実務逐条解説 フリーランス・事業者間取引適正化等法

那須 勇太 編著
益原 大亮 編著
海住 幸生
安中 嘉彦
池田 絹助
正田 琢也
小野関 翼
長島 誠
梶原 大暉
打越 まりん

定価(紙 版):4,400円(税込)

発行日:2024/12/10
A5判 / 368頁
ISBN:978-4-502-52211-6

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本の紹介
令和6年11月施行のフリーランス・事業者間取引適正化等法について、立法経緯や実務対応を各条文ごとに解説。通達、ガイドライン、Q&A、国会答弁等を網羅的にフォロー。

目次

第1編 本法の概要
 第1 本法の立法経緯
  1 フリーランスをめぐる背景
  2 フリーランスをめぐる課題・要因
  3 政府の動き
  4 業界団体の活動
  5 本法の制定
 第2 本法の内容
 第3 他法との関係性
  1 独禁法との関係
  2 下請法との関係
  3 労働関係法令との関係

第2編 本法の解説
 第1章 総則
  第一条(目的)
  第二条(定義)
   第1 本条の趣旨
   第2 条文解説
    1 「特定受託事業者」(法2条1項)
     ⑴ 定義
     ⑵ 「事業者」
     ⑶ 「個人であって,従業員を使用しないもの」
     ⑷ 「法人であって,ーの代表者以外に他の役員(理事,取締役,執行役,業務を執行する社員,監事若しくは監査役又はこれら
      に準ずる者をいう。)がなく,かつ,従業員を使用しないもの」
     ⑸ 特定受託事業者該当性の判断基準時
    2 「特定受託業務従事者」(法2条2項)
    3 「業務委託」(法2条3項)
     ⑴ 概要
     ⑵ 「その事業のために」(法2条3項各号)
     ⑶ 「他の事業者に……委託すること」(法2条3項各号)
     ⑷ 物品の製造·加工委託(法2条3項1号)
     ⑸ 情報成果物の作成委託(法2条3項1号)
     ⑹ 役務の提供委託(法2条3項2号)
     ⑺ 業務委託の越境取引への本法の適用関係
    4 「情報成果物」(法2条4項)
    5 「業務委託事業者」(法2条5項)
    6 「特定業務委託事業者」(法2条6項)
     ⑴ 特定業務委託事業者の内容
     ⑵ 特定業務委託事業者該当性の判断基準時
    7 「報酬」(法2条7項)
   第3 実務対応
    1 法の適用の有無の確認事項·確認時期
     ⑴ 特定受託事業者該当性を判断するための確認事項
     ⑵ 特定受託事業者該当性を判断するための確認の時点
    2 確認対象事項に関する確認の実務的な対応
     ⑴ 具体的な確認方法
     ⑵ 現実的な対応
 第2章 特定受託事業者に係る取引の適正化
  第三条(特定受託事業者の給付の内容その他の事項の明示等)
   第1 本条の趣旨
   第2 条文解説
    1 「業務委託事業者」(法3条1項・2項)
    2 「業務委託をした場合」(法3条1項)
     ⑴ 「業務委託をした場合」の内容
     ⑵ 本法施行前の業務委託の取扱い
     ⑶ 共通して適用される事項の取決め
    3 「直ちに」(法3条1項)
    4 「公正取引委員会規則で定めるところにより,特定受託事業者の給付の内容,報酬の額,支払期日その他の事項」(法3条1
     項)
     ⑴ 「公正取引委員会規則で定める」内容
     ⑵ 再委託の場合の明示事項(公取委関係法施行規則1条2項)
    5 「書面又は電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であって公正取引委員会規則
     で定めるものをいう。)」(法3条1項)
     ⑴ 「書面」
     ⑵ 「電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であって公正取引委員会規則で定め
      るものをいう)」
    6 「ただし,これらの事項のうちその内容が定められないことにつき正当な理由があるものについては,その明示を要しないもの
     とし,この場合には,業務委託事業者は,当該事項の内容が定められた後直ちに,当該事項を書面又は電磁的方法により特定受託
     事業者に対し明示しなければならない」(法3条1項)
     ⑴ 「その内容が定められないことにつき正当な理由がある」
