メルコ学術振興財団研究叢書/4インタンジブルズの管理会計
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- 本の紹介
- インタンジブルズとコーポレート・レピュテーションについて、管理会計の視点から理論的に考察するとともにアンケート調査による実務まで分析。経営者・実務担当者必読の書。
- 担当編集者コメント
- ◆OPINION
インタンジブルズのなかでも,とりわけコーポレート・レピュテーション(企業の評判)が,現代社会では企業価値に多大な影響を及ぼすことを明らかにすることは管理会計研究者の責務である。従来,評判はPRの対象になることはあっても,管理対象になることはなかった。しかし,欧米では,評判をマネジメントすべきだとする見解が支配的である。日本企業の経営者も,インタンジブルズである企業の評判も主体的にマネジメントできることを認識して,管理会計の枠組みのなかでレピュテーションを管理する必要がある。
◆本書の特徴
① 現代の日本企業ではインタンジブルズを的確にマネジメントすることが企業価値の増大に大きく貢献することが明らかにしている。それゆえ,日本企業がインタンジブルズ,とくにコーポレート・レピュテーションを管理会計の対象に組み入れることは,日本企業にとって価値がある。
② インタンジブルズのマネジメントには,企業はマネジメント・コントロールを中心にした伝統的な管理会計の枠組みのほかに,経営戦略をいかに有効活用するかが決定的な重要性をもつ。そこで,本書ではインタンジブルズをいかに戦略的にマネジメントするかを明らかにしている。
③ 本研究でも欧米の理論的な成果を活用している。しかし,欧米と日本とでは歴史も組織文化も企業がおかれている環境も異なる。そのため,たとえば企業価値というとき,アメリカでは株主価値または経済価値と考えるのが一般的であるが,日本企業の経営者は,株主価値を中心とする経済価値だけでなく,社会価値や組織価値をも包含する概念としてとらえている。本書は,欧米の模倣ではなく,欧米の理論を参考にしながらも日本独自の理論を構築していることに最大の特徴がある。
(2021年1月より,「公益財団法人メルコ学術振興財団」は「公益財団法人牧誠財団」に名称変更いたしました。)