- 本の紹介
- 企業価値を高めることに成功している企業は何をしているのか? ソニー、オムロン、味の素、ユニ・チャーム、キリンホールディングス、サイボウズなどの先進企業事例を紹介。
目次
はじめに
序 章 何故日本企業の企業価値は高まらないのか?
1 日本企業の企業価値が高まらない原因の考察
1 米国企業に比較して低い日本企業の時価総額
2 日本企業における企業価値低下の要因
2 本書における企業価値向上に向けた考察の方向性
1 経営理念からパーパス経営への進化
2 変化対応力を高めるレジリエンス経営
3 ビジョンとバックキャスティングによる戦略策定と実行力
4 人材流動化のための可視化と流通市場の構築
5 BS にフォーカスした経営へのシフト
6 デジタルに対応する組織能力の構築
7 事業再編の仕組み
8 ガバナンス強化(形式ではない真のガバナンス)
第1章 経営理念からパーパス経営への進化
1 パーパス経営が必要となっている背景
1 市場環境変化の高まり
2 地球環境の変化
3 消費者の変化
4 従業員の変化
5 経営理念の浸透不足
2 先進企業事例
1 ソニーグループのパーパス経営
2 オムロンの企業理念実践経営
3 味の素グループの ASV
3 パーパス経営の実現に向けて
1 自社の理念と歴史の棚卸し
2 従業員の参画意識の醸成
3 自社の目指す価値提供と存在意義の再定義
4 社内への浸透
第2章 変化対応力を高めるレジリエンス経営
1 日本企業の変化対応力の弱さ
1 経路依存性の強さ
2 同質性に基づく組織マネジメント
3 現状の積み上げに基づく中期経営計画
4 PDCA の弊害
5 変化に対応できない中間管理職
2 先進企業事例
1 ユニ・チャームのシナリオプランニングと OODA‒Loop
2 キリンホールディングスのダイバーシティ経営と未来シナリオ
3 サイボウズの自立分散型組織
3 レジリエンス経営の実現に向けて
1 ダイバーシティ&インクルージョンの推進
2 シナリオプランニングによる未来シナリオの作成
3 OODA‒Loop による変化への対応力の増強
4 自立分散型組織の構築
第3章 ビジョンとバックキャスティングによる戦略策定と実行力
1 日本企業の戦略策定における問題点
1 ESG に対する意識の高まり
2 中期経営計画の問題点
2 先進企業事例
1 ユニ・チャームのユニ・チャームウェイ
2 横河電機の未来共創イニシアチブ
3 ビジョンの構築とバックキャスティング型の戦略策定に向けて
1 ビジョンの構築に向けたチーム組成
2 経営陣の巻き込みと自由闊達な環境での未来シナリオ作成
3 未来シナリオの継続的更新と社内ワークショップへの活用
4 ビジョンの浸透
第4章 生産性向上のための人材流動性の向上
1 日本企業における生産性の問題と流動化の必要性
1 人材流動化とキャリア形成
2 社内における人材スキルのミスマッチ
3 価値発見人材と育成の場の少なさ
2 先進企業事例
1 AGC の人財可視化と育成
2 ロート製薬の人財流動化と育成
3 タニタの「日本活性化プロジェクト」
3 生産性向上のための人材可視化と人材流動化
1 経営戦略に基づく人材像の明確化とキャリア意識の醸成
2 人材の可視化と要員計画への落とし込み
3 社内人材を流動させるための仕組みづくり
4 企業間で人材を流動させる仕組みの構築
第5章 PL 中心の経営からの脱却
1 PL 中心の経営の問題点
2 先進企業事例
1 三菱重工業の BS 重視の経営
2 オムロンの ROIC 経営
3 PL 中心経営からの脱却に向けて
1 事業別 BS の構築
2 事業部門と伴走する経理部門の機能構築
3 CFO の役割と権限の強化
第6章 デジタル対応力の弱さ
1 日本企業のデジタル対応における問題点
1 標準策定力の弱さ
2 IT 部門のスキル不足
3 事業のビジョンを構想できる人材の不足
4 事業と IT をつなぐ人材の不足
2 先進企業事例
1 コマツのスマートコンストラクション
2 日立製作所の Lumada 事業
3 横河電機の DX
3 デジタル化対応力強化のために
1 デジタル化の目的と対応する組織機能の設計
2 標準化推進機能の構築
3 開発アプローチの明確化と開発力の獲得
4 事例の抽象化・テンプレート化による n 倍化の加速
第7章 事業再編の仕組み
1 新陳代謝の乏しさを原因とする問題
1 事業ごとの業績を正確に開示できていない
2 目指すべき事業ポートフォリオが不明確
3 ポートフォリオ見直しに向けた各事業への方向性の提示が弱い
2 先進企業事例
1 富士フイルムホールディングスの事業ポートフォリオ管理
2 日立製作所の事業ポートフォリオ再編
3 事業再編の仕組み構築に向けて
1 事業ドメインの再定義
2 セグメント分けの検討
3 キャッシュ・フローの強化
4 企業としての姿勢の明確な伝達と現状の定量的評価での把握
5 自前主義から脱却するためのポートフォリオの見直し
第8章 ガバナンスとリスクマネジメントの強化
1 日本企業のガバナンスとリスクマネジメントの問題点
1 取締役会の監督機能の弱さ
2 ダイバーシティの弱さ
3 トップの選任と解任についての問題点
4 サステナビリティ要素の反映が不十分
5 リスク管理の弱さ
2 先進企業事例
1 三菱重工業のガバナンス強化
2 味の素のガバナンスとサステナビリティの強化
3 ガバナンスとリスク管理の強化に向けて
1 取締役会機能の強化
2 経営者の選任解任機能の仕組みと運用
3 ダイバーシティの強化
4 サステナビリティ体制の強化
5 リスクマネジメントの強化