     ⑵ 「当該事項の内容が定められた後直ちに,••••••特定受託事業者に対し明示しなければならない」
    7 「特定受託事業者から当該事項を記載した書面の交付を求められたとき」(法3条2項)
    8 「遅滞なく」(法3条2項)
    9 「公正取引委員会規則で定めるところにより」(法3条2項)
    10 「ただし,特定受託事業者の保護に支障を生ずることがない場合として公正取引委員会規則で定める場合は,この限りでない」
     (法3条2項)
     ⑴ 「公正取引委員会規則で定める場合」の具体的内容
     ⑵ 特定受託事業者からの書面交付請求に応じる期間
     ⑶ 書面交付請求への拒否の例外
   第3 実務対応
    1 法遵守に向けた社内体制の整備
    2 実務上の留意点
     ⑴ 報酬の額が定まらない場合の対応方法
     ⑵ 継続的に役務が提供される場合における3条通知の取扱い
     ⑶ 契約の更新時に留意すべき点
     ⑷ 3条通知の時期(発注書による明示と「業務委託をした場合」との関係)
  第四条(報酬の支払期日等)
   第1 本条の趣旨
   第2 条文解説
    1 「特定業務委託事業者が特定受託事業者に対し業務委託をした場合」(法4条1項)
    2 「報酬の支払期日」(法4条1項)
    3 「当該特定業務委託事業者が特定受託事業者の給付の内容について検査をするかどうかを問わず,当該特定業務委託事業者が特
     定受託事業者の給付を受領した日(第二条第三項第二号に該当する業務委託をした場合にあっては,特定受託事業者から当該役務
     の提供を受けた日。次項において同じ。)」(法4条1項)
     ⑴ 物品の製造を委託した場合における「給付を受領した日」
     ⑵ 情報成果物の作成を委託した場合における「給付を受領した日」
     ⑶ 「役務の提供を受けた日」
     ⑷ 月単位の締切制度
     ⑸ 特定受託事業者の納期遅れにより給付受領日が遅延した場合
     ⑹ 特定受託事業者の責めに帰すべき事由により給付のやり直しをさせた場合
    4 「給付を受領した日……から起算して六十日の期間内において,かつ,できる限り短い期間内において,定められなければなら
     ない」(法4条1項)
    5 「前項の場合において,報酬の支払期日が定められなかったときは特定業務委託事業者が特定受託事業者の給付を受領した日
     が,同項の規定に違反して報酬の支払期日が定められたときは特定業務委託事業者が特定受託事業者の給付を受領した日から起算
     して六十日を経過する日が,それぞれ報酬の支払期日と定められたものとみなす」(法4条2項)
    6 「他の事業者(以下この項及び第六項において「元委託者」という。)から業務委託を受けた特定業務委託事業者が,当該業務
     委託に係る業務(以下この項及び第六項において「元委託業務」という。)の全部又は一部について特定受託事業者に再委託をし  
     た場合,……当該再委託に係る報酬の支払期日は.元委託支払期日から起算して三十日の期間内において,かつ,できる限り短い
     期間内において,定められなければならない」(法4条3項)
     ⑴ 「再委託をした場合」
     ⑵ 「(前条第一項の規定により再委託である旨.元委託者の氏名又は名称,元委託業務の対価の支払期日(以下この項及び次項
      において「元委託支払期日」という。)その他の公正取引委員会規則で定める事項を特定受託事業者に対し明示した場合に限
      る。)」
     ⑶ 「当該再委託に係る報酬の支払期日は,元委託支払期日から起算して三十日の期間内において,かつ,できる限り短い期間内
      において,定められなければならない」
    7 「前項の場合において,報酬の支払期日が定められなかったときは元委託支払期日が,同項の規定に違反して報酬の支払期日が
     定められたときは元委託支払期日から起算して三十日を経過する日が,それぞれ報酬の支払期日と定められたものとみなす」(法
     4条4項)
    8 「特定業務委託事業者は,第一項若しくは第三項の規定により定められた支払期日又は第二項若しくは前項の支払期日までに報
     酬を支払わなければならない。ただし,特定受託事業者の責めに帰すべき事由により支払うことができなかったときは,当該事由
     が消滅した日から起算して六十日(第三項の場合にあっては,三十日)以内に報酬を支払わなければならない」(法4条5項)
