目次
第1章 経営戦略に基づく統治モデルのあり方
1 PMIとグループ経営の前提となる経営戦略
2 国際(地域)戦略と権限委譲モデルのパターン
3 多角化戦略-事業軸の視点
4 戦略パターンと事例
第2章 ガバナンス
1 海外M&Aにおけるガバナンスの意義
2 買収の文脈で、なぜガバナンスを議論するのか
3 なぜガバナンスが重要なのか
4 基本方針
5 「染め上げる」のか、「委ねる」のか
6 権限委譲を考えるにあたっての視点
7 ガバナンスを実効化するための仕組み-モニタリング
8 ガバナンスを担う人材のスキル
第3章 「攻め」と「守り」のグループガバナンスにおける地域統括機能のあり方
1 はじめに
2 国際(地域)戦略と地域統括機能の関係
3 地域統括機能
4 RHQ機能を有する独立の法人の設立の必要性と地域統括機能の形態
5 戦略およびガバナンス、リスク・マネジメント等の観点からのRHQ
6 各視点でみるRHQの存在意義
7 地域統括機能に期待される役割
8 RHQへの権限委譲
9 地域軸と事業軸、地域軸と各機能軸の交錯
10 さらなるグローバル経営
第4章 HR(Human Resource)
1 M&AにおけるHR課題(日本制度と海外制度のギャップ、文化の違いなど)
2 PMIにおける人材マネジメント
3 権限委譲の視点
4 RACIチャート
5 人材マネジメントにおいてグローバル共通の管理とすべきもの、国・地域ベースで管理するもの
6 現地経営者育成の重要性、理念浸透活動、コミュニケーション円滑化の仕組み
第5章 ファイナンス
1 クロスボーダーM&Aとファイナンス的視点
2 PMIにおける財務・資金マネジメント
3 投資評価とモニタリング
4 HR面の課題
第6章 PMIはクロージング前から始まっている-グループ経営を見据えた買収対象会社選定、デューデリジェンス、契約交渉
1 買収対象会社選定段階
2 デューデリジェンス段階
3 買収契約交渉段階
4 買収契約締結からクロージングまで
第7章 事例紹介
はじめに
A社
B社
C社
D社
著者紹介
前田 絵理(まえだ えり)
[プロフィール]
EY弁護士法人にて主に知財・無形資産ガバナンス体制,グループガバナンス/リスクマネジメント体制構築支援及び法務機能強化支援サーピス並びにリーガル・マネージド・サービスに従事。日本国及び米国NY州弁設士,経営学修士(MBA),公認不正検査士。2007年より西村あさひ法律事務所に勤務後, 2011年より旭化成株式会社にて企業内弁護士として勤務。同社にて法務部門のほか,経営企画部門,買収先米国企業の法務部門,インド子会社の役員を経験。その後ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社の法務部門を経て, 2021年7月から12月までEYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社にてLead Legal Counsel。2022年1月より現職。戦略法務・ガバナンス研究会共同代表幹事,知財・無形資産経営者フォーラムアドバイザー,知財ガバナンス研究会サポーター, 日本組織内弁護士協会理事・事務総長,国際取引法学会理事。
[主な著作]
『企業買収後の統合プロセス—すらすら読めるPMI入門』中央経済社(2014年12月)
『企業法務のための訴訟マネジメント』中央経済社(2015年12月)
『PMIを成功させるグローバルグループ経営』中央経済社(2023年1月)
『Legal Operationsの実践』商事法務(2024年3月)
黒澤 壮史(くろさわ まさし)
[プロフィール]
日本大学商学部准教授,ヒューマンアカデミービジネススクール教授(University of Wales
Trinity Saind David MBAコース担当),経営戦略学会理事。専門は経営戦略論,経営組織論。
早稲田大学商学学術院助手,山梨学院大学経営情報学部,神戸学院大学経営学部を経て現職。
[主な著作]
『PMIを成功させるグローバルグループ経営』中央経済社(2023年1月)
「ケース: NEC新事業開発を起点とした企業変革へのチャレンジ」『一橋ピジネスレピュー』(2021年12月)
山田真茂留編(分担執筆)『グローバル現代社会論』(2018年10月)
渡辺 直樹(わたなべ なおき)
[プロフィール]
ゾンデルホフ&アインゼル法律特許事務所パートナー,弁護士,英国仲裁人協会仲裁人
クリフォードチャンス・パートナー,LINE株式会社監査役,双日株式会社理事M&Aマネジメント室本部長等を歴任。
[主な著作]
「SDGs, ESGをめぐる世界の情勢からみるESG投資を呼び込む知財活用・知財戦略」ビジネス法務2022年5月号
「米国の非公開企業を対象とするM&A条項のマーケット・トレンド」NBL1022号以下
「公取委への事前届出のない公開買付で,結合関係が肯定された事例」ジュリスト1579号。
山口 博正(やまぐち ひろまさ)
[プロフィール]
旭化成メデイカル株式会社 経営統括総部 人事部 部長
1998年,旭化成工業株式会社入社。2017年からAsahi Kasei America社にてHR Director and Corporate secretary。2022年から現職。
池田 聡(いけだ そう)
[プロフィール]
桜美林大学・大学院准教授
日本銀行,産業再生機構,経営共創基盤(IGPI) を経て2020年4月から現職。
日本銀行ではバプル崩壊後の不良債権問題,金融機関の経営破綻対応に従事。産業再生機構ではカネボウほか5件の事業再生案件を担当。設立メンバーとして参画した経営共創基盤(IGPI) では日本航空,東京電力(2011~2012年,原子力損害賠償・廃炉等支援機構に参画)などの大型案件のほか,中小の地方百貨店,小売業,外食業,部品製造業等の事業再生・M&A案件を統括。現在は桜美林大学・大学院で資本政策・ファイナンス,企業評価論等の講義を担当しつつ,複数企業の社外取締役・監査役として企業経営をサポート。早稲田大学法学部卒,UWTSD修士(MBA)。
[主な著作]
『事業再生の実践』(共著,商事法務,2006年)
『危機対応のプロが教える! 修羅場の説明力』(共著,PHP研究所,2016年)
小林 広樹(こばやし ひろき)
[プロフィール]
レイサム アンド ワトキンス外国法共同事業法律事務所パートナー,弁護士(日本・米国ニューヨーク州)
2002年に同所に加入し,2010年より現職。外国企業による日本でのM&A.,日本企業による海外でのM&A,国際プロジェクトファイナンスなどを手掛ける。
[主な著作]
「The Technology, Media and Telecommunications Review: Japan」(2022年)
「CFIUS(対米外国投資委員会)による米国の対内投資審査-日本企業が知るべき最新動向と留意点-」海外投融資2018年9月号