- 本の紹介
- 気候変動、人的資本などの非財務要素による企業価値の変動(ビジネスリスク)をどのように捉え、対応すべきか。不確実性の高いESG時代に必要な経営管理方法を検討する。
目次
はしがき
第1章 リスク社会の進展とリスク管理の変化
1 経営環境の変化とリスク管理
⑴ 価値観の変化と企業行動の変化
⑵ ネットワーク社会におけるレジリエンス
2 システム思考とレジリエンス
⑴ リスクとシステム思考
⑵ システム・ダイナミクスの知見の応用
⑶ 複雑なシステムの不安定性とレジリエンス
⑷ 経営環境へのシステム思考とレジリエンス
⑸ システム思考の環境・社会リスクへの活用
3 ソーシャルリスクへの対応
⑴ ソーシャルリスクとシステムのレジリエンス
⑵ ソーシャルリスクへの管理
4 経済学,社会学の視点を包摂したリスクへのアプローチ
コラム 1 人工的システムへのシステム思考
コラム 2 金融システミックリスク分析
コラム 3 社会学から見るリスク
第2章 企業価値創造と非財務情報の開示
1 無形資産の重要性の拡大
⑴ 無形資産の会計上の取扱い
⑵ ファイナンスにおける取扱い
⑶ 無形資産と投資価値
2 非財務情報の開示
3 価値創造ストーリーと非財務情報
⑴ 企業価値の考え方の変化
⑵ 企業活動の変化
⑶ 開示に関わる動向
⑷ 投資家の変化
4 非財務情報とソーシャルリスク
コラム 4 無形資産の認識と評価
コラム 5 経済的価値と社会的価値の総合的アプローチ
第3章 環境リスクへの管理強化
1 不確実性の拡大とリスク管理
2 環境リスクに対する企業責任の拡大
3 気候変動リスクの特徴とリスク管理の強化
⑴ 気候変動リスクの特徴
⑵ 気候変動リスクの分類
⑶ リスク管理プロセスの強化
コラム 6 科学者とリスクマネジャーの対比
コラム 7 技術革新による社会の変化と新たなリスクの登場
第4章 社会リスクへの管理強化
1 人材への考え方の変化と企業の戦略的対応
⑴ 人的資本への注目の背景
⑵ パーパス論議の意義と人的資本への戦略的アプローチ
2 人的資本の評価と分析
⑴ 財務的分析と非財務的分析
⑵ プロセスに着目したアプローチ
⑶ 競争環境の変化と人的資本戦略の変化
3 人的資本リスクの管理
⑴ 資源から資本への発想転換
⑵ 関連知見のレビュー
⑶ 気候変動対応の経験知の垂直・水平的展開
⑷ 人的資本リスクへのアプローチ
⑸ 人的資本と企業戦略
4 シナジー効果とレジリエンス効果
⑴ 人的資本と企業価値の向上
⑵ シナジー効果の発揮
⑶ リスク管理とレジリエンスの向上
コラム 8 報酬制度のガバナンス上の活用
第5章 動態的リスク管理の導入
1 現代企業が直面するERM上の課題
2 ESGに対応するための技術
⑴ システム思考による洞察力の強化
⑵ 洞察力を誘発するオープン型組織の醸成
⑶ 開示とステークホルダーとのコミュニケーションの強化
3 不確実性を前提にした対応力の強化
⑴ ESGリスクへの取扱いの困難性
⑵ 確率論的アプローチの転換
⑶ 不確実性の分析に関わるデータ品質とモデルガバナンス
⑷ リスク心理への理解とリスク文化の醸成
4 動態的リスク管理体系の構築の視点
第6章 ESG時代における動態的経営管理の構築
1 経営戦略の策定と戦略のパラドックス
2 トリガーポイントマネジメントによる俯瞰
⑴ 時間軸の悲劇のジレンマ
⑵ 変化のモニタリング
⑶ システム思考の導入とトリガーポイントマネジメント
3 ESGによる企業価値変動の予測
⑴ ESGの取組みと企業価値との関係
⑵ 価値評価へのアプローチの視点
⑶ ESG要素の企業価値への影響に関する実証分析
⑷ ESGスコア活用上の留意点
4 さらなる分析の必要性
⑴ 自然災害による影響の予測
⑵ 投資価値の変動の予測
5 リスク社会における経営管理変革の意義と今後
⑴ 経営管理変革の意義
⑵ 統合的思考の展開
⑶ 共通性と固有性への対応
⑷ 動態的管理体系の構築
⑸ 多様な資本の活用
⑹ 開示とステークホルダーとのコミュニケーション
⑺ まとめ
コラム 9 ESGスコアについて
あとがき