     ⑴ 「特定受託事業者の責めに帰すべき事由により支払うことができなかったとき」
     ⑵ 「事由が消滅」
    9 「第三項の場合において,特定業務委託事業者は,元委託者から前払金の支払を受けたときは,元委託業務の全部又は一部につ
     いて再委託をした特定受託事業者に対して,資材の調達その他の業務委託に係る業務の着手に必要な費用を前払金として支払うよ
     う適切な配慮をしなければならなぃ」(法4条6項)
     ⑴ 「元委託者から前払金の支払を受けたとき」
     ⑵ 「資材の調達その他の業務委託に係る業務の着手に必要な費用」
     ⑶ 「適切な配慮」
   第3 実務対応
    1 支払期日の定め方・起算日の考え方
     ⑴ 支払期日の定め方
     ⑵ 金融機関が休業日の場合の支払期日の設定
     ⑶ 締切制度の留意点
     ⑷ 一定の成果を上げた場合にのみ報酬を支払う場合の支払期日
    2 再委託の場合における支払期日の設定の例外
    3 支払期日を定める義務・報酬の期日内の支払義務を遵守する体制整備
  第五条(特定業務委託事業者の遵守事項)
   第1 本条の趣旨
   第2 条文解説
    1 全体像
     ⑴ 特定業務委託事業者の遵守事項
     ⑵ 本条に違反する合意の私法上の効力
    2 「政令で定める期間以上の期間行うもの」(法5条1項柱書)
     ⑴ 「政令で定める期間」
     ⑵ 期間の始期と終期
     ⑶ まとめ
    3 受領拒否の禁止(法5条1項1号)
     ⑴ 「給付の受領」
     ⑵ 「受領を拒む」
     ⑶ 「特定受託事業者の責めに帰すべき事由」
    4 報酬の減額の禁止(法5条1項2号)
     ⑴ 「報酬の額を減ずること」
     ⑵ 「特定受託事業者の責めに帰すべき事由」
    5 返品の禁止(法5条1項3号)
     ⑴ 「特定受託事業者の責めに帰すべき事由」
     ⑵ 検査と返品することのできる期間
    6 買いたたきの禁止(法5条1項4号)
     ⑴ 「通常支払われる対価に比し著しく低い報酬の額」
     ⑵ 買いたたきに該当するか否かの判断要素
     ⑶ 買いたたきに該当するおそれがある具体例
    7 購入・利用強制の禁止(法5条1項5号)
     ⑴ 「自己の指定する物」「又は役務」
     ⑵ 「強制して」
     ⑶ 購入・利用強制に該当するおそれのある具体例
    8 不当な経済上の利益の提供要請の禁止(法5条2項1号)
     ⑴ 「金銭役務その他の経済上の利益」
     ⑵ 「特定受託事業者の利益を不当に害」する
     ⑶ 知的財産権の譲渡・許諾等が発生する場合
     ⑷ 不当な経済上の利益の提供要請に該当するおそれのある具体例
    9 不当な給付内容の変更及び不当なやり直しの禁止(法5条2項2号)
     ⑴ 「給付の内容を変更させ」る
     ⑵ 「給付をやり直させる」
     ⑶ 「特定受託事業者の利益を不当に害」する
     ⑷ 「特定受託事業者の責めに帰すべき事由」
     ⑸ 不当な給付内容の変更又は不当なやり直しに該当する場合
     ⑹ 情報成果物の作成委託における例外
   第3 実務対応
    1 法5条が適用される業務委託
     ⑴ 単一の業務委託・基本契約を締結する場合の考え方
     ⑵ 契約の更新により継続して行う場合の考え方
    2 法5条の実務上の留意点
     ⑴ 返品することができる期間と検査方法との関係
     ⑵ 報酬の減額の禁止と事前の合意との関係(違約金等の支払の合意)
     ⑶ 不当な給付内容の変更及び不当なやり直しの禁止
    3 法5条を遵守するための体制の整備
  第六条 申出等
   第1 本条の趣旨
   第2 条文解説
    1 「業務委託事業者から業務委託を受ける特定受託事業者」(法6条1項)
    2 「この章の規定に違反する事実がある場合には,公正取引委員会又は中小企業庁長官に対し,その旨を申し出て,適当な措置を
     とるべきことを求めることができる」(法6条1項)
    3 「必要な調査を行い,その申出の内容が事実であると認めるときは,この法律に基づく措置その他適当な措置をとらなければな
     らない」(法6条2項)
     ⑴ 「必要な調査」
     ⑵ 「適当な措置」
    4 「業務委託事業者は,特定受託事業者が第一項の規定による申出をしたことを理由として,当該特定受託事業者に対し,取引の
