- 本の紹介
- 新たな体系により、税務会計の全体像を描き出しているテキスト。主に初学者を対象に基礎的概念や考え方を解説しているが、研究の手がかりになるコラムも充実している。
目次
序 章 税務会計を学ぶにあたって
学習の動機づけ
第1 税務会計とは ~学際的領域を学ぶために~
第2 税務会計の生成と発展
第3 本書の構成 ~現代の税務会計を紐解く4つの視点~
第Ⅰ部 ● 税務会計総論
学習の動機づけ
第❶章 課税所得の計算構造
第1 確定決算主義
第2 企業会計と課税所得計算 ~通達の取扱い~
第3 「別段の定め」と租税特別措置法
第4 税務調整
第5 益金の範囲
第6 損金の範囲
第7 資本等取引
第❷章 益金の会計
第1 収益の計上基準
第2 工事の請負
第3 受取配当等
第4 有価証券の譲渡損益および評価損益
第5 その他の収益
第❸章 損金の会計
第1 売上原価
第2 固定資産の減価償却
第3 特別償却
第4 資本的支出と修繕費
第5 繰延資産の償却
第6 給 与 等
第7 寄 附 金
第8 交際費等
第9 引 当 金
第10 準 備 金
第11 圧縮記帳
第12 貸倒損失
第13 使途秘匿金
第14 租税公課
第15 その他の費用
第❹章 課税所得・税額の計算
第1 課税所得計算と欠損金
第2 法人税額の計算
第3 税額控除
第❺章 申告,納付,申告内容の是正等
第1 申 告
第2 納付および還付
第3 申告内容の是正
第4 不服申立てと訴訟 ~審査請求前置主義~
第Ⅱ部 ● 国内税制の整備
学習の動機づけ
第❶章 同族会社課税
第1 同族会社に対する特別な取扱い
第2 同族会社の判定
第3 同族会社に対する特別規定
第4 特定同族会社の特別税率(留保金課税)
第5 留保金課税の計算
第❷章 グループ通算制度
第1 グループ通算制度の概要
第2 グループ通算制度の申請と承認の効力等
第3 所得計算および法人税額の計算
第4 グループ通算制度の適用開始・新規加入に伴う資産の時価評価と欠損金の切捨て
第❸章 グループ法人単体課税制度~完全支配関係法人課税制度~
第1 グループ法人単体課税制度の概要
第2 適用対象
第3 完全支配関係法人間の資産の譲渡損益の調整
第4 完全支配関係法人間の寄附
第5 その他の完全支配関係法人間取引における調整
第6 中小法人向け特例措置の不適用
第❹章 組織再編税制
第1 組織再編税制の概要
第2 適格組織再編と非適格組織再編
第3 非適格組織再編の取扱い
第4 適格組織再編の取扱い
第5 組織再編に係る租税回避防止の規定
第Ⅲ部 ● 国際課税の進展
学習の動機づけ
第❶章 国際課税の枠組み
第1 日本国内法における国際取引に対する課税ルール
第2 国際的な二重課税の調整方法
第3 租税条約:日米租税条約を例として
第❷章 外国法人に対する課税
第1 法人税法上の国内源泉所得
第2 課税される所得と課税方式
第❸章 国際的二重課税への対応
第1 外国税額控除
第2 外国子会社配当益金不算入制度
第❹章 国内法における租税回避への対応
第1 移転価格税制
第2 外国子会社合算税制(タックスヘイブン対策税制)
第3 過少資本税制と過大支払利子税制
第❺章 BEPSプロジェクトによる国際課税改革
第1 BEPSプロジェクトの背景・経緯
第2 BEPS行動計画の概要
第3 デジタル課税とグローバル・ミニマム課税
終 章 会計基準の変容と課税所得計算
学習の動機づけ
第1 会計基準の複線化と法人税法
第2 法人税法上の課題
- 担当編集者コメント
- ◆本書の特徴
本書は新たな体系により税務会計の全体像を描き出すテキストであり、以下のような大きな特徴があります。
①初学者を対象に、税務会計の基礎的な概念や考え方、税務処理を理解できるように解説しています。税法の規定はむずかしく、また細かい議論をしがちですが、本書では基本的な内容に多くを費やしています。
②本書は、入門書ではありますが、本文・コラムなどで随所に研究の成果を織り込んでいます。これは、研究と教育は表裏一体をなすという考えからです。
③序章、第Ⅰ部~第Ⅲ部、終章の扉部分には、「学習の動機づけ」を記載しています。ここで、何を学かイメージできるよう工夫されています。
④税務会計を体系的に学べるように、序章、第Ⅰ部=初級編、第Ⅱ部=中~上級編、第Ⅲ部、終章=上級編として、段階的に学習できるようにしています。
⑤近時の講義で国際税務も積極的に取り上げられている現状を鑑み、「第Ⅲ部 国際課税の進展」として、詳細に解説しています。
⑥最新の令和6(2024)年度税制改正までフォローしています。
学部学生、実務初心者の方のみならず、税法を専攻する大学院生、ベテランの実務家の方々にも有益な内容。
ぜひご活用ください!