財務会計ルールの論理と政策―経済社会との交錯
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- 財務会計ルールにおいては、複雑に対立する利害もひとつの巨大なシステムの中で調整され、全体の利益となる。財務会計の論理と経済社会の因果関係について考察する意欲作。
目次
財務会計ルールの論理と政策
―経済社会との交錯―
目次
はじめに
序 章 融合と交錯
P-1 統合的,融合的な領域としての特性
P-2 経済ゲームのルールとしての特性
P-3 理論と実務の融合領域としての特性
P-4 論理と政策の交錯領域としての特性
第Ⅰ部 財務会計ルールにおける形成と調整
第1章 財務会計におけるルールの形成
―社会的認知としての位置づけ―
1-P ルールとしての社会的認知
1-1 会計基準の設定プロセスと適用プロセス
1-2 環境変化への適応プロセス
1-3 ルール認知の社会性レベル
1-4 透明性の確保レベル
1-C 説明と納得
第2章 財務会計における形式と実質の乖離そしてその調整
―その本質的特性と利害調整機能―
2-P 普遍性と適用可能性
2-1 設定,変換そして解釈
2-2「財務会計ルール」の特性と限界
2-3 財務会計ルールの設定アプローチと企業環境
2-4 財務会計ルール(システム)の特性
2-C 信頼感と不信感
第Ⅱ部 財務会計ルールにおける裁量と政策
第3章 会計制度改革における裁量と責任
―リスクマネジメントとインセンティブ―
3-P 環境としての制度改革
3-1 オペレーティング・システムとモニタリング・システム
3-2 リスクマネジメントの観点
3-3 資金調達上のインセンティブ
3-4 ルールのなかの裁量
3-C アカウンタビリティー概念の変容
―その環境的要因と政策的要因―
第4章 会計政策と産業政策の相克と葛藤
―論理と政策そして政治との関連性―
4-P 相克と葛藤
4-1 定義と観点そして関連性
4-2 システムとメカニズム
4-3 会計政策と産業政策そして経済政策
4-4 経済的意思決定としてのプロセス
―政治的意思決定との対比―
4-C 政策決定システムの特性―「玄人」と「素人」の関係―
第Ⅲ部 財務会計ルールにおける金融と規制
第5章 金融会計の意義とその機能特性および構造特性
―行動・評価・仲介の観点から―
5-P 接点と融合そして束
5-1 多様性と二面性という特性
5-2 行動と評価の主体と客体―金融機関と事業会社の関係―
5-3 仲介者としての金融機関と会計基準
5-4 会計情報作成者と会計情報利用者
5-C 特殊性と普遍性の接点
第6章 金融機関に対する会計規制と金融規制の「交錯」
―自己資本比率規制をめぐる経済的影響―
6-P 歴史的教訓と普遍性
6-1 金融危機の原因とその背景
6-2 会計制度と実体経済の関係
6-3 自己資本比率規制の現状とその意義
6-4 会計規制と金融規制の新潮流
6-C 残された問題と今後の課題
終 章 説明と納得
C-1 洞察力と説得力
C-2 利己性と利他性
C-3 主観性と客観性
C-4 論理性と政策性
むすび
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著者プロフィール
星野一郎(ほしのいちろう)
【筆者略歴】
1956年 広島県豊田郡本郷町(現三原市本郷町)にて出生
1983年 中央大学商学部会計学科卒業
1988年 日本学術振興会特別研究員(1990年まで)
1991年 中央大学大学院商学研究科博士課程後期課程満期退学
1992年 信州大学経済学部(専任)講師,助教授,教授を経て(2000年まで)
1995年 東京大学研究員(経済学研究科)(文部省内地研究員としての派遣)(1996年まで)
1998年 博士(会計学)(中央大学)
2000年 広島大学大学院社会科学研究科(マネジメント専攻)教授(現在に至る)
【主要著書】(本書筆者による単著著書のみを記載)
『金融危機の会計的研究―米国S&L危機と時価評価―』(同文舘出版,1998年)
『会計政策の法則―会計行動の特性と背景―』(同文舘出版,1999年)
『金融機関の時価会計―背景・役割・影響―』(東洋経済新報社,2001年)
『金融機関の会計政策―時価会計・利害調整・情報操作―』(中央経済社,2005年)