     数量の削減取引の停止その他の不利益な取扱いをしてはならない」(法6条3項)
   第3 実務対応
  第七条(中小企業庁長官の請求)
   第1 本条の趣旨
   第2 条文解説
    1 本条の構造
    2 「適当な措置」
  第八条(勧告)
   第1 本条の趣旨
   第2 条文解説
    1 本条の内容
    2 独禁法及び下請法との関係
    3 違法行為を自発的に申し出た業務委託事業者の取扱い
   第3 実務対応
    1 勧告の取扱い
    2 勧告に対する対応
  第九条(命令)
   第1 本条の趣旨
   第2 条文解説
    l 「前条の規定による勧告を受けた者」(法9条1項)
    2 「正当な理由なく」(法9条1項)
    3 「勧告に係る措置をとらなかったとき」(法9条1項)
    4 「当該勧告に係る措置をとるべきことを命ずることができる」(法9条1項)
    5 「前項の規定による命令をした場合には,その旨を公表することができる」(法9条2項)
    6 措置命令書等の送達等
   第3 実務対応
  第十条(私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の準用)
   第1 本条の趣旨
   第2 条文解説
    1 命令書の記載事項及び命令の意思決定手続
     ⑴ 命令書の記載事項(独禁法61条)
     ⑵ 命令の意思決定手続(独禁法65条1項及び2項)
     ⑶ 合議の非公開(法66条)
    2 命令の変更又は取消し
    3 命令書の送達手続
     ⑴ 送達書類(独禁法70条の6)
     ⑵ 送達方法(独禁法70条の7)
     ⑶ 公示送達(独禁法70条の8)
     ⑷ 電子ファイルヘの記録(独禁法70条の9)
    4 行政不服審査法の適用除外
    5 事件処理手続に係る公正取引委員会の規則制定権
    6 抗告訴訟
     ⑴ 被告適格(独禁法77条)
     ⑵ 東京地方裁判所の専属管轄・合議体(独禁法85条1号,86条,87条)
     ⑶ 「国の利害に関係のある訴訟についての法務大臣の権限等に関する法律」の適用除外(独禁法88条)
   第3 実務対応
  第十一条(報告及び検査)
   第1 本条の趣旨
   第2 条文解説
    1 「規定の施行に必要な限度において」(法11条1項・2項)
    2 「業務委託事業者,特定業務委託事業者,特定受託事業者その他の関係者」
     ⑴ 「業務委託事業者,特定業務委託事業者」
     ⑵ 「特定受託事業者」
     ⑶ 「その他の関係者」
    3 「報告をさせ」(法11条1項・2項)
    4 「事務所その他の事業場に立ち入り,帳簿書類その他の物件を検査させる」(法11条1項・2項)
    5 「職員が立ち入るときは,その身分を示す証明書を携帯し,関係人に提示しなければならない」(法11条3項)
    6 犯罪捜査との関係(法11条4項)
    7 罰則
   第3 実務対応
    1 報告徴収にあたっての留意点
     ⑴ 本条に基づく報告徴収であるか否かの確認
     ⑵ 事実関係を確認した上で回答すること
     ⑶ 本法を正確に理解した上で回答すること
     ⑷ 情報の一元化
    2 立入検査にあたっての留意点
     ⑴ 事前の準備
     ⑵ 弁護士の立会い
 第3章 特定受託業務従事者の就業環境の整備
  第十二条(募集情報の的確な表示)
   第1 本条の趣旨
   第2 条文解説
    1 「新聞,雑誌その他の刊行物に掲載する広告,文書の掲出又は頒布その他厚生労働省令で定める方法」(法12条1項)
    2 「業務委託に係る特定受託事業者の募集」(法12条1項)
    3 「業務の内容その他の就業に関する事項として政令で定める事項」(法12条1項)
    4 「当該情報について虚偽の表示又は誤解を生じさせる表示をしてはならない」(法12条1項)
     ⑴ 募集情報に係る虚偽の表示の禁止
     ⑵ 募集情報に係る誤解を生じさせる表示の禁止
    5 「広告等により前項の情報を提供するときは,正確かつ最新の内容に保たなければならない」(法12条2項)
   第3 実務対応
    1 的確表示義務の遵守体制の整備
    2 事前の契約書の確定作業
    3 チェックリストによる的確表示の確認作業
    4 募集内容の粒度
