- 本の紹介
- 「新しい会計学」と「新しい会計史」からオルタナティブな会計研究を探求。学際的・批判的会計学に関する主要3誌(AOS、AAAJ、CPA)の歴史や編集方針等も詳解。
目次
はじめに
凡 例
序 章 本書の目的,全体構成,研究方法および貢献など
第1節 本書の目的
第2節 本書の全体構成
第3節 本書の研究方法および貢献など
第Ⅰ部 新しい会計学(学際的・批判的会計学)
第1章 主要な学術誌と研究会議
第1節 主要3誌の創刊の目的と経緯
第2節 主要3誌の編集方針,特集号の共通テーマおよび発展の回顧
第3節 主要3会議と1会計学会
第2章 会計理論,理論的枠組,パラダイムおよび研究方法
第1節 管理会計・原価計算の会計理論と理論的枠組
第2節 管理会計・原価計算の会計理論および理論的枠組とパラダイム
第3節 フィールド研究
第4節 歴史研究(新しい会計史)
第5節 財務会計および監査などの会計理論と理論的枠組
第3章 解釈的会計学とフーコー派の会計学の開拓者
第1節 ホップウッドの学歴と職歴など
第2節 ホップウッドの研究
第3節 ホップウッドの著書と代表的論文
第4章 批判的会計学の開拓者
第1節 ロウの学歴と職歴など
第2節 ロウを中心とする実践共同体の研究
第3節 ロウを中心とする実践共同体の代表的論文
第5章 会計変革の活動家
第1節 ブリロフの学歴と職歴など
第2節 ブリロフの主な研究
第3節 ジッカの学歴と職歴など
第4節 ジッカの主な研究
第Ⅱ部 新しい会計史
第6章 フーコー派の会計学の到達点と課題
第1節 フーコー派の会計学とフーコーまたはフーコー派の研究
第2節 考古学から系譜学への移行と言説による主体化
第3節 規律訓練権力の研究を理論的枠組とする会計学
第4節 統治性の研究を理論的枠組とする会計学
第5節 フーコー派の会計史が利用する系譜学
第7章 スプリングフィールド兵器廠の管理および会計に関する
フーコー派の会計史をめぐる論争
第1節 フーコー派の会計史と経済合理主義の会計史
第2節 フーコー派の理論的枠組と会計理論
第3節 フーコー派の会計理論を批判する経済合理主義の会計理論と
フーコー派の反批判
第4節 フーコー派の会計史と経済合理主義の会計史の論争における争点
第8章 キャタピラー社の管理および会計に関するフィールド研究の
フーコー派会計学をめぐる論争
第1節 フーコー派の会計学とマルクス派の会計学
第2節 製造空間の再構築と経済的市民(市民権)の構築の研究方法
第3節 製造空間の再構築と経済的市民(市民権)の構築の研究結果
第4節 製造空間の再構築と経済的市民(市民権)の構築をめぐる
論争および論争的議論の争点
第9章 人種主義の会計史と植民地主義の会計史
第1節 人種主義の会計史
第2節 ホロコーストの会計史
第3節 黒人奴隷制の会計史
第4節 会計専門職の形成・発展を人種差別の過程とみる会計史
第5節 植民地主義の会計史
第6節 会計専門職の形成・発展を植民地住民差別の過程とみる会計史
第7節 植民地主義的統治における不公正な会計技術の会計史
第8節 植民地住民に対する植民地主義的統治の会計史
第10章 ジェンダーの会計史とマルクス派の会計史
第1節 ジェンダーの会計史
第2節 会計専門職の形成・発展を女性差別の過程とみる会計史
第3節 労働過程論の会計史
第4節 ブライヤーの会計史
- 担当編集者コメント
- 「会計学は、何を学問の対象として、どのような研究方法を用いて、いかなる形でその理論が世に出されるべきだろうか。」
本書はそうした「会計学とは一体何か」という問いに対して、オルタナティブな会計学が進むべき方向の1つを「新しい会計学」に求めて、その内容を整理・検討した研究書です。
本書は大きく2部構成になっています。
第Ⅰ部の「新しい会計学」では、学際的・批判的会計学に焦点を当てて、そうした会計研究論文を数多く収録するジャーナル3誌(AOS、AAAJ、CPA)の歴史や編集方針等を詳解しています。また、この分野における開拓者の文献レビューを行っています。
第Ⅱ部の「新しい会計史」では、この中心的存在のフーコー派とマルクス派の会計史を取り上げて、下からの会計史の典型である、ホロコースト、奴隷制の会計史を含む人種主義の会計史、植民地主義の会計史、ジェンダーの会計史を取り上げています。また、この分野における開拓的研究の文献レビューを行っています。