- 本の紹介
- 本書は、EUの公式文書をもとに、会計指令、国際会計基準、監査、税務等の問題を歴史的、体系的、かつ相互関連的に考察し、ヨーロッパにおける会計規制の現状を解明する。
- 担当編集者コメント
- “移り行くヨーロッパ、その企業と会計のゆくえは?”
ヨーロッパの企業、会計(基準)指令、国際会計基準、中小企業の会計等の問題を歴史的、体系的、かつ相互関連的に考察し、会計規制の現状を解明する研究書です。
<本書の趣旨>
ヨーロッパ統合化の動きに合わせて1970年代から1980年代、第4号指令(年度決算書の作成)、第7号指令(連結決算書の作成)等の会計指令が成立し、構成国はかかる会計指令を国内法に変換しなければなりませんでした。さらに、EUは2005年から上場企業の連結決算書に国際会計基準を強制適用しています。このように、EUではおよそ30年以上も前から、域内に共通する会計基準を適用するという経験を有し、会計基準指令と国際会計基準という2つの共通する会計基準が域内に並存しています。
それでは、第4号指令や第7号指令は現在、どのような規定になっているか、また、EUが決定する会計指令と国際会計基準委員会が決定する国際会計基準との間に矛盾・齟齬は生じないのか。さらに、監査、中小企業の会計、共通税制等、会計に関連してさまざまな問題が生じています。
本書は、EUの公式文書によりながら、会計に関連する問題、とりわけ会計(基準)指令、国際会計基準、監査、税務等の問題を歴史的、体系的、かつ相互関連的に考察し、ヨーロッパにおける会計規制の現状を明らかにしています。
<本書の特徴>
➊EUは毎年、多くの規則、指令、勧告等を公表しています。これら関係する資料を逐一、読むようにしています。原資料を読み、規定を確認することにより、かかる議論に信憑性をもたせることができます。
❷本書は会計に関連する規則、指令を中心に論じていますが、これら規則、指令の成立から現在までを追究しています。これにより、EUはその時々の課題にどのように取り組んできたか、あるいは指令がどのように改正されていくかを明らかにしています。
❸第4号指令、第7号指令、第8号指令(監査)の三つの指令は会計指令とも呼ばれていました。会計指令に加えて企業形態、会社組織の再編、さらに最近、よく論じられている国際会計基準、中小企業の会計、共通税制等も取り上げています。このように対象領域を拡大し、ヨーロッパにおける会計規制の全体像を明らかにしています。
〇Contents
序 章 ヨーロッパ統合の現状
第1章 ヨーロッパの企業
第2章 資本維持
第3章 会社組織の再編
第4章 決算書
第5章 監査
第6章 国際会計基準
第7章 中小企業の会計
第8章 共通税制
終 章 結論と課題
目次にみられるように、制度について詳細に検討されています。
研究等に際し、ヨーロッパの状況を知る上で非常に貴重な文献だと思います。
ぜひぜひご覧ください!