    5 デジタルプラットフォームで募集を行う場合の留意点
  第十三条(妊娠出産若しくは育児又は介護に対する配慮)
   第1 本条の趣旨
   第2 条文解説
    l 「継続的業務委託」(法13条1項)
    2 「継続的業務委託……の相手方である特定受託事業者」(法13条1項)
    3 「特定受託事業者からの申出に応じて」(法13条1項・2項)
    4 「育児」(法13条1項)
    5 「介護」(法13条1項)
    6 「育児介護等の状況に応じた必要な配慮」(法13条1項・2項)
     ⑴ 配慮の内容
     ⑵ 配慮を実施する場合の具体例
     ⑶ 特定業務委託事業者による望ましくない取扱い
    7 「継続的業務委託以外の業務委託の相手方である特定受託事業者」(法13条2項)
   第3 実務対応
    1 申出の受付
     ⑴ 受付方法
     ⑵ 受付対象
    2 配慮内容の決定,伝達及び実施
     ⑴ 対応フローの整理及び周知
     ⑵ 研修の実施マニュアルの策定
    3 望ましくない取扱いの防止
  第十四条(業務委託に関して行われる言動に起因する問題に関して講ずべき措置等)
   第1 本条の趣旨
   第2 条文解説
    1 「その行う業務委託に係る特定受託業務従事者」
    2 「業務委託に関して行われる」
    3 ハラスメントの概念
     ⑴ 業務委託におけるセクシュアルハラスメント(法14条1項1号)
     ⑵ 業務委託における妊娠,出産等に関するハラスメント(法14条1項2号)
     ⑶ 業務委託におけるパワーハラスメント(法14条1項3号)
    4 「その者からの相談に応じ,適切に対応するために必要な体制の整備その他の必要な措置を講じなければならない」(法14条1
     項柱書)
     ⑴ 概要 000
     ⑵ 体制整備の内容(指針第4の5)
     ⑶ 望ましい取組(指針第4の6·7)
    5 「特定受託業務従事者が前項の相談を行ったこと又は特定業務委託事業者による当該相談への対応に協力した際に事実を述べた
     ことを理由として」(法14条2項)
    6 「業務委託に係る契約の解除その他の不利益な取扱いをしてはならない」(法14条2項)
    7 本条の法的効果
   第3 実務対応
    1 社内規程や社内資料の改定
     ⑴ 就業規則の改定
     ⑵ 各種社内資料の改定
    2 相談窓口の設置及び周知
     ⑴ 相談窓口の設置
     ⑵ 相談窓口の周知
    3 業務委託におけるハラスメントに係る事後の迅速かつ適切な対応
  第十五条(指針)
   第1 本条の趣旨
   第2 条文解説
  第十六条(解除等の予告)
   第1 本条の趣旨
   第2 条文解説
    1 「継続的業務委託に係る契約」(法16条1項)
    2 「契約の解除(契約期間の満了後に更新しない場合を含む…)をしようとする場合」(法16条1項)
     ⑴ 「契約の解除」
     ⑵ 「契約期間の満了後に更新しない」
    3 「厚生労働省令で定めるところにより」(法16条1項)
     ⑴ 「電子メール等」(厚労省関係法施行規則3条1項3号)
     ⑵ 「電子メールなどの記録を出力することにより書面を作成することができる」(厚労省関係法施行規則3条1項3号)
     ⑶ 「前項第二号の方法により行われた予告は,特定受託事業者の使用に係るファクシミリ装置により受信した時に,同項第三号   
      の方法により行われた予告は,特定受託事業者の使用に係る通信端末機器等により受信した時に,それぞれ当該特定受託事業者
      に到達したものとみなす」(厚労省関係法施行規則3条2項)
    4 「少なくとも三十日前までにその予告をしなければならない」(法16条1項)
     ⑴ 解除予告義務の内容
     ⑵ 解除予告義務違反の効果(私法上効力の有無)
    5 「災害その他やむを得ない事由により予告することが困難な場合その他の厚生労働省令で定める場合」(法16条1項)
     ⑴ 災害その他やむを得ない事由により予告することが困難な場合(厚労省関係法施行規則4条1号)
     ⑵ 元委託業務の契約解除等により直ちに解除せざるを得ない場合(厚労省関係法施行規則4条2号)
     ⑶ 業務委託の期間が30日以下の場合(厚労省関係法施行規則4条3号)
     ⑷ 特定受託事業者の責めに帰すべき事由がある場合(厚労省関係法施行規則4条4号)
