地銀“生き残り”のビジネスモデル―5つの類型とそれらを支えるDX

デロイト トーマツ コンサルティング 監修
武元 亮 編著
梅津 翔太 編著

定価(紙 版):2,750円(税込)

発行日:2022/04/22
A5判 / 220頁
ISBN:978-4-502-42011-5

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本の紹介
厳しい競争環境の中、10年後の地銀のとるべき方向性をビジネスモデル仮説として類型化し、実現のポイントを検証するとともに、優位性の確立を狙うDXの要諦を解き明かす。

目次

はじめに 

第1章 地銀を取り巻く情勢と近年の動向
 第1節 国内地銀の現状
  (1) 外部環境 
    ① Politics/政治 
    ② Economy/経済 
    ③ Society/社会 
    ④ Technology/技術 
  (2) 経営状況 
    ① コア業務純益・当期純利益 
    ② コア業務粗利益 
    ③ 経  費 
  (3) 今後の取り組みの方向性 
 第2節 海外の銀行の現状
  (1) 外国の銀行の現状 
    ① 顧客の間口拡大 
    ② 顧客接点の支配 
    ③ 分析・洞察と収益化(データ収益化) 
    ④ 顧客体験向上への還元 
  (2) 変革のポイント 
    ① 業界を超えた収益機会の探索 
    ② 外部との価値共創 
    ③ 小さく始め,大きく育てる 
    ④ Agile/DevOps 
    ⑤ 内製化 
    ⑥ API/マイクロサービス 
  (3) 変革の余力を生み出す取り組み 
  (4) 国内地銀への示唆 

第2章 10年後の地域経済と金融機能
 第1節 10年後の地域経済
  (1) わが国人口動態の見通し 
  (2) 地銀経営における地域の捉え方と人口動態のインパクト 
  (3) 県単位で見た人口動態の地銀にとっての意味 
  (4) 県内GDPの維持・向上に不可欠なポートフォリオ・アプローチと行政の限界 
  (5) 県内経済活動のポートフォリオ・マネジメントにおける地銀の役割 
  (6) 県内経済活動のポートフォリオ・マネジメント実現に向けた県行政とのパートナーシップの方向性 
 第2節 10年後の地域における金融機能
  (1) 10年後の地銀を取り巻く環境 
  (2) オープンバンキングのトレンド 
    ① オープンバンキングの世界観とは 
    ② オープンバンキングの世界での戦い方とは 
  (3) 10年後に地銀に求められる機能 

第3章 10年後の地銀がとるべき方向性
 第1節 地銀が目指すべき方向性
  (1) 地銀がビジネスモデルを変革する必要性 
  (2) 地銀のとりうるビジネスモデル 
  (3) 目指すビジネスモデルを構築・実現する際のポイント 
  (4) 地銀のオペレーティングモデル
 第2節 地域プラットフォーマー型フルバンクとは
  (1) コンセプト・ビジネスモデル 
  (2) 提供価値 
    ① プラットフォーマーとしての地域支援 
    ② 非金融サービスの提供 
    ③ 高度な金融機能の提供 
  (3) 地域支援のイメージ 
    ① 全体像 
    ② 地銀グループ内 
    ③ 地域プラットフォーム・協業先 
    ④ 法人顧客 
    ⑤ 個人顧客 
  (4) ビジネスモデルを支える体制(目指す姿) 
    ① どのような体制を構築する必要があるか 
    ② ビジネス 
    ③ オペレーション 
    ④ IT・データ 
    ⑤ 組織・人材 
  (5) 中小地銀はどう対応すべきか 
    ① 地域への関与度 
    ② ビジネス 
    ③ 組織・人材 
 第3節 筋肉質従来型フルバンクとは
  (1) コンセプト・ビジネスモデル 
  (2) コスト構造改革のアプローチ(ボトムライン) 
    ① 人件費 
    ② 物件費 
    ③ 税金(補助金を含む) 
    ④ その他 
  (3)  地銀に係るプロダクト例とホットスポット(トップライン) 
    ① 法人向け 
    ② 個人向け 
    ③ 市場部門 
 第4節 軽量型フルバンクとは
  (1) コンセプト・ビジネスモデル 
  (2) システムコストの抜本的な削減 
  (3) アーキテクチャ 
  (4) 業務イメージ 
 第5節 専門型バンクとは
  (1) コンセプト・ビジネスモデル 
  (2) 法人注力型 
    ① コンセプト 
    ② 実現のポイント 
    ③ 事  例 
  (3) 個人富裕層注力型 
    ① コンセプト 
    ② 実現のポイント 
    ③ 事  例 
  (4) 個人マス層注力型 
    ① コンセプト 
    ② 実現のポイント 
    ③ 事  例 
 第6節 看板維持型フルバンクとは
  (1) コンセプト・ビジネスモデル 
    ① 対顧客ビジネス 
    ② 行内体制 
    ③ スキーム 
  (2) 本モデルに至る背景 
    コラム: デジタルバンクのビジネスモデルをどう捉えるべきか? 
     (1)デジタルバンクとは 
     (2)デジタルバンクのビジネスモデル 
     (3)デジタルバンクを支える体制 
     (4)デジタルバンクを実現するシステム 
       ① システムアーキテクチャの変遷 
       ② 勘定系の分類 
       ③ アーキテクチャ方式と勘定系世代の組み合わせによる,3つの類型と特徴 
       ④ Deloitte Alpha Platform 

