戦略的リスクテイク入門―持続的成長と企業価値向上をもたらす思考と技法

PwC総合研究所合同会社
栗原 俊典
北野 淳史
古宇田 由貴

定価(紙 版):4,510円(税込)

発行日:2025/12/02
A5判 / 356頁
ISBN:978-4-502-56021-7

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本の紹介
不確実性下において企業が直面するリスクと機会をどう整理し、収益性や競争優位性をいかに最大化するか。リスクを特定・評価・管理し、機会に変革する方法論を体系的に解説。

目次

第1章 不確実性下における機会とリスクの分析アプローチ
第1節 機会とリスクの見極め
第2節 外部環境分析
第3節 内部環境分析
第4節 システムダイナミクスの考え方を踏まえたシナリオ分析手法
第5節 持続可能なビジネスモデルの構築
第6節 創造力と柔軟性による環境変化への対応

第2章 デジタル化時代の強靭なガバナンス態勢
第1節 不確実性下におけるリスクガバナンス
第2節 強靭かつデジタル技術を活用したガバナンス
第3節 コンプライアンス態勢
第4節 リスクアペタイトフレームワーク
第5節 企業文化を踏まえたリスク文化の醸成

第3章 持続的成長に向けた戦略策定プロセスのイノベーション
第1節 競争優位を築く戦略策定方法
第2節 多角的な時間軸を考慮した戦略策定
第3節 顧客中心の戦略とバリューチェーン
第4節 未来を切り拓くイノベーション戦略
第5節 競争の枠を越えるエコシステム戦略
第7節 AIと人間の協働
第8節 データに基づく意思決定

第4章 リスクを機会に変革するためのリスク管理
第1節 環境変化に応じたリスクテイクアプローチ
第2節 企業価値最大化アプローチ
第3節 戦略策定プロセスとリスク管理プロセスの一体運営
第4節 多様なリスクの整理の方法
第5節 リスクの特定とその管理手法
第6節 リスク対応力を高めるシナリオ分析
第7節 リスクコントロール手段の類型
第8節 効率的・実効的なリスクモニタリング
第9節 データに基づくリスクアプローチ

第5章 適切なリスクテイクを可能にするシナリオ分析
第1節 シナリオ分析のための準備
第2節 短期・中期・長期の視点を踏まえたシナリオ分析
第3節 リスクドライバーの特定と相互連関の考え方
第4節 シナリオ策定と影響度評価の具体的手法
第5節 実効的なコントロール手段の設計
第6節 シナリオ分析結果の戦略・計画・方針への反映
第7節 危機対応力の強化
第8節 デジタル技術で強化するシナリオ分析

著者紹介

PwC総合研究所合同会社(ぴーだぶりゅーしーそうごうけんきゅうじょごうどうがいしゃ)
[プロフィール]
PwC総合研究所は,金融・資本市場に関する総合的な研究機関として2009年10月1日に設立されました。近時世界は,未曾有の金融危機を経て「ニューノーマル」へ向かう動きを加速させつつも複雑系の様相が続いています。本研究所は,PwCのグローバルネットワークを生かした知の集積とその活用ならびに情報の発信による付加価値の創造を通して,クライアントの成長と社会の持続的な発展に貢献することを目指します。とりわけ日本の金融慣行を熟知する専門家集団として,内外の市場に対してPwC Japanグループとしての見解・提言などを示すというこれまでのシンクタンクとしての任務に加えて,金融機関のみならず様々なクライアントに対し,新たな規制などへの戦略的かつ包括的な対応,およびリスク管理やガバナンス態勢の高度化・先進化に関して助言・支援などを行うことで,クライアントの幅広いニーズに応えてまいります。

栗原 俊典(くりはら としのり)
[プロフィール]
PwC総合研究所合同会社 所長
大手信託銀行,ウォールストリートでストラクチャードファイナンスのマネージング・ディレクター,金融機関のジョイントベンチャーによるヘッジファンド,ファンドオブファンズ会社のプレジデントを経て,金融庁に入庁。金融庁では,統括検査官,広島大学大学院客員教授,バーゼルⅡ検査指導室室長を務めバーゼル銀行監督委員会において基準実施関連の部会のメンバーとして活動。
2010年より米独立系コンサルティングファームの専務取締役。2015年にPwC総合研究所合同会社所長に就任。
ガバナンス態勢整備,国際的規制対応,リスクアペタイトフレームワーク導入,リスク文化の醸成,危機管理態勢や戦略リスク管理の高度化など,持続可能なビジネスモデルに関連する経営管理上の諸問題に関する助言,当局コミュニケーションの指導等数多くの案件に関与。
経営陣向けプレゼンテーションも数多く実施している。

[主な著作]
『金融規制・監督と経営管理』(共著,日本経済新聞出版社,2014)
『金融機関のビジネス戦略』(共著,中央経済社,2018)

北野 淳史(きたの あつし)
[プロフィール]
PwC総合研究所合同会社 マネージング ディレクター
2003年に金融庁へ入庁。米国通貨監督庁(OCC)出向,検査局等を経て,リーマンショックを受けた銀行に対する新しい健全性基準(バーゼルⅢ)策定を行うバーゼル銀行監督委員会(BCBS)の作業部会に参加。監督局にて,バーゼルⅢを踏まえた国内規制案の策定やメガバンクのリスク管理,ストレステスト,再建計画の検証および処理計画の策定等に関わる。
その後,米独立系コンサルティングファームにおいて,国内外規制対応,再建計画の策定,リスク管理,許認可・経営管理上の諸問題に関する助言等に従事。
2015年にPwC総合研究所入社。入社後は,リスクアペタイトフレームワーク構築・自己検証支援,経営管理・リスク管理高度化支援,オペレーショナルレジリエンス高度化支援,国内外の規制・監督対応支援等に従事。また,非金融機関向けの総合的なリスク管理態勢整備支援,BCPを含む危機管理態勢整備支援等に関与。

[主な著作]
『バーゼルⅢ 自己資本比率規制 国際統一/国内基準告示の完全解説』(共著,金融財政事情研究会,2014)
『金融機関のビジネス戦略』(共著,中央経済社,2018)

古宇田 由貴(こうだ ゆき)
[プロフィール]
PwC総合研究所合同会社 マネージング ディレクター
大手金融機関にて,デリバティブやクレジット投資などマーケット業務に携わり,米国資産運用会社での外部研修なども経験。
米独立系コンサルティングファームでは,大手金融機関に対するリスクマネジメントの高度化や新規制導入に関する助言に多数携わる。また,再建計画の作成について,危機時における対応策の検討やその管理態勢についての助言に携わる。その他,国内外の新規制対応,コンプライアンス対応,ガバナンス態勢整備,経営管理・リスク管理の高度化,再建計画の策定等の案件に関与・従事。
2015年にPwC総合研究所入社。入社後は,リスクアペタイトフレームワーク構築・自己検証支援や経営管理・リスク管理・収益管理・ポートフォリオ管理等高度化支援,国内外規制対応支援等に従事。

[主な著作]
『金融機関のビジネス戦略』(共著,中央経済社,2018)