     ⑸ 特定受託事業者の事情で相当な期間,基本契約に基づく個別契約が締結されていない場合(厚労省関係法施行規則4条5号)
    6 「前項の予告がされた日から同項の契約が満了する日までの間において,契約の解除の理由の開示を特定業務委託事業者に請求
     した場合」(法16条2項)
    7 「厚生労働省令で定めるところにより,遅滞なくこれを開示しなければならない」(法16条2項)
    8 「ただし,第三者の利益を害するおそれがある場合その他の厚生労働省令で定める場合は,この限りでない」(法16条2項)
     ⑴ 「第三者の利益を害するおそれがある場合」(厚労省関係法施行規則6条1号)
     ⑵ 「他の法令に違反することとなる場合」(厚労省関係法施行規則6条2号)
   第3 実務対応
    1 契約書類の改定等
     ⑴ 業務委託に係る契約書ひな形の改定
     ⑵ 合意解除に係る書面
    2 解除予告の要否に係る判断
    3 「理由」の記載内容
  第十七条(申出等)
   第1 本条の趣旨
   第2 条文解説
    l 「特定業務委託事業者から業務委託を受け,又は受けようとする特定受託事業者」(法17条1項)
    2 「この章の規定に違反する事実がある場合」(法17条1項)
    3 「厚生労働大臣に対し,その旨を申し出て,適当な措置をとるべきことを求めることができる」(法17条1項)
    4 「必要な調査を行い,その申出の内容が事実であると認めるときは,この法律に基づく措置その他適当な措置をとらなければな
     らない」(法17条2項)
     ⑴ 「必要な調査」
     ⑵ 「適当な措置」
    5 「第六条第三項の規定は,第一項の場合について準用する」(法17条3項)
   第3 実務対応
  第十八条(勧告)
   第1 本条の趣旨
   第2 条文解説
   第3 実務対応
    1 勧告の取扱い
    2 勧告に対する対応
  第十九条(命令等)
   第1 本条の趣旨
   第2 条文解説
    1 「前条の規定による勧告(第十四条に係るものを除く。)を受けた者」(法19条1項)
    2 「正当な理由がなく」(法19条1項)
    3 「勧告に係る措置をとらなかったとき」(法19条1項)
    4 「当該勧告に係る措置をとるべきことを命ずることができる」(法19条1項)
    5 「前項の規定による命令をした場合には,その旨を公表することができる」(法19条2項)
    6 「勧告(第十四条に係るものに限る。)を受けた者が,正 当な理由がなく,その勧告に係る措置をとらなかったときは,その
     旨を公表することができる」(法19条3項)
   第3 実務対応
  第二十条(報告及び検査)
   第1 本条の趣旨
   第2 条文解説
    1 「規定の施行に必要な限度において」(法20条1項・2項)
    2 「特定業務委託事業者,特定受託事業者その他の関係者」(法20条1項)
     ⑴ 「特定業務委託事業者,特定受託事業者」
     ⑵ 「その他の関係者」
    3 「報告」(法20条1項・2項),「事務所その他の事業場に立ち入り,帳簿書類その他の物件を検査させる」(法20条1項)
    4 「第十一条第三項及び第四項の規定は,第一項の規定による立入検査について準用する」(法20条3項)
    5 罰則
   第3 実務対応
    l 報告徴収にあたっての留意点
     ⑴ 事実関係を確認した上で回答すること
     ⑵ 本法を正確に理解した上で回答すること
     ⑶ 情報の一元化
    2 立入検査にあたっての留意点
 第4章 雑則
  第二十一条(特定受託事業者からの相談対応に係る体制の整備)
  第二十二条(指導及び助言)
   第1 本条の趣旨
   第2 条文解説
    1 「この法律の施行に関し必要があると認めるときは」
    2 「業務委託事業者に対し」
    3 「指導及び助言」
   第3 実務対応
    1 助言・指導の取扱い
     ⑴ 公正取引委員会・中小企業庁
     ⑵ 都道府県労働局
    2 助言・指導に対する対応
  第二十三条(厚生労働大臣の権限の委任)
   第1 本条の趣旨
   第2 条文解説
 第5章 罰則
  第二十四条
   第1 本条の趣旨
   第2 条文解説
  第二十五条
   第1 本条の趣旨
   第2 条文解説
  第二十六条
   第1 本条の趣旨
   第2  条文解説

