幸福感と年金制度

佐々木 一郎

定価(紙 版):2,860円(税込)

発行日:2022/07/14
A5判 / 200頁
ISBN:978-4-502-42471-7

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本の紹介
老後を安心して豊かに暮らすには、低年金の予防方法、年金を増やす仕組みを基礎から理解することが重要であり、基本的な年金リテラシーが不足している実態や諸課題を解明。

目次

はしがき

序 章 幸福になるにはどのような年金制度がよいか
―人生100年時代の年金制度と年金リテラシーの諸課題―
 1 問題の所在
 2 年金制度が揺らぎやすい社会経済的背景と低年金問題,年金知識の重要性
 3 本書の目的
 4 本書の特徴
 5 本書の構成・要約

第1部 幸福度の要因分析 ―年金・保険・奨学金と幸福度―
第1章 年金・老後経済不安と幸福度

 1 どのような年金制度にすれば幸福感・老後安心感は高まるのか
 2 先行研究
 3 方 法
 4 公的年金の予想月額が幸福度・老後経済不安に及ぼす影響の分析
 5 年金政策と幸福度・老後経済不安
 6 ま と め

第2章 共済・保険と幸福度
 1 共済・保険の加入は幸福度を高めるか
 2 先行研究
 3 デ ー タ
 4 共済・保険の加入決定に影響する要因の分析
 5 共済・保険と幸福度
 6 ま と め

第3章 奨学金と幸福度
 1 奨学金は幸福度にどのように影響しているのか
 2 奨学金と幸福度に関する先行研究
 3 方 法
 4 分析結果
 5 奨学金の利活用と奨学金リテラシー向上の重要性
 6 ま と め

第4章 家族内の仕送り・生活資金援助の分析
 1 高齢世代の年金が勤労世代の低収入を支える社会経済状況
 2 先行研究:生前贈与・遺贈の動機
 3 方 法
 4 分析結果:低収入・非正規雇用・年金未納・奨学金滞納の場合,資金援助が多い
 5 考察:雇用・社会保障全体等の視点からの社会的対応の重要性
 6 ま と め

第2部 年金リテラシーの研究 -年金知識不足と低年金・老後生活資金不足のリスク
第5章 新型コロナ問題と年金リテラシー不足・低年金リスク

 1 新型コロナ問題が年金制度に投げかける諸課題
 2 先行研究
 3 国民年金保険料の免除・納付猶予・未納と無貯蓄・老後資金無計画の分析
 4 新型コロナ問題と年金知識不足,老後の低年金問題
 5 家計と国の対応

第6章 イデコと老後の年金格差拡大
 1 老後の年金格差と老後資金不足
 2 イデコは低年金をどこまで補強できるか
 3 先行研究
 4 方 法
 5 分析結果
 6 考 察
 7 ま と め

第7章 年金知識不足の人々の特徴
 1 普及が進みにくい年金リテラシーの研究・教育
 2 先行研究
 3 方 法
 4 分析結果
 5 年金と金融のリテラシーを融合した教育の重要性
 6 ま と め

第8章 繰下げ受給の年金知識不足
―なぜ70歳年金受給は少ないのか,どのような人々が70歳を
 超えても高齢就労しているのか―
 1 何歳まで働き,何歳から年金を受給するか
 2 先行研究
 3 本章の目的
 4 方 法
 5 分析結果
 6 老後状況の変化と使いやすい年金制度
 7 年金教育への示唆
 8 ま と め

終 章 幸福な年金制度の設計に向けて
 1 本書の主要な結論
 2 年金教育の重要性
 3 幸福度と年金制度をめぐる新研究テーマ

著者紹介

佐々木 一郎(ささき いちろう)
[プロフィール]
同志社大学商学部教授。
山口大学経済学部卒業。
神戸大学大学院経営学研究科博士課程修了。博士(経営学)。
京都大学大学院医学研究科社会健康医学系専攻博士後期課程修了。博士(社会健康医学)。

専攻:経営学,年金論,保険論,健康医学。

兼任:慶應義塾大学経済学部訪問教授。
   京都大学大学院医学研究科医療経済学分野客員研究員。

委員等:厚生労働省社会保障審議会臨時委員,年金綜合研究所主任研究員等を務めた。