ステークホルダー・キャピタリズム時代のコーポレートガバナンス
- 書籍品切れ中
- 本の紹介
- 株主利益至上主義への対立軸として、ESG投資に代表されるステークホルダー重視の経営が注目されるなか、国内外で公表した諸論考に加筆し、書き下ろしを加えた論文集。
目次
ステークホルダー・キャピタリズム時代の
コーポレートガバナンス
目次
1コーポレートガバナンスにおける今日的課題(序説)
Ⅰ.問題の所在
Ⅱ.CSR と企業倫理
Ⅲ.アメリカ
Ⅳ.イギリス
Ⅴ.日 本
Ⅵ.個別論点
Ⅶ.結びに代えて
2 コーポレートガバナンスの規範的検討
Ⅰ.はじめに
Ⅱ.経済理論の会社概念の捉え方
Ⅲ.会社法の性格
Ⅳ.アメリカ会社法の歴史と経路依存性
Ⅴ.コーポレートガバナンスをどのように分析するのか
―今後の課題
3 イギリス2006年会社法における取締役の責任
―会社の成功促進義務を中心として―
Ⅰ.はじめに
Ⅱ.法170条(取締役の一般的義務)について
Ⅲ.法172条(会社成功促進義務)について
Ⅳ.啓発された株主価値(Enlightened Shareholder Value)
および多元的アプローチ(Pluralist Approach)
V.取締役の一般的義務と非受託者的義務
Ⅵ.法172条と417条(事業報告)との関係
Ⅶ.私的エンフォースメント
Ⅶ.小 括
4 取締役会の実効性評価
Ⅰ.はじめに
Ⅱ.アメリカ
Ⅲ.イギリス
Ⅳ.日 本
Ⅴ.検 討
Ⅵ.結びに代えて
5 役員報酬とコーポレートガバナンス
―clawback 条項を手掛かりとして―
Ⅰ.日本の役員報酬制度の概要
Ⅱ.アメリカ
Ⅲ.イギリス
Ⅳ.EU
Ⅴ.日本への示唆
Ⅵ.まとめに代えて
6 パッシブな機関投資家の出現によるスチュワードシップへの
影響
Ⅰ.はじめに
Ⅱ.機関投資家の概観
Ⅲ.イギリススチュワードシップコード
Ⅳ.日本版スチュワードシップコード
Ⅴ.年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)
Ⅵ.アメリカのスチュワードシップの現状
Ⅶ.我が国スチュワードシップへの示唆
Ⅷ.結びに代えて
7 機関投資家による水平的株式保有と反トラスト法
―競争法とコーポレートガバナンスの交錯―
Ⅰ.はじめに
Ⅱ.問題の所在
Ⅲ.日米競争法の枠組み
Ⅳ.コモンオーナーシップ論
Ⅴ.コモンオーナーシップ論への批判
Ⅵ.まとめ
8 企業の社会的責任(CSR)の法的位置付け
Ⅰ.問題提起
Ⅱ.Elhauge の「公共の利益」論について
Ⅲ.Blair & Stout のチームプロダクション理論について
Ⅳ.イギリス2006年会社法について
Ⅴ.分析と小括
9 ESG投資
Ⅰ.総 論
Ⅱ.イギリス
Ⅲ.アメリカ
Ⅳ.日 本
Ⅴ.受託者責任とESG 投資
Ⅵ.おわりに
10 Reforms of Corporate Governance:
Competing Models and Emerging Trends in the United Kingdom and The European Union
Ⅰ.Introduction
Ⅱ.Background: Two Views of The Corporation
Ⅲ.Monitoring and Management Functions
Ⅳ.A Proposal for Corporate Governance Reforms: Enlightened Shareholder Value Model
Ⅴ.Other Progress
Ⅵ.E.U. Corporate Reform
Ⅶ.Conclusion
11 For Institutional Investors, the Alternative of“ Exit
or Voice,” or “Empowerment or Engagement” in the
United States and the United Kingdom
Ⅰ.Introduction
Ⅱ.Berle and Means’ Model to Blockholders’ Era
Ⅲ.Exit/Voice
Ⅳ.Empowerment or Engagement
Ⅴ.Institutional Investors’ Conflicts of Interest and Fiduciary
Duties
Ⅵ.Regulation Fair Disclosure
Ⅶ.Proxy Advisory
Ⅷ.Conclusion
著者プロフィール
【著者紹介】
大塚 章男(おおつか・あきお)
専門 国際企業法・会社法
1984年 一橋大学法学部卒業
1986年 弁護士登録(第一東京弁護士会)。以降渉外法務・企業法務に携わる
1990年 サザン・メソジスト大学法学修士課程修了LL.M.
1991年 サザン・メソジスト大学経営学修士課程修了 MBA
2001年 筑波大学大学院修了 博士(法学)
2005年 筑波大学教授〔現在〕
2013年 筑波大学ビジネス科学研究科法曹専攻長(2015年まで)
2018年 筑波大学大学院ビジネス科学研究科長(2020年まで)
主要論文(本論文集掲載の論文のほかに):
Can The World’s Largest Pension Fund, Japan’s GPIF, Be A Responsible Steward?
Stewardship Responsibility As Asset Owner, 9 J. Govern. & Reg. 44( 2020).
「会社法と抵触法の交錯」『国際取引法学会年報』第1巻80頁( 2016)
「少数株主の締め出しと株主平等原則に関する一考察(上)(下)」旬刊商事法務1878号(2009)31頁,1879号(2009)24頁
「スクイーズアウトにおける「事業目的基準」の有用性」筑波ロー・ジャーナル2 号(2007)15頁
主要著書:
『法学から考えるESG による投資と経営』(同文舘出版,2021)
『国際取引における準拠法・裁判管轄・仲裁の基礎知識』(中央経済社,2019)
『事例で解く国際取引訴訟―国際取引法・国際私法・国際民事訴訟法への総合アプローチ―(第2 版)』(日本評論社,2018)
『英文契約書の理論と実務』(中央経済社,2017)
他多数