非営利組織会計の基礎概念―利益測定の計算構造と財務報告
- 本の紹介
- 非営利組織を管轄する省庁や自治体は、管理しやすい会計基準を各々が制定している。事業会社の純利益と純資産の概念の違いを明確にすることが基準統一への端緒と考える。
目次
非営利組織会計の基礎概念
––利益測定の計算構造と財務報告
目次
まえがき
序章 研究の意義・目的・方法と研究対象
第1節 今日の経済・社会情勢と非営利組織会計
第2節 我が国における非営利組織会計の先行研究と
本研究の意義・目的
第3節 本書の構成
第4節 研究の方法・対象・アプローチと財務情報利用者
第1章 提供すべき情報と純資産の区分
はじめに
第1節 財務情報利用者のニーズと提供すべき情報
第2節 純資産の区分と拘束がある純資産の意義
第3節 純資産の区分変更が及ぼす情報価値への影響
おわりに
第2章 拘束概念の適合性評価
はじめに
第1節 FASB非営利組織会計概念の検討
第2節 我が国の非営利組織会計概念・基準の検討
第3節 概念の整理と疑問点の抽出
おわりに
第3章 アンソニー概念フレームワークと
非営利組織会計観
はじめに
第1節 アンソニーの純資産概念と営利・非営利会計
第2節 アンソニー概念の計算構造と非営利組織会計
第3節 アンソニー概念と営利・非営利統一会計概念形成への道筋
おわりに
第4章 非営利組織における純利益測定の意義
はじめに
第1節 非営利組織の会計観と純利益
第2節 非営利組織の純利益と情報の有用性
第3節 非営利組織会計の役割
第4節 非営利組織の業績評価
おわりに
第5章 非営利組織会計における利益測定法
―アンソニー概念とFASB概念を融合した2段階分類法の提案―
はじめに
第1節 アンソニー報告書の意義
第2節 FASB・アンソニー会計概念の対立
第3節 FASB概念下での利益測定可能性の検証
第4節 拘束概念とアンソニー利益測定観の融合
おわりに
第6章 JICPA非営利組織会計概念・モデル基準の検討
はじめに
第1節 概念・モデル基準の財務諸表
第2節 FASBの非営利組織会計
第3節 JICPAの判断
第4節 相違点の検討
おわりに
第7章 非営利組織財務報告の基礎概念
―JICPAモデルとアンソニー・FASB融合モデルとの比較検討―
はじめに
第1節 財務報告の目的と提供すべき情報
第2節 非営利組織の純利益
第3節 活動計算書の純利益
第4節 数値検証によるJICPAモデルと融合モデルの比較検討
第5節 サービス提供継続能力・財務的弾力性・受託責任情報の
比較検証と各非営利組織の純資産概念変更への対応
おわりに
結章 総括および今後の課題と展望
はじめに
第1節 総 括
第2節 基礎概念仮説の修正・整理と財務諸表の構成要素
第3節 今後の課題と展望
おわりに
補章 アンソニー会計概念を取り入れた営利・
非営利統一の会計制度構築
―利子コストの会計処理を中心として―
はじめに
第1節 株主持分と主体持分の会計的課題
第2節 利子コスト(持分利子)の会計処理
第3節 会計概念・会計処理の修正
おわりに
著者プロフィール
《著者紹介》
日野 修造(ひの しゅうぞう)
中村学園大学流通科学部教授
1963年福岡県生まれ
福岡大学商学部商学科卒業
北九州大学大学院経済学研究科修士課程修了
京都大学大学院経済学研究科経済学専攻博士課程後期修了
京都大学博士(経済学)
[主な著書]
『企業会計の伝達と応用』(共著),五絃舎,2007年
『企業会計の基礎』(共著),中央経済社,2009年
『簿記会計入門』(編著),五絃舎,2013年
『演習簿記会計入門』(共著),五絃舎,2014年
『ビギナーのための会計学』(共著),創世社,2014年
『非営利組織体財務報告論―財務的生存力情報の開示と資金調達―』中央経済社,2016年
『複式簿記概説―財務報告の方法と論理―』(共著),五絃舎,2020年
『現代の簿記論』(共著),税務経理協会,2021年