第4章 今地銀は何を備えるべきか
 第1節 新たな経営の考え方は
  (1) 未知に立ち向かうZoom out/Zoom inによる経営 
  (2) 経営の考え方のトレンド 
  (3) 経営戦略の考え方とは 
 第2節  地銀が行うべきデジタルトランスフォーメーション
   (DX)
  (1) DXとは 
    ① デジタル化(Digitalization)とDX(Business Transformationwith Digital)の違い 
    ② 地銀がすべきDXとは 
    ③ DX戦略とは 
  (2) ビジネス領域 
    ① 次世代営業の考え方 
    ② 金融機関のリーンスタートアップ 
  (3) オペレーション領域 
    ① オペレーション領域 
    ② オペレーション領域の将来像 
  (4) データ領域 
    ① 「データの民主化」を目指せ 
    ② データ利活用の促進はビジネスドリブンで 
  (5) システム領域 
    ① 地銀におけるシステム領域の現況と課題 
    ② IT戦略のあり方 
    ③ システム領域の具体課題と方向性 
  (6) 組織・人事領域の変革 
    ① 人材調達のカギは社内に埋もれている人材のリ・スキル 
    ② 社内デジタル人材候補の見つけ方 
    ③ デジタル人材の素養とは 
    ④ デジタル人材をリテンション・アトラクションするための戦略 
  (7) 変革を成功裏に進めるには 
    ① DX変革のための7つのポイント 
    ② DX変革の進め方 
  (8) 地銀業界における再編の捉え方 
    ① これまでの地銀における経営統合・企業再編の位置づけ 
    ② 昨今の地銀の経営統合・企業再編に向けた機運 
    ③ 地銀のさらなる成長・生き残りに向けた経営統合・企業再編の活用 

おわりに 

著者紹介

デロイト トーマツ コンサルティング(でろいと とーまつ こんさるてぃんぐ)
[プロフィール]
デロイト トーマツコンサルティング合同会社は,戦略立案から実行まで一貫した,End to Endのコンサルティングサービスを約4,000名のコンサルタントにより提供しています。
デロイト トーマツグループの主要法人として,グループの多様なプロフェッショナルとのシナジーにより日本企業の複合的課題を解決しながら,経済社会の変革を加速するカタリストの役割を果たすことを目指しています。また,プロフェッショナルのグローバルネットワークであるDeloitte(デロイト)の日本でのコンサルティングサービスを担っており,全世界のメンバーファームと連携しながら,組織・機能,インダストリー・セクターなどに対応した幅広いサービスを日本はもとより世界各地で最適な形で提供しています。

武元 亮(たけもと あきら)
[プロフィール]
執行役員 パートナー

メガバンク,外資系金融,コンサルティングファームを経て現職。長年の金融実務経験とコンサルティング経験を通じて広範な金融バリューチェーンに精通している。新規ビジネスモデル構築,競争戦略,コアバンキングおよびビジネストランスフォーメーションに係る構想策定から実装支援まで多数のプロジェクトをリード。

梅津 翔太(うめづ しょうた)
[プロフィール]
外資系戦略コンサルティング会社を経て現職。金融業界を中心に,中期・長期経営計画策定,DX戦略策定・実行,新規事業立案,営業戦略立案,業務改革等,幅広いテーマのプロジェクトに従事している。銀行・証券部門内での戦略チーム(BCM Strategy)のリードも務める。
また,『デジタル起点の金融経営変革』『地銀“生き残り"のビジネスモデル』(中央経済社)においても,全体監修を実施。