国際病院の患者別
     ・DPC 別原価計算
  3 部門内各種サービス別原価計算の先進事例:X病院の検査種類
     別及び手術種類別原価計算
  4 経常的な部門別原価計算のさらなる普及

 第7章 病院原価計算対象の同質性の検証:
       サービス種類区分設定の妥当性評価
  1 医療サービスの高い定型化困難度:同質性確保の困難性
  2 原価計算対象としての手術種類区分の妥当性評価
  3 原価計算対象としての検査種類区分の妥当性評価

 第8章 病院原価計算の簡便法の検証:RCC法と外部RVU 法の
       妥当性評価
  1 病院界とRCC 法及び外部RVU法
  2 手術領域へのRCC 法適用の妥当性評価
  3 手術領域への外部RVU 法適用の妥当性評価
 補論3 2つの「原価」体系の一致度と価格体系の現状
  1 研究枠組み
  2 各相対係数の算出方法
  3 分析方法:各種一致度及び倍率の算出方法
  4 実際消費資源額体系と技術力評価額体系の一致度と価格設定
     における両体系の考慮状況

 第9章 病院原価計算の洗練化の方向性と必要性
  1 正確性の向上:RCC 法からABC へ
  2 目的適合性の向上
  3 影響機能の考慮:経営管理システムとしての理解へ
  4 原価計算対象の同質性確保:支払単位設定者としての政府の
     努力の必要性
  5 医療制度適応への経営変革を可能にする原価計算洗練化
 補論4 公立病院における政策医療・一般医療区分原価計算の
      必要性
  1 必要性の背景
  2 政策医療関連原価と一般医療関連原価
  3 政策医療・一般医療区分原価計算の必要性
  4 政策医療・一般医療区分原価計算の方法試案

  参考文献

  索  引


著者プロフィール 荒井 耕(あらい こう)
一橋大学大学院商学研究科准教授
1971年 東京都生まれ
1994年 一橋大学商学部卒業
2001年 富士総合研究所勤務,一橋大学大学院商学研究科修士課程
を経て,一橋大学大学院商学研究科博士課程修了 博士(商学)取得
大阪市立大学大学院経営学研究科専任講師,助教授,准教授を経て,
2008年 一橋大学大学院商学研究科准教授,現在に至る
専門分野:管理会計,原価計算,医療管理会計,公会計

主要著書・論文
『医療バランスト・スコアカード:英米の展開と日本の挑戦』中央経済社,2005年5月(日本原価計算研究学会 学会賞受賞)
『医療原価計算:先駆的な英米医療界からの示唆』中央経済社,2007年2月(日本会計研究学会 太田・黒澤賞受賞)
Reforming Hospital Costing Practices in Japan : An Implementation Study, Financial Accountability & Management, Vol. 22, No. 4, November 2006.
「医療から考察したサービス業の原価計算」『會計』171⑵,2007 他多数


























著者紹介

荒井 耕(あらい こう)
[プロフィール]
一橋大学大学院経営管理研究科教授

1994年 一橋大学商学部卒業
2001年 富士総合研究所勤務を経て,一橋大学大学院商学研究科博士課程修了 博士(商学)取得
    大阪市立大学大学院経営研究科専任講師,助教授,准教授を経て,
2008年 一橋大学大学院商学研究科准教授
2012年 一橋大学大学院商学研究科教授,現在に至る
    中央社会保険医療協議会公益委員(2015年~2021年)
    厚生労働省・医療法人の経営情報のデータベースの在り方に関する検討会・座長代理(2022年)
専門分野:管理会計,原価計算,医療管理会計,公会計

[主な著作]
『医療バランスト・スコアカード:英米の展開と日本の挑戦』中央経済社,2005年5月(日本原価計算研究学会 学会賞受賞)
『医療原価計算:先駆的な英米医療界からの示唆』中央経済社,2007年2月(日本会計研究学会太田・黒澤賞受賞)
『病院原価計算:医療制度適応への経営改革』中央経済社,2009年1月(日本管理会計学会・文献賞受賞)
『医療サービス価値企画:診療プロトコル開発による費用対成果の追求』中央経済社,2011年7月
『病院管理会計:持続的経営による地域医療への貢献』中央経済社,2013年11月(日本公認会計士協会学術賞-MCS賞受賞)
『病院管理会計の効果検証:質が高く効率的な医療の実現に向けて』中央経済社,2019年9月
『診療所の財務実態:多角化・多拠点化の財務的効果』中央経済社,2020年1月
『病院の財務実態:多角経営時代の医療法人』中央経済社,2021年1月