- 本の紹介
- 研究者として一橋大学等で教鞭をとり、公職においても貢献の大きい水野忠恒先生の古稀を祝賀し、関係の深い40名が論文を献呈。最新の学問的関心を反映した論考を収録する。
目次
第 1 編 租税法総論
租税条約における所得の人的帰属と受益者要件
―2019年イタリア最高裁日本年金基金事件判決(IT: Corte di Cassazione,
30.Sept.2019, Decision No.24287)を検討して― 阿部 雪子
租税条約における解釈のあり方
―パートナーシップ報告書によるパラダイム・シフト― 今村 隆
地方税法における法定外税の役割と限界 岩﨑 政明
労働法上の出向の法理と法人税法・所得税法の課税関係 占部 裕典
EU におけるプライバシー権保護・データ保護法制と租税情報の交換 漆 さき
税務大学校における専門教育の動向
―税務行政の新しい課題との関連において― 川北 力
EBPM におけるエビデンス創出に関する理論的検討 小泉 めぐみ
租税条約における性質決定の抵触―ニュー・アプローチの誕生と展開― 坂巻 綾望
分散型台帳技術が税務行政に及ぼす影響 柴 由花
外国保険会社の保険代理人の恒久的施設該当性 辻 美枝
財政と社会保障政策
―医療・介護の給付構造と財政との関係― 手塚 貴大
試験研究費と研究開発税制の意義 濵田 洋
詐害行為取消権の行使の効果と課税関係―債権法改正をふまえて― 水野 惠子
〔特別寄稿〕
研究ノート
ドイツの租税法学とアメリカの租税法学
―シェーンの二論文に触発されて― 村井 正
第 2 編 租税実体法
ポスト BEPS における日本の移転価格税制―回顧と展望― 赤松 晃
アメリカ合衆国における無形資産の移転価格税制―Coca-Cola Co. 事件およ
び Medtronic,Inc. 事件を素材として― 池脇 信一郎
法人税法132条の 2 の射程と課題
―TPR 事件東京高裁判決及び PGM 事件を素材として― 太田 洋
資力喪失による債務免除と源泉徴収義務 奥谷 健
法人税法と社会福祉法人の高齢者住まい事業―租税法と社会保障法の交錯― 加藤 友佳
所得税法上の「居住者」該当性についての一考察―東京高裁令和元年11月27
日判決・東京地裁令和元年 5 月30日判決を素材として― 小林 宏之
租税法における相続財産法人の「法人」該当性 酒井 克彦
米国法人所得課税における非対称的扱いの再検討 酒井 貴子
暗号資産に対する出国税課税 酒井 春花
無償取得資産の取得費 渋谷 雅弘
外国事業体における剰余金の配当と分配について
―アメリカ合衆国における法人と LLC の検討を中心に― 高浜 智輝
みなし配当課税と株式譲渡益課税 錦織 康高
信託と消費税 西山 由美
デジタル課税と残余利益分割法 藤枝 純
グループ通算制度について 増井 良啓
クロス・ボーダー現物出資と課税権の喪失―日独比較法の観点から― 宮本 十至子
第 3 編 行政法
行政不服審査法の 5 年見直しについて 高橋 滋
地方税賦課決定処分と理由の提示 田中 良弘
行政調査手続について 濱西 隆男
水素エネルギー利用の立法的課題―ドイツの動向から― 山田 洋
第 4 編 会 計
収益認識基準の展開―資産負債中心観における収益認識― 浅野 千鶴
国庫補助金をめぐる会計の変遷と今後の展望 石津 寿惠
カーボンプライシングの諸相 千葉 貴律
会計専門職におけるジェンダー研究のレビュー 長野 史麻 細田 雅洋
企業経営におけるモメンタムの有効性―A new approach to momentum
accounting ― 平屋 伸洋
水野忠恒先生 略歴および主要著作目録
あとがき