  附則
   第1 本条の趣旨
   第2 条文解説
    1 施行期日(附則1項)
    2 検討(附則2項)

著者紹介

那須 勇太(なす ゆうた)
[プロフィール]
TMI総合法律事務所 パートナー弁護士
2010年12月第一東京弁護士会登録。2011年1月TMI総合法律事務所入所。2020年10月TMIプライバシー&セキュリティコンサルティング株式会社執行役員就任。2021年1月TMI総合法律事務所パートナー就任。主に.人事労務関係(就業規則や雇用契約等の整備・改定,M&Aにおける労務デュー・ディリジェンス,労働審判や労働関係訴訟,人事労務に関する社内調査,フリーランス関係等)を取扱い,特にトラブル対応への関与頻度が高い。また,エンタテインメントビジネス等も取り扱っており,エンタテインメント業界と労務に関する案件にも数多く従事している。主な著作として「プロ野球ビジネスと知的財産」(共著,ジュリスト1514号27頁),「エンタメ×労務」(労務事情,2021年4月15日号~2022年7月15日号連載全15回)等共著として『人事担当者のための採用から退職までの実務Q&A100』(労務行政),『労働時間の法律相談』(青林書院)等,多数ある。労働法プラクティスグループ所属。

益原 大亮(ますはら だいすけ)
[プロフィール]
TMI総合法律事務所 弁護士・社会保険労務士
2017年12月東京弁護士会登録、2018年1月TMI総合法律事務所入所。2019年10月~2021年9月厚生労働省大臣官房総務課法務室に法務指導官として出向(厚生労働省における法務・訟務全般に対応)。2021年10月~2023年9月厚生労働省労働基準局労働条件政策課に課長補佐・労働関係法専門官として出向(裁量労働制の制度改正、医師の働き方改革、新しい時代の働き方に関する研究会、労働基準法の企画立案・解釈等を担当)。2023年2月東京都社会保険労務士会登録。2023年10月より厚生労働省医政局参与(医師の働き方改革)に就任。人事労務分野におけるリーガルサービス(就業規則や雇用契約等の整備・改定、M&Aにおける労務デュー・ディリジェンス、労働審判や労働関係訴訟、人事労務に関する社内調査、労働基準監督署や労働局への対応、職業紹介事業・労働者派遣事業、フリーランス関係等)を幅広く提供するほか、行政実務に精通する者として、業種に関係なく行政分野におけるリーガルサービスを提供している。労働法プラクティスグループ所属。

[主な著作]
共著『労働時間の法律相談』(青林書院)
編著『医師の働き方改革 完全解説』(日経BP)
監修「偽装フリーランス防止のための手引き」(一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会)
編著『詳細 裁量労働制』(中央経済社)
編著『実務逐条解説 フリーランス・事業者間取引適正化等法』(中央経済社)

海住 幸生(かいじゅう ゆきお)
[プロフィール]
TMI総合法律事務所 パートナー弁護士
2008年12月第二東京弁護士会登録。2009年1月TMI総合法律事務所入所。2016年4月~2018年6月公正取引委員会審査局訟務官に訟務官付(審査専門官)として出向(独占禁止法遠反事件の審査や訴訟の対応等を担当)。2019年5月カリフォルニア大学バークレー校ロースクール修了。2019年9月~同年12月米国連邦取引委員会国際室にて勤務。2020年1月~同年7月Winston & Strawn LLPにて勤務。2022年1月TMI総合法律事務所パートナー就任。主な取扱分野は独占禁止法・海外競争法,下請法,景品表示法及びコンプライアンスを中心とした企業法務。日本及び米国での競争当局で勤務した経験を活かし,実務に沿ったアドバィスを行う。主な著作として『独占禁止法の実務手続』(共著,中央経済社),「消耗品ピジネスをめぐる独禁法実務」(NBL1238号26頁),『条解独占禁止法〔第2版〕』(執策協力,弘文堂)等多数ある。独禁法プラクティスグループ所属。

