- 本の紹介
- 産学官連携は、新規分野の研究開発を実用化するための有効な活動として機能し始めている。産学官連携の研究開発を積極的に進める大阪府立大学の取り組みを詳細に解説する。
目次
産学官連携の研究開発
目次
第1章 大阪府立大学の産学官連携活動の概要
1 はじめに
2 本学の産学官連携のあゆみ
3 現在の体制
(1) 戦略機能
(2) 職員体制
(3) コーディネーター
4 特許戦略
5 金融機関との連携
6 産学官連携における大学間連携
(1) 実施体制
(2) 実施計画
7 おわりに
第2章 関西から宇宙へ!
―小型衛星SOHLA‐1(まいど1号)の設計・開発
1 はじめに
2 小型衛星 SOHLA‐1の概要
(1) SOHLA‐1の開発目的
(2) SOHLA‐1のミッション
(3) SOHLA‐1の開発体制
3 大阪府立大学におけるSOHLA‐1の設計・開発
(1) 電力系
(2) 構造系
(3) 熱制御系 ……ほか
4 SOHLA‐1の打上げ・運用管制
5 「小型宇宙機システム研究センター」について
(1) センターの設立
(2) センターの目的
(3) 学生・大学院生に依拠した活動 ……ほか
6 おわりに
第3章 プラズマ応用技術による地球環境の改善と地域貢献
1 はじめに
2 地球温暖化防止技術について
3 プラズマ浄化スーパークリーンディーゼルのプロジェクト概要
4 プロジェクト開始に至る経緯
5 産学共同研究の方法
6 国プロジェクトへの申請
7 研究室での産学連携の現状
8 人材育成と研究協力者に関して
9 おわりに
第4章 海洋深層水を用いた食糧増産
1 はじめに
2 プロジェクト概要
3 実海域実験機「拓海」の開発
4 海洋肥沃化装置の持続可能性評価
5 おわりに
第5章 微細配線が可能なスクリーン版用フォトレジストの開発
1 はじめに
2 フォトレジストとは
3 スクリーン印刷とは
4 スクリーン版用ポジ型レジスト開発
5 i‐線用光酸発生剤の開発
6 レジストパターンの高強度化
7 微細配線用スクリーン版の開発
8 おわりに
第6章 高効率に硫黄化合物を分解する太陽電池・
酸化チタン光触媒複合システムの創製
1 はじめに
2 プロジェクトの概要
3 太陽電池・酸化チタン光触媒複合システムの概要と実験操作
4 結果と考察
(1) 各種分光測定による棒状TiO2電極のキャラクタリゼーション
(2) 光電流測定による棒状TiO2電極の反応特性の検討
(3) 棒状TiO2電極を用いたエチルメルカプタン(C2H5SH)の
分解反応
5 おわりに
第7章 金属系新素材研究センターの活動
1 はじめに
2 金属系新素材研究センターの紹介
3 産学官連携・共同研究の事例紹介
(1) 東北大学金属材料研究所・附属研究施設大阪センターとの
連携・共同研究
(2) 堺市との産学官連携共同研究開発事業
(3) その他の産学官連携・共同研究
4 マテリアル工学分野の紹介
5 ものづくり研究・材料開発の課題
6 おわりに
第8章 過熱水蒸気の多目的利用プロジェクト
―百舌鳥の智恵を生かした温故知新
1 はじめに
2 過熱水蒸気の基礎と温故知新による産学共同開発
3 過熱水蒸気装置の利用展開とベンチャー起業
(有限責任事業組合立ち上げ)
(1) 野菜の無菌化と新規ロジスティクスに向けて
(2) 果実・根菜への剥離技術への転用
(3) 野菜への乾燥・粉末化への利用 ……ほか
4 おわりに
第9章 獣医学が目指す癌撲滅に向けた基礎研究
―ラット腫瘍モデルの確立と応用
1 はじめに
2 ラット腫瘍モデル(移植腫瘍と培養細胞株)の確立方法と
開発意義
3 再生医療の基礎研究に有用な多分化能間葉系幹細胞株(MT‐9)
4 悪性高カルシウム血症(HHM)の病態解明モデル(IP)
5 脳科学研究に有用な髄膜構成由来の細胞株(KMY)
6 シュワン細胞の細胞特性解明に向けた細胞株(KE‐F11)
7 マクロファージの特性を解析するための細胞株(HS‐P,KB‐D8)
8 線維化の病理発生機序の解明のための試験管内代替実験系の
確立:マクロファージ株(HS‐P)と筋線維芽細胞株(MT‐9)
9 ラット腫瘍モデルの応用性の将来展望
(1) 応用性の探索
(2) 「動物腫瘍に関する総合的研究拠点」の形成
10 おわりに
第10章 シガテラ食中毒原因毒素の微量検出法の開発
1 はじめに
2 ハプテンの設計と合成
3 抗シガトキシンCTX3C左側特異的抗体の作製
4 抗シガトキシンCTX3C右側特異的抗体の作製
5 サンドイッチイムノアッセイによるシガトキシンCTX3Cの検出
6 抗シガトキシン51‐hydroxyCTX3C抗体の作製とサンドイッチイムノアッセイによる51‐hydroxyCTX3Cの検出
7 おわりに
第11章 蛋白質ハイドロゲルの研究
―コラーゲンなどの医療材料への利用の可能性
1 はじめに
2 構造蛋白質について
