企業価値を「創造」する経理財務―バックオフィスからフロントオフィスへの変革

脇 一郎

定価(紙 版):3,190円(税込)

発行日:2025/01/17
A5判 / 256頁
ISBN:978-4-502-52301-4

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本の紹介
経理財務部門がビジネスの一端を担い、価値を創造するためになすべきこととは? 業務効率化のみならず、機能、組織・人材の面も含め、これからの経理財務の行動指針を示す。

目次

第1章 経理財務部門は本当に必要なのか
 1 経理財務人材数の動向
 2 IT化推進とその効果
 3 経理財務業務への投資はROIではなくインフラ的視点で検討する
 4 経理財務部門の生き残る道は企業価値の創造

第2章 既存業務の効率化
第1節 DX化
 1 DX化はサステナビリティ投資
 2 電子帳簿保存法で推進させるDX化
 3 変革への挑戦(チェンジマネジメント)
第2節 AIの利活用
 1 生成AIを使う前に
 2 (生成)AIの活用例
第3節 Web3.0
 1 Web3.0の現状
 2 NFTなどの無形資産価値に敏感になる
 3 NFTの活用
第4節 会計監査人への対応力強化
 1 監査の厳格化と監査人の指導的機能の制限
 2 監査人に頼り過ぎない財務経理部門の体制構築

第3章 企業価値を創造する経理財務部門の機能
第1節 非財務価値を生かす
 1 COOはP/L,CFOはB/Sを創造する
 2 直接金融を効率的・効果的に使うことを考える
 3 企業価値を時価総額と考えてみる
 4 無形資産と経済成長
 5 非財務価値コストを反映させる原価計算
第2節 サステナビリティとの関わり方
 1 なぜ,いまサステナビリティなのか
 2 経理財務部門とサステナビリティ
 3 実は先進的な日本企業のサステナビリティ活動
 4 経理財務部門は積極的にサステナビリティに関与しよう
 5 財務への影響
 6 CFOからCVOへ
 7 サステナビリティ関連数値を経理財務部門で扱うための準備
第3節 データマネジメント機能
 1 データガバナンスによるデータ信頼性確保
 2 データ利活用による価値創造
 3 データ戦略によりデータドリブン経営を推進
 4 データ文化:データドリブン経営を推進する企業文化
 5 戦略的資産としてのデータ
第4節 リスクマネジメントとガバナンス機能
 1 3線モデル(スリーラインズモデル)
 2 リスク軽減から不確実性の管理へ
 3 内部統制

第4章 次世代の経理財務部門の組織と人材
第1節 次世代の経理財務部門の組織作り
 1 事務系作業の集約:アウトソーシング/シェアードサービスの活用
 2 専門性の高い業務の集約:CoE(Center of Excellence)
 3 FP&A(Financial Planning & Analysis)
 4 外部専門家の活用
 5 経理財務部門におけるリーダーシップ
 6 ジョブ型制度への転換
 7 経理財務人材の報酬
第2節 企業価値を創造できる人材になるために
 1 価値に敏感になる
 2 プロセス志向能力
 3 ITリテラシー向上
 4 データ分析
 5 ガバナンス・リスク・コンプライアンス(GRC)
 6 問題解決能力
 7 財務諸表論
 8 コミュニケーション能力
 9 リーダーシップスキル
 10 行動経済学
第3節 職業倫理
 1 職業倫理とは?
 2 職業専門家の職業倫理
 3 職業倫理強化の背景
 4 なぜ経理財務人材は倫理が重要なのか
 5 倫理の実践

著者紹介

脇 一郎(わき いちろう)
[プロフィール]
株式会社JBAホールディングス 代表取締役 グループCEO
公認会計士

中央監査法人国際部(Coopers & Lybrand)にて会計監査業務に従事。その後,外資系企業日本法人の経理財務責任者や代表取締役を歴任。
2006年,ジャパン・ビジネス・アシュアランス株式会社(現・JBAホールディングス)に創業参画,2016年から現職。
その他,日本公認会計士協会常務理事(2019年~),国際会計士連盟(IFAC)企業内職業会計士アドバイザリーグループメンバー(2020年~),早稲田大学会計大学院非常勤講師などを歴任。