安中 嘉彦(あんなか よしひこ)
[プロフィール]
TMI総合法律事務所 弁護士
2015年12月第二東京弁護士会登録。2020年7月TMI総合法律事務所入所。弁護士登録以降 TMI総合法律事務所入所までは.渥美坂井法律事務所・外国法共同事業所属。2021年5月~ 2023年3月厚生労働省労働基準局監瞥課に課長補佐・労働関係法専門官として出向(労働基準関係法令の解釈や,行政不服審査・訴訟の対応等を担当)。2024年2月厚生労働省技術審査委員就任。人事労務分野におけるリーガルサービス(労働審判や労慟関係訴訟.労働基準監瞥署や労働局への対応,労働組合対応,就業規則や雇用契約等の整備・改定,人事労務に関する社内調査M&Aにおける労務デュー・ディリジェンス等)を幅広く提供する。共著として『人事担当者のための採用から退職までの実務Q&A100』(労務行政),『Employment 2023』及び『Employment 2024』(Chambers and Partners),『医師の働き方改革完全解説』(日経BP),『詳解 裁量労働制I』(中央経済社)がある。労働法プラクティスグループ所属。

池田 絹助(いけだ けんすけ)
[プロフィール]
TMI総合法律事務所 弁護士
2018年12月第二東京弁護士会登録。2019年1月TMI総合法律事務所入所。主に,人事労務関係(就業規則や雇用契約等の整備・改定,M&Aにおける労務デュー・ディリジェンス,労働審判や労働関係訴訟,人事労務に関する社内調査,フリーランス関係等),カルテル.企業結合等の独占禁止法,下請法,景品表示法,M&A法務の分野を取り扱う。共著として『労働時間の法律相談』(青林書院),『医師の働き方改革 完全解説』(日経BP),『詳解 裁量労働制』(中央経済社)等がある。労働法プラクティスグループ,独禁法プラクティスグループ所属。

正田 琢也(しょうだ たくや)
[プロフィール]
TMI総合法律事務所 弁護士
2018年12月第一東京弁護士会登録。2019年1月TMI総合法律事務所入所。2022年11月~2024年5月国内大手メーカーの法務部門に企業出向。主に一般企業法務,人事労務(就業規則や雇用契約等の整備・改定,M&Aにおける労務デュー・ディリジェンス,労働審判や労働関係訴訟,労働組合対応,人事労務に関する社内調査,フリーランス関係等),訴訟紛争等の分野を取り扱う。共著として『労働時間の法律相談I』(青林書院)等がある。労働法プラクティスグループ所属。

小野関 翼(おのぜき つばさ)
[プロフィール]
TMI総合法律事務所 弁護士
2022年4月東京弁護士会登録。2022年4月TMI総合法律事務所入所。主にスポーツ,競争法(カルテル,当局調査対応企業結合届出,アライアンス,下請法,景品表示法等)等の分野を取り扱う。独禁法プラクティスグループ所属。

長島 誠(ながしま まこと)
[プロフィール]
TMI総合法律事務所 弁護士
2022年4月東京弁護士会登録。2022年4月TMI総合法律事務所入所。主に競争法(カルテル,当局調査対応,企業結合届出,アライアンス,下請法,景品表示法等),不正調査・リスクマネジメント(内部通報,人事労務,品質不正,会計不正等)等の分野を取り扱う。独禁法プラクティスグループ所属。

梶原 大暉(かじわら だいき)
[プロフィール]
TMI総合法律事務所 弁護士
2023年12月第一東京弁護士会登録。2024年1月TMI総合法律事務所入所。主に一般企業法務,人事労務(就業規則や雇用契約等の整備・改定,M&Aにおける労務デュー・デイリジェンス,労働審判や労働関係訴訟,人事労務に関する社内調査等),学校法務等の分野を取り扱う。労働法プラクティスグループ,学校法人・教育プラクティスグループ所属。

打越 まりん(うちこし まりん)
[プロフィール]
TMI総合法律事務所 弁護士
2023年12月東京弁護士会登録。2024年1月TMI総合法律事務所入所。一般企業法務,独占禁止法,下請法分野の案件を取り扱うほか,不正調査(カルテル,会計不正等),リスクマネジメント(内部通報等),ファイナンス,紛争関連の案件も広く取り扱う。

著者から
令和6年11月施行の特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律(フリーランス・事業者間取引適正化等法/いわゆるフリーランス新法)について、公正取引委員会出向経験者や厚生労働省出向経験者の弁護士を含め、競争法分野や労働法分野を専門とする弁護士により、立法経緯や他法との関係性、各条文の内容と実務対応等を、通達、ガイドライン、Q&A、パブコメ、国会答弁等を含めて網羅的かつ詳細に解説。本書の構成として、第1編で本法の立法経緯、本法の内容(概要)及び他法との関係性を解説した上で、第2編で本法の条文ごとに「第1 本条の趣旨」、「第2 条文解説」、「第3 実務対応」という構成で逐条解説を行っている。