3 コラーゲンとゼラチン
4 生体材料について
5 移植用組織片と放射線照射
6 蛋白質の放射線化学反応
7 細胞とECMとECM受容体
8 医療への利用の可能性
9 おわりに
第12章 映画マーケティングと予測
1 はじめに
2 新作映画のレコメンデーションシステム
3 映画のBoxOffice予測と広告効果
4 連続TVドラマの視聴率予測
5 映画脚本評価の構造化
6 ジャンルと広告効果
7 劇場収益とDVD収益
8 おわりに
第13章 産業連関分析とシャープ誘致による堺市への
経済波及効果
1 はじめに
2 産業連関表の仕組み
(1) 基本取引表
(2) 投入係数表
(3) 逆行列表
3 堺市の企業誘致の経済波及効果の推定
(1) 最終需要支出の推定
(2) 最終需要額の産業連関表への対応
(3) 2次経済波及効果の推定の注意点 ……ほか
4 おわりに
第14章 ヒト核内受容体リガンドを簡便迅速に探索できる
バイオアッセイキットの開発
1 はじめに
2 核内受容体とは
3 研究のきっかけ
4 長瀬産業?との出会い
5 エストロゲン受容体・ダイオキシン受容体アッセイキットの商品化
6 研究の発展
(1) 種々の受容体アッセイ酵母の樹立
(2) アッセイ酵母の高感度化
(3) アッセイ酵母の有用性の実証
7 今後の展望と問題点
8 おわりに
あとがき
巻末付録
平成19年度における大阪府立大学の産学官連携の活動状況
著者プロフィール
■執筆者紹介
菅野昌志(かんの まさし)
1968年 東北大学 工学部通信工学科卒業
現 在 大阪府立大学 理事 産学官連携機構長
大久保博志(おおくぼ ひろし)
1973年 京都大学大学院工学研究科 航空工学専攻 修士課程修了
現 在 大阪府立大学 大学院工学研究科 教授 工学博士
大阪府立大学 小型宇宙機システム研究センター センター長
大久保雅章(おおくぼ まさあき)
1990年 東京工業大学 大学院 理工学研究科 機械工学専攻 博士後期課程修了
現 在 大阪府立大学 大学院工学研究科 教授 工学博士
大塚耕司(おおつか こうじ)
1989年 大阪府立大学 大学院 工学研究科 船舶工学専攻 博士前期課程修了
現 在 大阪府立大学 大学院工学研究科 教授 博士(工学)
大阪府立大学 エコ・サイエンス研究所 所長
白井正充(しらい まさみつ)
1973年 大阪府立大学大学院工学研究科応用化学専攻修士課程修了
現 在 大阪府立大学大学院工学研究科 教授 工学博士
松岡雅也(まつおか まさや)
1997年 大阪府立大学 大学院 工学研究科 応用化学専攻 博士後期課程修了
現 在 大阪府立大学大学院研究科 准教授 博士(工学)
金 兌鎬(きむ てほ)
2006年 Sun Moon大学 工学研究科 金属材料工学専攻 博士前期課程修了
現 在 大阪府立大学大学院工学研究科 博士後期課程3年
安保正一(あんぽ まさかず)
1974年 大阪府立大学 大学院 工学研究科博士課程 修了
現 在 大阪府立大学大学院工学研究科 教授 工学博士
間渕 博(まぶち ひろし)
1971年 大阪府立大学 工学研究科 金属工学専攻 修士課程修了
現 在 大阪府立大学大学院工学研究科 教授 工学博士
大阪府立大学金属系新素材研究センター センター長
宮武和孝(みやたけ かずたか)
1975年 大阪府立大学大学院 農学研究科 農芸化学専攻 博士後期課程中途退学
現 在 大阪府立大学 大学院生命環境科学研究科 教授 農学博士
山手丈至(やまて じょうじ)
1981年 山口大学大学院農学研究科 獣医学専攻 修士課程 修了
1991年 東京大学より博士(農学)取得
現 在 大阪府立大学生命環境科学研究科 獣医学専攻 獣医病理学研究室 教授 獣医師
円谷 健(つむらや たけし)
1990年 筑波大学大学院化学研究科化学専攻博士課程修了
現 在 大阪府立大学大学院理学系研究科 准教授 理学博士
藤井郁雄(ふじい いくお)
1986年 九州大学大学院薬学研究科博士課程修了
現 在 大阪府立大学大学院理学系研究科 教授 薬学博士
大阪府立大学 21世紀科学研究機構 ケミカルバイオロジー 研究所 所長
原 正之(はら まさゆき)
1987年 大阪大学大学院理学研究科 生物科学専攻 博士後期課程単位習得退学
現 在 大阪府立大学 大学院理学系研究科 教授 理学博士
荒木長照(あらき ながてる)
1989年 大阪府立大学大学院経済学研究科博士後期課程単位取得退学
現 在 大阪府立大学経済学部 教授 経済学博士
韓 池(はん ち)
2002年 大阪府立大学大学院 経済研究科 数理経済学専攻 博士後期課程修了 経済学博士
現 在 大阪府立大学 経済学部 准教授
八木孝司(やぎ たかし)
1982年 京都大学大学院 医学研究科 生理系専攻 博士課程修了
現 在 大阪府立大学 産学官連携機構 先端科学イノベーションセン ター 教授
理学系研究科 生物科学専攻 医学博士